見出し画像

ミニマリストの本事情

読書が趣味だからこそ、この一年間で約300冊の本を手放した。

本を読むことが好きで、隙間時間があれば読む。
たった数百円から数千円で、先人たちの教えを学ぶことができる読書。こんなにコスパのいい趣味はない。
そんなわたしが、引っ越しを機にミニマリストになった。今持っている本は全部で55冊だ。

手放すことで、ますます読書が好きになった。
今回は、本を手放してよかったことをまとめてみた。


1)どこでも本が読める

読書はもっぱら電子書籍になった。文庫本や実用書など、文字がメインの本はkindleで買っている。本自体を持たなくてすむから、SNSをチェックするのと同じ感覚で手軽に読むことができる。
紙で本を持っているときは、荷物をなるべく減らそうと持ち歩かなかった。すると読書へのハードルが日に日に上がり、本を読まなくなっていった。
でも、電子書籍ならスマホひとつで完結する。
わたしは、いつも2冊の本を並行読みしている。今はどんなに分厚い本であろうが、冊数が増えようが関係なくなった。サクッと読めるから、読書の時間が増えた。
ちなみに手放した本のうち、どうしてもまた読みたいと思った本は電子書籍で買い直した。だから、本当に読みたい本だけに厳選されている。

2)成長が感じられる

いくら電子書籍に頼っても、やはり紙の本の良いところもある。手触りや印刷された色、美しい装丁は本物でなければ味わえない。だから、所有する本は厳選に厳選を重ねて55冊に絞った。
情報過多な現代では本選びにも労力が必要だ。でも、お気に入りの本はすでに本棚に収まっている。だから、迷ったときは本棚にある本を手に取る。
本は何種類も読めばいいのではなく、同じ本を繰り返し読むことの方が大切だと思う。広く読みすぎるから、一年経つと本の内容を覚えていないことが多々ある。
二周、三周と同じ本を読んでいると、作者が本当に伝えたかったことが見えてくる。新しい発見がかならずある。特に実用書やビジネス書を読んでいると、去年のわたしはここで迷っていたけれど、今は次のステップへ進んでいるなぁと成長を感じられる。本を読んだだけなのに、過去の自分が肯定されるから不思議だ。

3)掃除がしやすい

本をたくさん持っていたときは、本棚の掃除は大仕事だった。本を全て出し、本棚のほこりを払い、水拭きして、乾いたら元に戻す。本を出すだけでも一苦労で、年末年始にしか掃除ができなかった。特にマンガや文庫本は色褪せやシミができやすく、いい保存状態を維持できなかった。
今は所有している本の数が減ったから、週一で掃除をする。部屋の掃除をするついでに、クイックルハンディで本棚と本のほこりをサッと払う。綺麗な状態が保てるから、ますます本に愛着が湧く。

4)部屋が広くなる

本は紙の束なだけあって、収納場所をとる。マンガとなれば、ますます収納場所が必要だ。
前は気になる本があれば迷わず紙で買っていた。だから、どんなに本棚を増やしても収納場所が足りなかった。年に一度手にするか、しないかの本たちに囲まれ、生活スペースがどんどん狭くなっていった。なのに支払う家賃は変わらない。
本を手放したおかげで夫婦ふたりで35㎡の家に住んでいるけれど、広々としている。部屋が片付いたから、念願の作業デスクを買った。ますます自主制作や仕事に集中できるようになった。

5)自分を大切にできる

本棚に並んだ本たちこそ、知性を表しているのだ。
過去のわたしは、なぜか持っている本を通して自分の価値を伝えていた。だから、価値を伝え続けるには本がいくつあっても足りなかった。今思うと作者に失礼だ。
ミニマリストになってからは、他人の評価が気にならなくなった。どんな本を持っていようが関係ない。むしろ、所有している本を把握できるようになったことで、心に心地よい余白が生まれた。今は鍛えられた心の目で、ひと目を気にせず、本当に読みたい本を選ぶことができる。
本に依存しなくても、こうして記事を書いて、心のうちをさらけ出せるようにもなった。
本を厳選し続けたら、自分らしく生きるわたしに出会えた。本当の心の豊かさとは、こういうことなのかもしれない。

ミニマリスト修行を始めて、真剣に本と向き合った。
魅力を語れる本だけが本棚に残っていくと思うと、これからの人生にわくわくする。将来をかけてマイベスト本を見つけ、何度も何度も読み返していきたい。
10年後、20年後、今よりももっと心豊かで素敵な自分に出会えると信じている。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。 いいね、フォロー、投げ銭、とても励みになります。 いただいたサポートは、創作活動への投資(デザインの勉強、ミニマリスト修行)に使わせていただきます。