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『君たちはどう生きるか』で気になる「君生きバードの正体」

 サブカルライター・モトタキが、前情報一才出さないスタジオジブリ制作の映画『君たちはどう生きるか』を鑑賞。初見感想をネタバレごめんで書き殴る。てかネタバレなしで観てほしいから、観てないヒトは読まずに帰っていいよ。

結論「楽しかったけど物足りない」

 ネタバレ無し、事前情報無しだからこそワクワク感は本当に良かった。初っ端からたっぷり割とリアルな疎開がはじまるので「うお、そっち系なの」みたいになったが、継母が異界入りして、それを追いかけてからは、ずっと冒険。

 なんなら『不思議の国のアリス』を感じる、ともすれば死にそうな雰囲気モリモリでドキドキする。魂を食うペリカン、炎を操る少女、人を喰らうインコの兵隊。

 ジブリ作品としては『千と千尋の神隠し』の雰囲気が漂う。そこに『ハウルの動く城』が混ぜ込まれたような感じ。悪くないじゃん。

 最終的にはあっさりとしてるので、もう二波乱は欲しかった。物足りなさはある。ラストも余韻なくピシャリと終わるのがちょっと悲しい。

 ラストシーンは少年らを乗せた車と青鷺が並走するだけで、それだけでもよかったのにな。あと、持ち帰った石はなんか意味があったのか。

 そんな気分になる。総評としては楽しかったけど、物足りない。完全版をくれ。

「君生きバード」とはなんだったのか

 事前情報が無いために、ツイッターランドの皆さんを虜にした「君生きバード」。わりと敵であり、のちに相棒になる。まさか、なんとなく卑屈さがある『うしおととら』のとらになるなんて誰が思ったんだ。

 ビジュアルもわりとすごい。おっさん。松本人志が作るタイプのおじさんのビジュアル。なんでおじさんなの。トカゲのおっさんならぬ、青鷺のおっさんだった。

 でも、憎めない感じがよかった。友達だよ。

異界はこれで終わりなのか

 ジブリ作品の考察「異界との距離感」について、感じるところがあった。

 『となりのトトロ』で身近にいる怪異をみせて、『千と千尋の神隠し』で異界をみせて、『崖の上のポニョ』で異界と此岸を交わらせた

 『君たちはどう生きるか』は、また異界と此岸は切り分けた上で、異界を崩壊させてしまう。いいのか、これで終わりなのか。

 「異界はもう直ぐ終わります」「異界は現実世界より幸せの国です」「後継者に任せたいけど後継者が断っちゃった」みたいな、ねえ。そういうことなの、みたいな気分になっちゃった。

この作品はSFなのか

『浦島太郎』の四季に通じる扉みたいなのも出てきた。そもそも異界に繋がる塔は元は天から降ってきた異物でもある。わりとSF要素はバリバリだった。

実はジブリのこれまで異界と思われていたものは全て異星の生命体との遭遇だったのでは。いや、それは飛躍しすぎてるけども、妖怪の異星人説なんてのは根強くあるオカルトでもあり、容易に繋げられる要素ではある。

そっち系の考察をしてるヒトがいるなら、極大の物証が現れたようなものなので荒れそう。そういうのが好きなヒトは大いに盛り上がってほしい。

現場からは以上です。

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