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メディアスタートアップと労働組合

ここ数年、米HuffPostや米BuzzFeed、Mic、The Interceptなど、メディアスタートアップが労働組合を結成する動きが加速しています。Axiosによると、この2年間で労組を結成したメディア企業は30社に上るそう。今年に入ってからは、Gimlet Mediaがポッドキャストスタートアップとして初めて組合を設立し話題になってました。

Vox Mediaも、2017年に「 Vox Media staff union」を結成、2018年1月から、給与体系の改善、昇給の保証、退職金の増額、外注の制限を求める交渉を行ってきました。

しかし、1年以上経っても動意には至らず、先日、300人を超えるVox Mediaのスタッフがストライキに参加。29時間にわたる交渉の末、無事合意にいたりました。(詳細はまだ共有されてません)

同団体のメンバーによると、複数のメディアを買収してきたVox Mediaでは給与体系が統一されておらず、「時給15ドル(1,622)以下で働く人もいる」状態だそう。最低賃金は超えているものの、VOXの本社が位置するニューヨークで生活するとなると相当厳しいはず。

(CEO Jim Bankoffのメール)

今年に入り、米国のメディアスタートアップでは大規模な解雇が相次ぎました。米国ではBuzzFeedで約200人、HuffPostで約800人、VICEで約250人が職を失っています。他のメディアも合わせると、今年だけでおよそ2900人のジャーナリストが解雇されたというデータもあります。

メディアスタートアップである以上、レガシーメディア並みの労働条件を実現するのは難しいと思いつつ。優れたジャーナリストが持続的に活動できる環境が少しずつ整っていくと良いなと思います。

(2015年に「仕事のロールや職種がフレキシブルかつダイナミックな企業において、組合結成は望ましくない」と言っていたBuzzFeedのCEOも、今年の大幅な解雇の後、未消化の有給分を退職者に支払うことに同意しています。今は労働組合についてどう思ってるんだろう)


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