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映画「片腕サイボーグ」レビュー「このね!安っすい演出安っすい特撮が堪らんのですよ!」

軍人だったパコ(ダニエル・グリーン)は作戦行動中に大怪我を負い
「組織」に全身の70%を機械化された上に命令に忠実に生きる様
脳改造され要人を暗殺するサイボーグとして生まれ変わる。
だがパコは脳改造が不完全だった為に自我に目覚め暗殺に失敗,逃亡する。
「組織」は次々と追手を差し向け,逃亡生活に疲れた彼は
カフェ・モーテルの女主人に言い寄る男を機械化された腕による
アームレスリングで負かし彼女の信頼を得てひと時の安らぎを得る。
だが「組織」は最強の追手・女パーフェクトサイボーグを
カフェ・モーテルに差し向けるのであった…。

パコが腕の不調を修理する場面は「ターミネーター」(1984)の引用,
アームレスリングパートは「オーバー・ザ・トップ」(1987)の引用,
女パーフェクトサイボーグは多分「ブレードランナー」(1982)の
プリスの引用と
面白ければ何でも取り込む姿勢が実に好感が持てる。

大体さあ主人公が「組織」に改造された不完全な人造人間で
戦いながら人間性を回復して
人を愛する心を学習しながら愛する者が傷付く哀しみをも学習し
「組織」が教えた殺意と機械化された肉体を,
その「組織」を壊滅させる為に使うことで
人間性が回復する設定が特撮マインド全開で
特撮が安っぽければ安っぽい程応援したくなるのである。

女パーフェクトサイボーグが主人公に首を切断され,
その首が「ギギギ…オマエ 二 アンソク ノ チ ハ ナイ…ギギギギ」って
喋る安っすい演出,安っすい特撮に僕は泣けるのです。

「組織」の首領が何と「燃えよドラゴン」のジョン・サクソン!
最後はローパー対良心回路が不完全なターミネーターの
ドリームマッチが堪能出来ます。

本商品はバッタモン臭さで有名な
あのメーカーが出してるので特典なんかありません。
でもね。
午後ロー的いかがわしさがいや増して
かえって好感度が上がる不思議な仕様ですね。

最初は「ハズレだったかな」と思ったてたのですが
尻上がりに急激に面白くなり
色んな面白映画エキスの闇鍋的大量投入で
「あれ…ひょっとして傑作なんじゃね」
と思えて来るのも,また映画の妙ですね。
「勢い」が映画を面白くする事もあるとの学びを得た次第です。

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