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✓豆の上で眠る

▽あらすじ
小学校一年生の時、
結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。
スーパーに残された帽子、
不審な白い車の目撃証言、
そして変質者の噂。
必死に探す結衣子たちの前に、
二年後、姉を名乗る
見知らぬ少女が帰ってきた。
喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが
大学生になった今も微かな
違和感を抱き続けている。
お姉ちゃん、あなたは本物なの?

▽印象に残ったフレーズ

大切な人を失うドラマを楽しめるのは、
大切な人を失ったことのない人たちだけだ。

▽感想
ずっと姉だと思ってた人が
実は血の繋がってない人だったら
どう受け止めるだろう…
ずっとおかしいとおもっていた違和感が
先入観によって狂っているという印象。

でも、これは先入観というより
過ごした時間だと思うんだよなあ。
相手の親のエゴで今まですっと
姉だと思ていた人離れることになってしまった。
それはどうなんだろう。
難しい話だよなあ。

我が子を失って、何としてでも探したい、
見つけたいと思うお母さんの気持ちも
分かるけど、探し方がもう狂ってたな。
もう一人の娘を“使う“ってことを
考えつくのは、探し出したいが故に
だと思うけど、少しぞっとした。

そして、ここまで自分の娘だと思い
育ててきた自分以外の家族の気持ちは
どんなに複雑だったかと思う。
誘拐された姉の妹目線で物語が
語られているけど、その周りの家族や
当人の気持ちも考えると
この先の家族は本当の家族として
元に戻れるのかなあと思った。

豆の上で眠る/湊かなえ/新潮文庫

↳文庫本

↳単行本

試し読みもありますので、ぜひ

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