親孝行

年に一度の親孝行

昨日は親孝行の日だった。
学生時代世話になった、近所のお鮨屋さんのご夫婦。
そこの次男坊と同い年なので、
彼と一緒に4人で、新年会だったり暑気払いだったり。

鮨屋なのに天ぷらが好きで、
しかもお店は「つな八」に限ると決めているから、
毎回、新宿のつな八総本店で。

東中野の駅近くにある「朝日鮨」。
浪人生のときから食べに行くようになった。

浪人のとき、実父が珍しく一人で東京に出てきて、
せっかくだから、アパートの近くで鮨を食べよう、
ということになって、食べて飲んで、
それ以来、
「通っとけ」
と、仕送りがちょっとだけ増えた。
父なりに、わたしのことを心配してくれてたんだろう。
信用できる大人を、近くにつくっておくことが、
父にとってもわたしにとっても安心安全になる。

30年ぐらい前、
夜になってお酒を飲みたくなったら、
居酒屋とかお店にいくしかなかった。
コンビニにはお酒を置いてなかったし、
酒屋は閉まってたし、
自動販売機は、23時を過ぎると販売停止になった。

だから、イタメシ屋のアルバイトが終わって、
11時を過ぎて、
お金もなくって、
ってときに、
「ビールだけ飲ませて」
と、キリンラガーの大ビン500円、を注文。

あとで考えれば、それに突き出しもついてくるから、
ビールだけ500円、ってことにならなかったはずだけど、
500円で、飲み干したら、親父さんが自分でビールを開けて
それを飲ませてくれたり、
もうすぐ閉店だから、っていうので、
翌日には加工するネタを握って食べさせてくれたり。

鮨の食べ方だけじゃなく、
いろんなことを教わった。
人情の機微、気配り、目配り、思いやり。
朝日鮨で、人としての基礎をつくることができた、気がする。

親父さん84歳、おかみさん83歳。
引退して久しくなったけど、
今でも、一回会えば、
ひとつふたつは学ぶことがある。
ありがたいことだ。

父の「通っとけ」のおかげだ。

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mura

1966年長崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部、大学院公共経営研究科修了。田原総一朗スタッフを経て、早稲田大学客員准教授。大隈塾「たくましい知性を鍛える」を担当。
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