【誰かに聞いてほしい気持ち】002 支援の仕方

多額の寄付ができるほどの財力はない。
彼らの元へ行って手助けする行動力もない。
ただ、ここにいながらにして何ができるかを考えている・・・。


私は、長く旅行業界で仕事をしてきた。
様々な海外旅行を手配してきたし、パッケージツアーの企画もしてきた。
延いては航空会社からの要請や下見のために自ら渡航したり、添乗員としてお客様と一緒に旅することもしてきた。

その訪問先は、韓国や香港など観光旅行としては一般的とされる国々もあったが、勤めてきた会社が、珍しい方面を専門とするところであったこともあり、普通の人であれば、生涯で一度行くことがあるかどうかというところの方が多かった。

特に一番初めの会社は “ 秘境専門店 ” と謳っていたこともあり、手配や企画、添乗などで実際に旅行したり、行かなくとも様々な面で触れる機会の多かった国を一部挙げると、モンゴル、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、トルコ、ギリシャ、ケニア、タンザニア・・・となる。

他にも中近東や中央アジアなどの国々に触れる機会もあったが、どの国も魅力に溢れていた。
私の旅行手配・企画が、日本人のそれらに触れる機会の広がりに貢献できていることに嬉しさを、そしてやりがいを感じていたものである。

その魅力とは、自然、遺跡、文化、歴史などもあったが、それよりも私にとっての大きな魅力は、それぞれの国の “ 人 ” であった。

モンゴルの乗馬を教えてくれた遊牧民の親子、ミャンマーのアルバイトでガイドしてくれた学生、ネパールのホテル経営の兄姉、パキスタンのいつも空港ホテルにいて市内観光の客引きをしている男、ケニアの日本で働きたがっていたドライバー、他にも各国で同行してくれたガイドや通訳・・・。

他にも、厳しそうな空港の係員、明るいお土産物屋のおばちゃん、狡そうなタクシーの運転手、その場で初めて会って一緒に飲んだ若者たち、チップの額を指定するポーター・・・皆、その国々の人柄を感じさせてくれ、有名な観光施設などよりも思い出深きその国の印象となって私の中に残っている。


古くは湾岸戦争、そして2011年のトルコ地震、2012年のネパール地震、近年ではエーゲ海地震、ミャンマーのクーデターなど、触れてきた国々で様々なことが起きている。

それらを耳にする度、お世話になった人たち、一緒に仕事をした人たち、触れ合った人々の顔を思い出す。

あの人たちは大丈夫だろうか。
しかし、私は彼らに対して何もしてこなかった。
した事といえば、ネパール地震に対する街頭募金に少し多めのお金を寄付したことくらいしか思い出せない。


私も年齢を重ねた。

これまでの触れてきた世界のために、旅行業に携わりここまで生活してこれた御礼に、何かしらの行動をしたいと思い、年始から “ ユニセフのマンスリーサポートプログラム ” に参加した。


今、ロシアとウクライナの間で戦争が起きている。

私が働いた2番目の会社は、ロシアと旧ソ連(CIS)を主に扱うところであった。この2カ国は主となる旅行先であった。

その会社では、ロシアの人も一緒に働いており、仲良く食事や飲みにも行ったものだ。皆、おとなしくて温和な人という印象が強く残っている。

再び、考える。
ウクライナの人々のために、ロシアの人々のために、私に出来ることはなんだろう・・・。

まずは、物価高騰に文句を言わないこと。
差額は寄付なのだ、と考えよう・・・。

また “ お金 ” だけなのか? という気持ちにもなる。
しかし、何も考えないよりは良い、とも思う。


とにかく考え続けよう・・・
とにかく出来ることを続けよう・・・
お世話になった人々のために・・・
触れ合った人々のために・・・

とにかく考え続けよう・・・


★気持ちを知っていただいた方、スキやコメントいただけると嬉しいです。


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