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山便り (32)

季節はずれの真夏日で蛇の交通事故多発

2018/03/29

 まだ、3月だというのに最高気温25度を上回り六月下旬並みの夏日になった。掃除程度の軽作業でも汗が滲んでくる。林道の掃除に区切りをつけ、昼食をとるため、山小屋まで向かう途中、軽トラで棒切れを撥ねたと思ったがカタンとせず、ちょっと違和感があったので車を止め、振り返ると棒だと思ったものが丸くなっている。蛇かな?と思い車から降りて確認すると、やはり蛇だ。赤のまだらがあるのでヤマカガシだ。それにしても、まだ3月だ。冬眠から目覚めるには、いくらなんでも早すぎる。よほど慌て者か、空腹に耐えられずに出てきた食いしん坊だ。蛇はしばらく動いていたがそのうち動かなくなったので、埋葬した。変温動物であることを自覚すれば、この時期に地上に出ても思うように動けず、車をよけることができないぐらい解りそうなものだと、季節はずれの蛇を責めた。

 今日の山仕事も終わり、家路に着いた。両脇が杉木立の県道295号線を走っていると、車にひかれた蛇を見てしまった。車を降りて見てみると、この蛇はシマヘビだった。季節はずれの蛇を責めたが、責められるべきは人間のようだ。異常気象の元凶はやはり人間の飽くなき欲望と傲慢さにある。生きるための最低限の消費生活基準をある程度決めないと、ますますエスカレートしかねない。蛇以外にも犠牲になっているものは多いはずだ。

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