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精神科入院のポイント【準備~退院】:精神保健福祉士が精神科に入院してみた

精神科入院が初めての方に向けて、入院前~退院のポイントをまとめました。

●入院前の準備編

…どれも必須ではありません、できればで大丈夫です(*^^*)

・絶対に必要なもの(お薬手帳など)と持込不可物品を、病院のホームページや電話で確認しておく
*持ちものはこちらのリストも参考にされてください^^
https://note.com/murasakinote/n/nc07295895857

・通っている病院や最近受けた身体検査を、入院先へすべて伝える(精神科以外も含む)
…自分は他院の外科で詳しい血液検査をしたばかりなことを伝えそびれてしまい、再度採血を受ける羽目になりました。泣

・高額療養費制度の限度額適用認定証を取得する
…入院後でもいいですが、前に取得しておくと手続きがスムースです。

・フリマアプリに出品しているものはすべて一時停止する。笑

・持っていくものを準備する(ゆっくりで!)

●入院当日編

・検査等に備え、着替えやすい服装で行く

・しんどければタクシーを使う。タクシーアプリを使えば初回割引クーポンなんかもありますよ。

〈当日の病院到着〜入室までの流れ(例)〉

・保険関係手続き
保険証、限度額適用認定証を提出

・費用関係手続き
入院申込書等にサイン

・外来看護師による聞き取り
出身、職業、睡眠、便通など

・検査(血液,X線,心電図,脳MRI等)
MRI検査の際はピアス等貴金属類を外す

・精神科医による診察
症状、生活、家族歴など聞き取り。患者の権利や自由などについて説明。入院同意書等に署名。分からないことがあれば質問しましょう。

・病棟看護師と面談
食事・入浴・洗濯の自立など聞き取り。持込品についての同意書等に署名。病棟のルールや設備について説明を受ける。

・荷物検査(すべての荷物)
持込不可の物はスタッフに預ける

●入院中の生活編

・休むことを心がける
入院中は、自分が思っている以上に体や心が弱っているかもしれません。
1日のスケジュールの中に「休む時間」を組み込みましょう。
たとえば、入浴後、食前食後、レクリエーション後などです。
無理に動こうとせず、ゆっくり温かい飲み物を飲んだり、横になったりする時間を、自分のペースで取り入れることをおすすめします。

特に入院生活前半は、慣れない環境で緊張が高まるかと思います。
深く呼吸し、焦らずゆっくり慣れていけるといいですね。

・何かあればすぐにスタッフに相談する
気分が沈んだり不安になったり、あるいは何か気になることがあれば、看護師さんやお医者さんに伝えましょう。

勇気が要ることかもしれませんが、病院は「1人で抱え込んだり我慢したりしないでよい空間」だと考え、積極的に伝えていくことが、結果的に心身にもよい状況をもたらすと私は考えます。

自分も最初はとても緊張しましたが、
「頓服が欲しいです」
「頓服は飲むほどじゃないけど、ただちょっとしんどくて、話を聞いて欲しくて…」
「あの患者さんの様子が…」
と看護師さんに伝えてお話することで、もやもやを溜め込まず、穏やかに日々を過ごすことができました。

・甘え上手になる
知り合ったばかりのお医者さんや看護師さんに自身の弱みを見せることは、非常に勇気が要ることです。
また忙しそうにしているスタッフの方々には、どうしても気を遣ってしまうかと思います。
そんなこともあって自分は入院前半、「いい患者」(スタッフにとって扱いやすい患者)でいようと必死で、疲れてしまいました。
強がっていると、治療に重要な病状さえ医師に伝われなくなってしまう可能性があります。
病院という場で強がる必要はありません。Let's「甘え上手」です!

・ほかの患者さんとの関わりについて
精神科には、さまざまな状態・状況の患者さん達がいます。
例えば、挨拶を返してくれない無愛想な患者さんや、逆にとても親しげな患者さん、独り言の多い患者さん、歩き回っている患者さんもいるかもしれません。

原則として、入院中の人間関係は入れ替わりもあって非常に流動的なものなので、過度に怖がらず、過度に入れ込まず、あまり気にしないようにすることをおすすめします。

自分の場合、見知らぬ男性患者に「ネェちゃん」と話しかけられることがありましたが、トラブルの未然防止のために無視を決め込みました。
入院中は、無理をしてまで愛想よく振る舞う必要はありません。

もしかすると、しんどそうな人やしくしくと泣いている人を見かけることもあるかもしれません。

そんな人を見ると心配な気持ちになるかもしれませんが、私はそんな時は「その場から離れる」ことをおすすめします。

その人には、看護師さんやお医者さんが適切なケアをしてくれます。
(万一、スタッフがその人の様子に気づいておらず、あなたが気になるようでしたら伝えに行くのも手です。)

入院治療中は、穏やかに過ごすことが大切です。

人の世話をし過ぎて自分の負担になってしまったり、ほかの患者の状態に共鳴して自分まで不安定になってしまうことは避け、自分自身の療養に集中できるといいですね。

それでもやはり周りの人達や物音が気になる等あれば、看護師さんやお医者さんに相談しましょう。

・退院は焦らず、随時スタッフに相談する
入院生活を送っていると、一時的に症状が改善することがあります。
また逆に、一時的に病状が悪化することもありえます。
環境の変化によって病状や気分に波が現れることは自然なことですので、退院を焦らず、様子を見ながら病院スタッフに相談しましょう。

●退院編

任意入院(自発的入院)の場合、患者自身の意思でいつでも退院することができます。
(ただし指定医が必要だと判断した場合は、72時間の退院制限をすることができます。)

病状が落ち着いてきたら、担当医と一緒に退院時期について相談します。
退院後の生活に対する不安な気持ちがあれば、それも担当医に伝えて一緒に考えてゆけるといいですね。

退院当日は、荷物をまとめ、預けていた物品や処方薬を受け取ります。
最後にお会計を済ませたら完了です。
お疲れさまでした!

退院後も、体力が落ちていることを踏まえてゆっくり過ごし、徐々にエンジンをかけてゆきましょう。

使用用途::不登校関連書籍の購入、学会遠征費など