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さらば!自分探し!




自己啓発の旅の途上では、多くの場合、「本当の自分」という概念を探求することから始まります。私たちはしばしば、自分自身を他人の価値観や期待に縛りつけずに生きることの重要性について耳にします。この考え方は、自己実現と自由への道を示す光となることがあります。

しかし、この旅を通じて私が学んだことは、自分自身に対して厳格な「価値の序列」を設けることの不可能性です。

私たちの人生には、様々な瞬間や段階があります。時には他人の期待に沿って行動することもありますし、時には独自の道を切り開くこともあります。

しかし、これらの場面が私たちの価値を決定するわけではありません。なぜなら、私たち一人一人が、それぞれの瞬間で最善を尽くして生きていると実感できるからです。どの体験もユニークであり、そもそも価値の序列などないのです。

そう、私は「自分探し」の旅から卒業しました。

この過程で理解したことは、真の自由とは、自己を一つの定義や価値の序列に縛りつけることではなく、自分自身の多面性を受け入れ、それぞれの瞬間において最善を尽くしている自己を発見することにあるということです。自分自身の多様な側面を受け入れることで、私たちは本当の意味での自己実現に近づくことができます。

この旅は、可能な限り自分を知り、他者を知り、そして自分の可能性を最大限に観察することを楽しむ旅です。そこには、自分自身で選択したり決断できたりする自由意志の側面と、自分ではコントロールも予測もできない次元とがコラボするワクワクがあります。

それは世界でたった1つのユニークなコラボであり、他の人には体験することが不可能で、独特で予測のつかない体験なのです。だから、自分の体験を序列の中に位置づける事は不可能なのです。

そもそも、価値を序列化するという発想自体が、人間は全ての思考や行動を意識化でき、全てをコントロールできると言う1つの恣意的な考え方に基づいているから、出てくるのではないでしょうか。しかし、実際の世界は目に見えて取り出して序列化できるほど単純ではないのです。

最終的には、私たちはすべての瞬間において、出会う人によって、無意識に自分の分人と出会い、自分自身の最善のバージョンを楽しんでいると考えると人生はもっと楽しくなるのではないでしょうか。

意志を超えて登場する分人を楽しむことに比べたら、自分探しはいかに虚しいことか。

本当の自分、偽の自分の序列化をそろそろやめませんか? どれも紛れもない自分なのですから。

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