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【#N1】このお店が好きなわけ

こんにちは。
大家好!我係PineTree!!  (ダアイガーホウ、ンゴハイPine tree!!)

広東語で名前を言ってみましたが、いきなり限界を迎えました。
バタン…

今日は「このお店が好きなわけ」というテーマで書きたいと思います。とはいうものの、書ききる自信はありません。はい。ごめん。

僕は、普通の居酒屋に行くことはありません。
基本、クセのあるお店にいき、外国に行った風を装うのです。それが、外国に行かないときの「海外旅行ごっこ」の技のひとつ。

先日は、ベトナム料理屋さんに潜入したんですが、まさかの日本人客は僕と連れのみ。あと全員ベトナム人。店員さんも途中から夕食を取り出して、注文しようとしたら「チョットマッテー」と言われる。

よく行ってた韓国料理屋やタイ料理屋さんでは、日本人が注文しないフードを頼みまくるので、2回目からは覚えられまくり、メニューにないアイテムやサービスをバンバンしてもらえるようになった。

さて、今回紹介したいのは香港料理屋さんだ。

1.心斎橋に現れた香港系のレストラン。

大阪には飲茶とか広東料理を提供する店はそれなりにあるが、僕が知る限り【大衆料理】を出すお店はここしかない。

その名も、香港華記茶餐廳

facebookより

茶餐廳とは、北京語では、チャーツァンティンと発音するが、北京語が話されるエリアには無いものじゃないかなぁ。あるのかもしれないけど。

かわって、広東語では、チャーチャーンテーンと発音し、香港では、【喫茶店】と【大衆食堂】が合体したような店で、そこら中に存在する。

かつて香港にプチ留学した時も、上環の奥の茶餐廳に何度も通った。

わりと英語が通じず、広東語でオーダーするしかなく、かつ、メニューも読めないのでカンで注文するしかなく、

お粥っぽいものを指して、【ンゴーイ、イウニーゴーア!】
餃子っぽいものを指して、【ンゴーイ、イウニーゴーア!】
飲み物っぽいのを指して、【ンゴーイ、イウニーゴーア!】

と、自動的に反復練習をすることになった為、【ンゴーイ、イウニーゴーア!(これください。)】は忘れもしない定着したフレーズとなった。

あと、【ンゴーイ、ムーシックゴーン ガンドンワー ガァ!】も。意味は、【すみません、私は広東語を話せません】だ。何度言ったことか。

2.入店からの衝撃

その日はIELTSという試験を受けた帰りだった。
初めて受けた試験で、【なんとなく手ごたえがなかった】印象があった。とりあえず、気晴らしに、イギリスの試験を受けた帰りに、香港料理屋に行ったのだ。

宗主国であるイギリスの試験でのダメージを、植民地だった香港の料理店で癒すという構図に、並々ならぬアカデミックさを感じずにはいられない。

ガラっと扉をあけて入店した。

店員「・・・・。」

衝撃です。
若い店員はまさかのフル無視。

なんか教室に転校生が入ってきて、クラスみんなが一瞬こっちを見るけど、またすぐ自分たちの会話に戻る・・・みたいな。

え、Mushi?  Really?

そっち系?
ここ、そっち系?

ちょっと怖いんですが・・・

とりあえず、適当に席に着いたのだが、店員さんが寄ってきて、水を置き、メニューを渡し、口火を切った。

店員「★○§▲★∴〒✆◎¶◆☆◎」

!!!!!!!!
どうやら香港人と思われたらしい。
そして、まさかのこっちはこっちで

僕「ンゴーイ、ムーシックゴーン ガンドンワー ガァ!

得意の「すみません、広東語は話せません」を発動することになった。しかし、まぁ、こんなタイミングで発動するとは思わなんだぜ。なんせ、イギリスの試験の帰りだぜ?

店員もちょっとテンパった様子で

店員「ア、ニホンジン…?」

完全に香港人だと思われていたらしい。

僕、そんなに日本人に見えませんかね?

たしかに、シンガポールやマレーシアや台湾などでは、現地人から道を尋ねられることが多い。さらに、トルコでは、「あなた、トルクメニスタン人よね?そうよね?」と食い気味に言われたこともあった。

ノーノー! アイアムジャパニーズ。

3.発注。

さて、飲み物を何にするか・・・・だ。

しかし、ココは茶餐廳だ。
ビールなんか飲んでる暇はないんだい!
それより、香港っぽい飲み物を飲むんだい!

と迷いつつ、結局店員さんにオーダーしたのはビールだった。
しかも、普通話という中国の標準語でオーダーしたんだぜ。

僕「チンタオピージウ!(青島ビール)」

店員「ハァ?」

!!!!!
ひいいいいいいいいいーーーーーーっっっ
このニイチャンこわいヨォォォォ

しかし、チャイニーズ系の「ハァ?」というのは、決して挑発しているのではなく、日本語で言うところの「えっ?」ぐらいの感じだ。気をとりなおして・・・

僕「チンダオピージウ!!」

店員「ハァ?」

。。。。撃沈じゃないか。

後日談だが、
僕の発音が悪すぎて「皮をすぐに到着してください」と言ってると思われたそうです。そりゃあ完全に「ハァ?」である。ごめん。

僕の普通話(北京語)の発音が悪すぎて、ひるんだが、ひらめいた僕は、あるものを発動させた。

メニューを指さし、
【ンゴーイ、イウニーゴーア!】

出たよ、2017年のプチ留学で覚えた必殺技。
「これください」である。

もうドラクエかな・・・と。
使ってなかった呪文が意外なところで役立つ!みたいな。

店員さんも安心したように、伝票に書き記していく。

発注のステージをどんどんクリアしていく。

あと頼んだのは、

○腸粉

食べログより拝借♪

○煲仔飯(ボーチャイファン)

食べログより拝借しちゃってるぜ♪

〇大根餅

こちらも食べログより。

うんめぇー。

腸粉とか超うんめぇー。

香港飯にハズレは無い。
香港滞在総日数は1か月を超えるが、ハズレにあったことが一度もないのだ。

なんだか香港での想い出に浸っていたら、中からシェフが出てきた。

なにやら怪しい言語をしゃべる日本人もどきがおるぞ!と思われたか・・・・。

おじいさんシェフは広東省出身。いや、本土やん。
ボーチャイファンが出来上がるまでの間、いろいろお話してくれたけど、半分以上わかりませんでした。

ごめん。

でも、残りの半分は雰囲気でわかるっていう、外国語にさらされた時にのみ沸き起こる僕のすさまじいコミュ力よ。

さっきの店員さんも留学生らしくて、日本に来てまだ日が浅く日本語もまだまだ初心者だそうだ・・・

すごいぜ、僕、広東語マジでできないんだぜ。
信じられない。はたから見たら完全にトニーレオンとかチョーユンファみたいになってない?みたいな。

そして、いつの間にか店内は満席に・・・・。
さらに、民泊の場所がわからなくて聞きに来たチャイニーズ系旅行者に僕が案内するとかいう展開にもなった。すぐ近くだったし、まぁいいか・・・みたいな。

この時点でわりとカオスな感じになりつつあった。


戻ってきて飲み物を発注した。

○インヨン
これは「おしどり夫婦」とかの「おしどり」を指す言葉であり、茶餐廳の定番メニューともいえる飲み物である。

いわゆる、紅茶コーヒー。
紅茶とコーヒーを混ぜたミステリアスな飲み物だ。

あまりに初めての味に

僕「え、不思議な味がする!!」

と声が漏れてしまった。

ワハハハハハ。
隣の席から笑い声が聞こえてきたのだった。

4.人類皆兄弟

笑い声の主は隣の席の4人組だった。
4人とも香港人だった。

さらに、4人ともさっき店の前で会ったばかりという。

いや、怪しいやないかい!!

すごく怪しんだ。
何ならそのうちの一人の友達があと2人来るという。そして、一緒に食べましょう!と。

え、展開がすごく、急!

あ、アレじゃない?
「幸せになりたくない?」とか「経済的自由は自分で獲得するんだ!」とか言って、なんらかの物品を買わされたり、謎の会に入らされたりするやつじゃない?

もしここが外国だったら僕の中の警戒アラートがマックスに鳴り響くはずだが、ここは日本。なぜかアラートはスイッチオフになっていた。

4人とも日本語が堪能で、日本で仕事をしている。
むしろ、そのうちの1人は、この店のオーナーだった。

東京の支店出店には、酒井法子が来ていたらしく、わりと大物のようだ。

さらに遅れてきた2人はイギリスに留学経験のあるマカオ人で、日本語学校に通っているという。

ただ、チャイニーズ系は、知らない人同士がいきなり仲良くなるってのはよくあることのようだ。

僕も、梅田で目に入る看板の漢字を中国語読みしながら歩いていたら、いきなり中国人に【わたしの携帯壊れたから貸して~】って言われたことがある。気軽だなぁ。

彼らには、僕がインヨンが不思議な味だ!と言ったのがとてもおもしろかったらしく、なかなか日本人が頼まなさそうなものを頼んでいるのをみて興味をもったらしい。

僕の心配は杞憂に終わった。

あれ、意外や意外、来店してから3時間も経っている。
話も盛り上がってしまったではないか・・・。

ビクトリアピークからの見た香港の中心部

最も興味深かったのは香港の将来についての話題だ。
なにげなく立ち寄った料理屋で知らない香港人と香港の未来を語ることになるとは思ってもみなかった。

本土の関係、法律、治安・・・
中国化を恐れてイギリスに移住する人が後をたたないとか。
彼らの故郷はたくさん問題を抱えている。

現にこの会食の数日後には、香港民主化デモが勃発した
逃亡犯条例撤回を求めて市民が決起したものだ。
僕が2017年にアイスクリームを食べながら歩いたヘネシーストリートがデモ集団で埋め尽くされていたし、見慣れた景色で警察が人々に催涙弾みたいなのを投げつけているのを見たときは衝撃を隠せなかった。

香港人の1人が言った

四海之内皆兄弟

四海之內皆兄弟
世界中の人々はみな兄弟のように仲良くできる。
ジブンはこの文言を信じている。今日、ミスターパインツリーに会ったのも本当にうれしい。この出会いに感謝!!

香港人たちは香港にいても他国にいても自分のテリトリーを守るために必死にいろいろ考えている。自分たちの故郷に誇りを持っている。

でも決して悲観的ではないように感じた。
彼らの国の未来は明るい。

そう信じている。
むしろそうする為に自分たちはできることをする。

その決意に満ち満ちた表情に思えた。

5.だからやめらんない。


こういった出会いがあるのも日本人が少ないレストランの特徴のように感じられる。

そして異文化に浸り、海外旅行気分を飛び越えた学びがそこにある。

この日は、イギリス系から始まり、香港ナイトで終わった。

その後、3回ぐらいそのレストランを訪れたが、3回ともまさかの定休日。

それでも行くことをあきらめない。

それぐらいクセになっているのだ。

来週行こーっと。Anyone??


Thank you so much for your reading my article.  I hope you have enjoyed it and have another wonderful day ahead.


#このお店が好きなわけ

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