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【4/6中日戦◯】 長いシーズンの、キュートな一勝

一年間毎日毎日試合を見ていると、まあほんとうにいろんな試合を目にする。劇的なサヨナラ勝ちがあれば、悲劇的な逆転負けもある。ああほんとうに好きでいてよかったと思う試合もあれば、もう二度とみないぞととぼとぼ思う試合もある。(もちろん、翌日にはまた見ている。)派手に点をとる試合もあれば、1点差を守るしびれる試合もある。

そして、勝ちきれなかった試合の翌日に、昨年は一軍登板のなかったキャッチャーが2ランを打ち、その2点で勝つ、そんな試合だってある。

松本くんは初めてのお立ち台で何度もはにかみながら「ぼくは特に何もしていません」と言った。「いえ、何もしていないことはないと思いますけれども」と、インタビュアーの人は言った。そりゃあ、そうだ。3年ぶりのプロ通算2本目のホームランを打って、そしてしっかりなっしーと投手陣たちをリードして、チームを勝利に導いたのだ。それで「何もしていない」のならば毎日私はまじでもっとなにもしていないことになる。(いやほんとうに、私は何もしていない気もする。)

でもとにかくそれは、松本くんの人の良さや、穏やかさや、そんなものをぎゅっと集めたみたいな、そんなヒロインだった。

井野さんは現役のとき、アプリの座談会で「控え捕手には控え捕手の仕事がある」と、はっきりとそう言っていた。そう言えるようになるには、いろんな経験を積んで、自分の中でいろんなことを受け入れ、咀嚼し、納得させていかなきゃいけなくて、それは結構たいへんなことなんじゃないか、と、私は思った。そしてそれは、井野さんの謙虚さと優しさがなし得ることでもあるんじゃないか、と。井野さんはほんとうに、その仕事をしっかりやりきってくれたから。

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