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連作短歌「患えば夜」

好きな人ずっとずっと好きでいていいよがわかる免罪符ください

恋人の好きなところは電車の席端っこのこと「チョコ」という点 

炊飯器買うよりレンチン米の方がコスパいいって人生損だよ 

たい焼きは腹から食べる主義だって初めて知った、実は私も 

空前のやきとんブームの向こうでは白ホッピーと餃子が微笑む 

中ジョッキ八割埋まる焼酎とホッピー黒だけ正義でいてね

エモいってばっか言うなよエモいって「えも云えぬ」だぞ平安かお前 

「好きだなあ」「どっちの話?」と聞けなくてチェルシー差し出し爆笑しちゃった

せわしなく、かつ細やかにくっついて離れたくちびるだけを食べたい 

私たちコンビニエンスな関係じゃん?年中無休の愛とか呼んじゃう?

真剣に協議を重ねた結果だが、深夜の唐揚げ重罪(買いたい) 

一人でも食べていいとは知っている なのに買えないコーヒーパピコ 

スーパーの袋を二人で分け合うの意味がないと言ってはデリート 

六畳の部屋がこんなに広いって言っちゃうくらいにきみがすきだよ 

来世では遮光カーテンの隅でくるまりエッチなキスするJK 

目を閉じてインクに浸した愛欲の後出しジャンケン(バリアは禁止)

「黒目とか髪の色素が薄くって柔らかいよね猫みたいだな」 

願わくばこのまま二度と冷め切らない熱湯風呂に突き落とされたい

孤独とは新品水玉スカートとストッキングを両手で割くこと 

かさついたピースに灯し煙る先まだ見ぬ未来の亡霊を描く

群青の“別れのワルツ“流れては猫を逃しておやすみダーリン

お揃いの枕を買おうお互いの脳の扉をテイクアウト

頼りなく空を探して左手は肋骨あたりに絡んで眠る

飲みかけのポカリスエットがよく似合うリゾートデートの夢は琥珀色

スヌーズがやけにうるさい木曜は二日酔いゼロ!ストロングパワー! 

半目だし両手は顔に敷いてるし涅槃像かよ私の恋人

不機嫌な発車ベルが通ります 白線外で正しくお待ちを

振り向けば満員電車の奥側に同じ洗剤の匂い探してる

目標は周回遅れの外回り山手線イヤフォン引っ掛け”運命”と呼ぶ 

飽和され環状線の行く先で愛を待ってる愛を待ってる

運命は自分で選ぶポリシーです。だからいつでも7センチヒール

夕焼けが綺麗でみんなが笑い合うだけのアトラクションが欲しいな 

夕飯を鍋にしようかヨーグルトにしようか悩む乙女心

サク呑みのサクはサクッと油もの、桜がきれいだ、策に溺れろ 

大体はゆるせちゃうけど食事中、左手お留守は恋も冷めちゃう

えっ今日はホッピー四杯取れちゃっていいんですかね、隕石落ちない? 

安いし早いし美味しい、とマイナー調が流れるトイレ

レタスとかきゅうりは意外と特定のレシピしかない 恋もそうだね 

見上げればスイカみたいな月でした 揺らがぬ黄色が眩しい月です 

街並みの流星群が濃厚で胃もたれしちゃう深夜タクシー

ブルガリのボンボンショコラは年一でいいから今夜もおやすみ言ってね 

菜の花が沈む夜空で影踏みをせーの、で刻む日曜の夜

世界一やさしい行為は目をつぶり両手を合わせて毛布でラップ 

貸してって言われた時だけ活躍す 部屋に落ちてるラブホライター

ショボーン( ´・ω・`)って口癖みたいに使うけど二股知った私の気持ちは( ´・ω・`)( ´・ω・`)( ´・ω・`)?

生命線短めなんだね、赤ペンでもっと短く書いてもいいよね?

会いたいが飽和していく夜更けでは毎回小指の爪ささくれる

こぼれ散る真っ赤なかなしみ並行に捺印続けよ明日は来るから 

口にするたび飽和する愛愛愛愛愛藍哀会い

欲しいもの全部両手に抱えたら泥棒猫はワタシでした

さみしいが手を挙げ乗り込むタクシーでメーターだけがずっと微笑む

新橋のレンタルルームに置いてきたピンクのゴムでポニーに結んで? 

君だけだ、は最小公約数じゃなくそもそも割る数私じゃないよね 

キライって言ってたじゃないアルコール、キラキラ系女子、タバコ、ルーミート

陶磁器の眼球走る血管で桜前線予測している 

輪郭が歪んだ横顔が運ぶアイコス逆さま挿して吸いたい

人は皆、等しくリストアップされ狂い咲くのだ27クラブ

ジョッキ分 決意を固めた誕生の夜は更けてく 桜がやけに冷たい

もういいよ、まだだよ、もういい?いい加減スカイツリーも空いている春 

永訣の朝がくるから毛布奥も少し奥までしっかり詰めて

語呂合わせしちゃうと死闘な日生まれで、恋と革命は言葉でお願い 

正論で殺した数だけ真実の真っ赤なリンゴを貪りつくせよ

空さえも跳べるさ 東京タワーでは覚悟さえも透明になる

大勢のエキストラならセリフ付き役どころがいい「死ぬまで愛して」 

振り向けば真っ赤なヒールを履いたまま永訣を待つ巻雲の群れ 

キンミヤを一合ごとに小分けしてジップロックに春と詰めたい 

サクサクととんかつ噛み切るときみたいな顔で別れのワルツを踊ろう 

いつだってサ行が上手に言えなくて転んじゃうよね(さよならもほら) 

わかりやすい罠だと知ってて手を伸ばす、夕闇反射す左薬指

改札前二本手前の柱影恋人なのか教えてカナリア
 
真緑の背中が振り向き両足を揃えて踵鳴らせば最寄りへ

丁寧にハイタッチした手を引いてただ抱き寄せるそれが別れだ 

もう二度と会いもしないし忘れるし傷つかないから今夜は日高屋 

全部酔いのせいですから許してよ、言い訳じゃないよだって好きだし 

東京のかなしみ煮詰めたイチゴジャム一緒に食べようお家へ帰ろう 

ほろ酔いは世界の彩度が高くなり、自転を感じてかみさまになる 

何にでも代用される僕たちはぐるぐる描く秘密の暗号

絶対にゆるさないから絶対にわすれないでよ結婚してよね

頑張るとご褒美もらえるナビスコのバターの分だけ透明な夜 

海外じゃ絶頂するとき叫ぶんだ「世界の果てまで連れて行ってよ!」 

スズノキのスのアクセントが強すぎる呼び声フリーズドライで保存 

切り裂けば赤丸ポートワインだけ滴り落ちる昨夜の孤独

正しくはシャボンの香水移ったから洗えませんが適切でしたね

罪悪感の重さを正しく測りなさい。表記は豚ハツ串で答えよ。 

きっかけはあなたが嫌いと言ったから 別れの留めに咽せるシエンです 

誕プレはいつもお古の本でした、隙間に「ラブ」とか書いてないかな 

殺された恋の病を映像にしたら五分も満たないCM

飯田橋東口の階段ですれ違うなよゆるふわテディ

定例の月曜八時スタートの擬似家族会議はいつもの日高屋

味玉の染み具合って全力でフラれたときの悔しさに似てる

錆びついたフェンスを揺らす錠を捨て鍵穴埋める金マルロング 

いい加減六年前のラブメールトイレに入って念仏唱えろ

赤iPhone、黒縁メガネ、オムライス、無印良品、寺山修司 

永遠に他人の部屋で増築す元彼の部屋おいしい生活

もう二度とネトストしないし泣きません だからお願い二日酔い治して

手のひらに広がる森をちぎったら仕上げにカレーのPM2.5を 

ぬれたまま無理やりカバンに詰め込んだ折り畳み傘、初恋みたい

髪先で絡まりあった赤い糸現象記す 白Wikipedia

あの頃は一泊¥40,000の懐石よりもマックのポテトが好きで 

ケチャップでゆっくり未来を描いたら漸近線のふたりでした 

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先月Twitterで参加した #7days100tanka を連作としてまとめ直したものです。
数のカウントを間違えていたため、101首を一週間で詠んでいたようでした。
恋の歌と酒の歌、そして食べ物の歌ばっかりだったので、今度はそういうものじゃないのも詠みたいところです…


#短歌 #tanka #jtanka #7days100tanka #連作短歌 #創作 #コンテンツ会議

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