フィリピンのシニガン
新しく友達が出来るというのは楽しい。
この夏、新たな友達が出来た。フィリピン出身の女の人。
気安く“友達”と呼ぶのは、大人になればなるほどハードルが上がると思う。だけど、彼女のことは堂々と友達と呼びたくなるし、なんの引っかかりもなく、友達と呼べる。
ホスピタリティ旺盛で、明るくて快活。私はいっぺんで彼女が好きになった。
そして、ゆうべは彼女に本場のシニガンを作ってもらった。
シニガンの作り方
①スペアリブを柔らかくなるまでボイルする
※ゴミやアクは取る
②玉ねぎと大根を入れる
④ナンプラーを入れる
すごく美味しそうな匂いになる
⑤大根が煮えたら、青菜とオクラを入れる
(青菜は、小松菜とちんげん菜を入れていたけど、なんでも良いって言ってた)
※話してて知らん間にシシトウとかも入ってた
⑥なんか現地の調味料を入れる
※味の素でもいい!って言ってた
⑦シニガンパウダーを入れる
※レモンでもいい!って言ってた
実食
食べ方は自由!だそうだけれど、ご飯にかけながらいただく。
……美味しい。酸っぱくて食欲そそる!さすが暑い国の料理。沢山おかわりをした。
スペアリブを使用してるけど、お野菜たっぷりで味付けもサッパリしてて、すごくヘルシー。
同じくフィリピン料理のアプリターダも優しい味で美味しかった。
日本の料理にはない味だけれど、不思議と食べにくくない。
料理も彼女の人柄も本当に朗らかだと思った。
だけど、彼女もただ笑って過ごしていれば幸せになれるだけの人生を生きてきたわけじゃない。もしそうなら、こんなところにいない。
遠くから消防の広報車の音が聞こえる。
「あ、アイスクリン?」
フィリピンではカンカンと鳴らしながら走るのは、アイスクリームの販売だという。
「いや、ラーメンだな」
誰かが冗談を言う。
ドッと場が盛り上がる。
「ああ、良い夜だ。」
ポツリとまた、誰かが言った。
私が好きな坂之上洋子さんの著書に、
と説くページがある。
まさにその“習性”をくすぶられる空間だった。
いつのまにか人が集まって、軽くパーティのような騒ぎ。住まいが古民家だから、どっちかっていうと田舎の大宴会だけど。
ついつい皆して、夜中までお邪魔してしまった。
自分に嘘や無理をしてまで、明るくいる必要はない。立てないときはしゃがんでいるべきだ。私はそのことの大切さを知っている。
でも確かに明るい人のそばは、安心できる空間だった。これもまた、大切なことだと思う。
とくに次の約束などしていないが、恐らくまたふらりと、うちに来ないかと電話をくれる。
また、私も多分ふらりと電話をすると思う。
つぎは私も、なにか作って持って行こうかな。
日本の家庭料理。何がいいだろう。
彼女が現地の家族と、電話をした時
「渋谷!渋谷!」
というもんだから、
(あれ?時差1時間どこいった?)
と思ったら
SIBUYAS(シブヤス)=玉ねぎのことだった。
最後までご覧頂きありがとうございます。 あなたが、これを読んでちょっとだけ、懐かしい気持ちやあったかい気持ちになってくれたら嬉しいです。 精進致します。