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在田の話

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頭に浮かんだ物語 在田さんは架空の人物
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意味

意味

細波が波打つ音
広がる海を目の前にして足下から崩れかける自身

これほどの悲しみは
これほどの哀れなのは
これほどまで心に住みつく感覚は

脳と体が胸の奥に残るもう一つの重さ感じる感覚は確かなのに なぜ掴めずいるのだろうか

カタチにした瞬間不確かで
抱えているときは色が分かるほど確かで

終わりがないのか
終わっている続きをいま歩いているのか

自身の意味を問うている

無知

無知

在田希美(ありた のぞみ)は"この世"という場所に悩んでいた。

空があって、雲が流れ
田んぼから聞こえるひぐらしの声
太陽が紅みがかり、そろそろ夕暮れという静かな空

目に見える景色
いつもと同じようでそうでない

時間は絶えず進む
残酷な程にゆっくりと早く

在田は自分の手に目を落とす
この手は本当に私なのであろうか
この湾曲には何が入るのだろうか

これから先とはどれほど先なのだろうか
絶え

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