こんにちは、DJムッチーです。
春本番で、ぽかぽか陽気が心地よいですね。この季節に美味しい物と言えば山菜です。ほんのり苦味を感じる山菜は、疲れた胃腸を整えてくれるような気がしますよね。
冬眠から覚めた熊は、まずフキノトウを食べて胃腸を覚醒させるという話を聞いたことがあります。
季節ごとに旬をいただくことは、何物にも代えがたい贅沢ですね。
山菜と言えば、タラの芽、フキノトウ、こごみ、うど、わらび、ゼンマイ、葉ワサビなんかが有名で、料理屋さんでもご家庭でも天ぷらや味噌和えなんかで召し上がることが多いのではないでしょうか？
山菜は、どれも油と味噌に合うのが不思議な気がします。
今日は、僕の一番好きな、あまり聞きなれない山菜をご紹介します。

山菜の女王「こしあぶら」

以前結婚をしてた頃、当時の妻の実家が岡山の山間で、週末に帰省すると岳父がタラの芽をたくさん摘んできてくれて、天ぷらにしてくれていました。
タラの芽のほろ苦さが、ころもに染みた油の甘味と調和してすごく美味しかったのを覚えています。妻がいなくなってスーパーで買い求めたタラの芽で天ぷらを作ってみたのですが、味の再現が出来なかったのでそれ以来タラの芽の天ぷらを家で食べることはなくなりました。

そんな話を、僕の番組のゲストに来られた谷村新司さんに話したところ、「ムッチー　『こしあぶら』って言う山菜を知ってるか？タラの芽も美味しいけど、その100倍美味しいよ」と教えて貰いました。
神戸で小料理屋をしている友人の店に番組終わりに寄ってその話をすると、彼も「こしあぶら」を知らず、翌日二人で中央市場の八百屋さんに行くことになりました。
運よくその八百屋さんは「こしあぶら」を扱っていて、筆と呼ばれる部分を早速1キロ購入しました（中央市場なので小分けで買えないのです）。
彼の店にもどって、早速天ぷらにして食べてみました。
揚げたてのホクホクを口に入れてひと噛みした瞬間、上品な香りが口いっぱいに広がり、淡い苦味が油の甘味と相まって舌全体を優しく包みます。
「こんな山菜食べたことないなぁ！」「俺もないわ」と二人して頷きあって、買ってきた「こしあぶら」を半分ほど食べてしまいました。

「こしあぶら」の美味しい食べ方

「こしあぶら」には、筆と呼ばれる新芽（上の写真）と少し成長して葉がひらいた物の2種類が食べるのに適していると八百屋さんに教わりました。
少し成長したものは、柄が広がってしまうとえぐみが出てきてしまうので、柄が広がる手前のものを選ぶのがこつだそうです。

下ごしらえ

「こしあぶら」を食べるためには下ごしらえが必要です。根元の固い部分を切り落とし、根元にある葉の部分(はかま)を取り除いて洗います。
「こしあぶら」の下ごしらえは、あく抜きに手間がかからないのでワラビやフキに比べるととても簡単です。

天ぷらが一番

下ごしらえしたものに、ころもをつけて揚げるだけ。薄いころも方がこしあぶらの香と歯触りも感じられて美味しいですよ！

こしあぶらのアヒージョ
そんなに油に合うのならと、前出の小料理屋の友人が考えた料理です。
いわゆるアヒージョなので、ニンニクをスライスして、オーリーブオイルで炒め、そこへ「こしあぶら」と赤とうがらしを投入してさらにオリーブオイルと岩塩を加えるだけ。好みで小エビなんかをいれても美味しかったです。
オリーブオイルは、エクストラバージンよりピュアオイルの方が香りを殺さないのでお勧めです。

茹でると応用が利きます

少し成長した「こしあぶら」を茹でて食べる場合は、アク抜きが必要です。鍋にたっぷりの水を沸騰させて塩を入れ、「こしあぶら」を入れて中火で2分ほど茹でます。そのあとすぐに水に10分ほどさらして、アクを抜きます。キッチンペーパーで水気をとって出来上がりです。

特に「こしあぶら」の筆は柔らかくアクも少ないので、熱湯にさっとくぐらせる程度で大丈夫です。

こしあぶらのまぜご飯

茹でて冷ました「こしあぶら」を刻んで、ほんの少しだけごま油とお醤油を加えます。炊き上がった暑いご飯に混ぜて食べると美味しことこの上ありません。味はお好みで調節してください。ちりめんじゃこを一緒に入れてもおいしいですよ。

茹でた「こしあぶら」があれば、胡麻和えにしても、白和えにしても美味しく頂けます。

春に山菜を頂ける幸せをかみしめて、短い春を過ごしましょう。
それでは今日はこの辺で失礼します。
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じゃあまたこの次
今日が誕生日の
DJムッチーでした。