翻訳会社に気づいてほしいこと(3)

読んだ人を動かす文を想像する

B2Cで翻訳する英語の文章には、それぞれに書かれた目的があります。いわゆる、ビジネス側の都合です。ビジネスなので、単なる「読み物」として楽しんでもらうための文章は皆無だと思います。たとえば、新規登録してもらう、新しい機能を知ってもらう、とにかく使ってもらう、シェアしてもらう、動画を見てもらう、広告を見てもらう、購入してもらう、などなど。

これを知ることで、翻訳するときに迷わなくなります。いま翻訳しているメッセージやページを読んだエンドユーザーにどんなアクションを期待しているのかがわかると、英文の理解度もアップするはずです。最低でも、的外れの、何を言ってるかわからない日本語に仕上がることがなくなります。それぞれのメッセージやページで何を伝えたら合格なのか、セルフチェックができるようになるはず。

書かれた目的やビジネス側の都合がどうしてもわからなかったら、とりあえず想像して、仮定します。提供される参考資料に答えがあったり、企業の翻訳担当者に聞いたりできるかもしれません。ただ、多くの場合はそんなお役立ち資料もなく、納期的に質問をして回答をもらう時間は無いでしょう。だから、想像力が役に立ちます。

仮に、いま翻訳しているメッセージが「新規登録画面」のものだとします。アプリやWebサービスの利用者に新規登録してもらいたかったら、どんな日本語になるべきか想像!登録するメリットがわかるといいし、登録する手順が簡単そうにみえると次に進みますよね。もちろん、原文の英語で書かれている内容の質や分量、または言葉以外の画面表示や手順に左右されることでもあります。スッカスカの説明不足の英語や、ワケのわからない登録手順だったとしても、翻訳でなんとかできることは最大限やりましょう。登録のメリットや手順は丁寧に書く(もちろん、本当のことだけ)、それ以外のことはサラッと書くか、場合によってはバッサリ削除するかを判断します。自分がユーザーだったら、こういうことが書いてあったら[次へ]を押して登録に進むな、と想像しながら。

あら、ビジネス側の期待を想像するのと、ユーザー視点を想像するのと、いろいろ想像することになりますね。ぼんやりと(もしくはただ愚直に)英語を日本語に変換するだけなら機械でもできます。いろいろな視点から考え、想像して翻訳をすれば、翻訳担当者から「いいね」をもらえるはずです!

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Naoki Maniwa

Localization Enthusiast | Twitter @mrkyten

Japanese Localization|ローカライズ

日本語ローカライズについて考えたことをまとめています。
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