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短編小説

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2000字から3000字程度の短編小説です。日常の出来事を題材に自由に書いています。
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記事一覧

<短編小説>スマイルコンダクター 後編

前編のお話はこちらからご覧いただけます。 「何を言っているんですか、フライトの到着時刻は…

もわりー
2年前
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<短編小説>スマイルコンダクター 前編

 初対面の持田さんは、私を一目見て顔を歪めた。それでも私はいつものようにスマイルを作って…

もわりー
2年前
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<短編小説>コーヒーの味を知った日

 飛行機がローマの空港に到着した時、すでに23時を回っていた。こんなはずではなかった。3…

もわりー
2年前
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<短編小説>メリークリスマスからはじまった

 教室に入ると、やっぱりちょっと緊張してきた。ウィーンで語学学校に通うのは12年ぶりだも…

もわりー
2年前
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<短編小説>思い出のマスコット

 幻想的なオレンジの淡い光が海に近づいてくる。異世界への入り口のように神々しいサンセット…

もわりー
2年前
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<短編小説>さとこの魔法の問いかけ

 ホワイトパンツにウエストインした麻のオレンジシャツをブラウジングし、颯爽と講堂の壇上に…

もわりー
2年前
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<短編小説>夏のワインにたすけられて

 やってしまった。2回目のメールを完全に見落としていた。さすがに今からはもう逃れられない。 「しおりさん、行きましょう」  かなこちゃんに言われて、渋々とオフィスからレストランへと向かった。  イベント会社に派遣社員として勤めて4ヶ月。ようやく先週大きなイベントが終了した。それは、毎年夏に開催される野外オペラのイベントだった。公園に3000人を収容できる舞台が設営され、1週間オペラが上演される。今年の演目はモーツァルトの『魔笛』だった。夏休みのイベントとあって、子供も楽し

<短編小説>七夕には願いが叶う

 水曜日の午後、列車の車両には数えるほどしか人が乗っていない。向かいの席に座っている女の…

もわりー
2年前
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〈短編小説〉 早朝のルリビタキ

 今抱えているプロジェクトは、やり甲斐があり毎日が充実している。でも、その分やっぱり忙し…

もわりー
3年前
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【短編小説】黄色い迷子を救えるか

 私はなぜか電話を受けていた。 「ここに黄色い頭が3つあって、いなくなっちゃったって言っ…

もわりー
3年前
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<短編小説>あたたかい風に運ばれて

 天国にいる愛猫、白ネコのスイと黒ネコのルツにはコーギー犬の友達がいる。        …

もわりー
3年前
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<短編小説> 桜だより

 丸いドームの屋根の上から、まっすぐ空に向かって立つ十字架。青空の下で堂々と座しているセ…

もわりー
3年前
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<短編小説>りんごの香り

 キャンドルに火をつける瞬間、いつも少しドキドキする。だってやっぱり火は怖い。熱くならな…

もわりー
3年前
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