現状に「満足すること」と「甘んじること」

似たような一見相反するような教えって世の中たくさんありますよね。「現状に満足すること」「常に満たされている」「今に感謝しましょう」とかっていう教えを、スピリチュアル系ではよく耳にします。一方で、「現状に甘んじるな」とか「思考停止を改めましょう」みたいなことも聞きますよね。一見相反することを言っているようですが、本当に両方大事なことだなぁと実感します。

「現状に満足し、満たされること」は当然のごとく大事で、それが自己肯定感や、さらなる豊かさをもたらすのは言うまでもないことです。今の社会は常にやたらと「不足感」「無力感」「無能感」を感じさせ、それが過度なコンプレックスや競争社会を生んで人々の精神を蝕み、また余計なものまで欲しいと思わせて買わせるという仕組みで経済は成り立っています。ですから、自分の中の「不足感」の感情や思い込みに気づくことはとても大切で、その感覚に飲まれずに一歩引いてとらえてみると良いですよね。たとえば、心の満たされなさを埋めるためにたくさん食べてしまう(さらにおいうちをかけるようにやたらとTVでスイーツ特集)→太る→やせなければならないという過度な美醜意識→ダイエット市場が活性化、というのも良い例です。貯金しても貯金しても「足りない」「不安」という感覚に陥る→また貯めるために節約→お金使うことに罪悪感→心が満たされない日々を過ごす、とか。「自分はダメだ」「まだ足りない」という気持ちに常に襲われ、自己肯定感が下がり、強欲になってしまう。そんな思考パターンを解放するためのキーワードとして、「今私は十分に満たされています」というようなアファメーション(宣言文)であったり、「今当たり前にあることに感謝しましょう」「あるものを見ましょう」という教えだったり、そういうものがあるのだと思います。

私はそのことと、今の現状に甘んじることはまた別だと思っています。「そうだそうだ、今の時点でも十分あった、満たされていた。」と確認することはもちろん大事で、それは大前提。その上で、自分の人生やこの世の中、社会全体をどのようにしていったら良いだろうか、そのために自分はどんな行動をしていこうか、ということに思いを巡らせることも必要だと思うんですね。「本当はこんな仕事したくないし、おかしいと思っている。でも、何をする勇気もないし変化する覚悟もないから、そのことは考えないようにしてこのままでいよう。今も満足満足(と言い聞かせる)。」って思ってしまったとしたら、それは甘んじているということですよね。心の声や魂の声に気づいているのに見ないようにして、不満がありながらもそれを続けていこうとするのは思考停止だと思います。無理して続けていると、そのうち心身を壊すパターンです。そこで精神薬を飲んでしまうと、抜け出せなくなってしまうパターンにもなりえます。

自分自身の心の声、魂の声、本音と向き合うことは確かに怖いです。見なければ傷つかなくて済むこともあるだろうし、見ないようにしてだましだまし過ごしていく方が楽ですから。人は何よりも変化を恐れます。したことのないこと、やったことのないことをする恐れ。自分の人生を想像し創造するためには、まずその「変化への恐れ」を絶対に越えなければならないと思います。なぜその恐れが浮かぶかというと、「自信がない」。つまりは、「不足感」があるからです。私にはできない、私は無力、私は無能であると思わされているからです。

現状に「満足」している人は、「甘んじない」んです。「満たされている、私はできる」と思っていれば、その「変化への恐れ」を超えられます。自分の人生を切り拓いていくことができるんです。ですから、まず自己肯定感を上げること、今の自分でもいいんだ、と思えることは最重要なわけですね。そうなってくればだんだんと現状に甘んじなくなってきますから。「自信」は外からくるものではなく、100%内側から出てくるもの。私自身も「私はできる」「これでいい」と日々言い聞かせる毎日ですが、それによる意識と行動の変化に、また自信をつけることができるようになってきました。「現状に満足し、甘んじない」人が増えていくことで、世の中は少しずつ変わっていく。これからも、「不足感」植えつけのトリックを見破り「自己肯定感」「自信」を高める毎日を送っていこうと思います。

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