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野鳥撮影はさながら「狩り」

2022年大みそかの朝、
一人の高齢女性を自宅で看取った。
彼女は100歳をゆうに超えまだまだ長生きが望めたが、
新型コロナウイルスに感染し、体力が戻ることなく旅立った。
医者は日々人の死に立ち会い、死に慣れていると思われがち。
でも医者だって喪失感を感じたり落ち込んだりする。

看取りからの帰り道、喪失感を埋めるようにふと新年に何か新しいことを始めようと考えた。
小鳥をずっと双眼鏡で追っかけていた私。バードウォッチング歴3年を超え最近は目の悪さを自覚していた。
そうだ、もう一度野鳥を撮ってみよう。

パンくずでおびき寄せたヨーロッパコマドリ@英国

実は10年以上前に英国に住んでいた際、カラスやスズメの代わりに日本では見たことのないblackbird(クロウタツグミ)やrobin(コマドリ)が当たり前に飛んでいるのが気になり、野鳥撮影にチャレンジした。しかしすばしっこい彼らの姿をファインダーに捉えるのがやっと。当時のカメラではブレた写真しか撮れずに挫折した。

これも何かの縁、とその足で開店直後の家電量販店に向かい、たまたま目のあった店員さんから勧められたOM SYSTEMのカメラと望遠レンズを迷わず購入した。(後でカード明細をみて少し後悔した)

その後はというと、晴れた休日はカメラを持ってあちこち走り回っている。
最近のカメラは恐ろしく性能が上がった。
彼らの姿を比較的簡単にとらえることができる。
彼らの愛らしい表情や美しい姿が写真に収まっていると、「よし、お姿いただきました」と心が躍る。
さながら狩りで獲物を捕らえる躍動感・達成感に似ている。

2023年3月 秋ヶ瀬公園 ジョウビタキ♂

一方で、人慣れした大き目の野鳥はスマホでも写真に収めることができる。
これはこれで個性があり面白い。私は勝手にセリフをつけて楽しんでいる。

アオサギ先輩@水元公園 「ここは俺の橋だ。どかなくて何が悪い。」


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