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カテーテルアブレーション(心室頻拍・心室期外収縮)~手術とその後~

心室頻拍の治療のためのカテーテルアブレーションについての体験記です。
入院と手術の日程を決め、1ヵ月後に入院・手術となりました。
今回は入院・手術とその後についてです。

<入院当日>
前回の記事でも触れましたが、健診で要精密検査となり、ホルター心電図(24時間心電図)で心室頻拍を指摘され、心臓エコーで心臓に異常がないことを確認されたら、あとは入院当日となりました。
術前検査ってこれだけ?とやや不安になりながら、3泊4日の入院初日です。
入院前日に電話連絡があり、13時に病棟に来るように伝えられたので、病院に着いたら直接指示されたフロアまで向かいました。
事前に渡されていた書類をフロアの事務スタッフさんに提出し、揃っていることが確認出来たら病室に案内されます。
半個室の4人部屋を希望していましたが、空きがないということで一般個室へ。
周りを気にすることなく静かに過ごせたので少しラッキーです。
病室に入って着替えたら、インタビュー(既往症、服薬、性格まで結構色々聞かれます)、採血、体重測定、心電図を受け、心電計を装着されたら、あとはフリー。
主治医、担当医が挨拶に顔を出してくれましたが、それ以外は血圧測定と体温測定で看護師さんが訪れるくらいです。
オリンピックを見るためにタブレットを持参していたので、NHKを見たり、電子書籍で漫画を読んだり、別のフロアに入っているコンビニに出かけてみたり。
初日は点滴もなく、服薬もなく、とにかく暇でした。
動かないし、不安でもあるので、夕食は1/3くらい食べて就寝・・・のはずが寝付けず、結局睡眠剤をもらって眠りました。 

*パジャマ、タオルは500円/日でレンタル。いつでも綺麗なタオルが使えるし、退院後の洗濯物が増えずに済んで楽でした。
*タブレットはなんでもできて必需品。ただ、寝転がったりすると電源が遠かったりもするので、充電ケーブルは長めの方が良いと思いました。

<手術当日>
2日目。
朝9時から手術開始ということで、6時過ぎに血圧測定と検温、7時ごろ点滴開始。
朝食は抜きなので、点滴をされて緊張感が高まったあとの時間がとても長く感じました。
8時半前に手術室に向かうと言われていたものの、少し遅れて8時45分ごろ病室を出て、歩いて手術室(血管心臓造影室)へ。
ここまで来ると、もう逃げられないというか、緊張しすぎて感覚が鈍っている感じです笑。

手術室では、10名くらいのスタッフが待っていました。
まずはベッドに上がり、手際よくモニターやカテーテルアブレーション用の大きなパッドのようなものを背中や胸に貼り付けられます。
導尿カテーテルは不要と説明されていたものの、やはり必要ということになりましたが、痛みもなくたいしたことはなかったです。(ちょっと気持ち悪いだけ。シートを被せるまでは女性の看護師さんのみで処置してくれました。)
準備が終わって仰向けに寝ると、手足が動かないように固定され、全身にシートを被せられ、主治医の先生がやってきて、鼠径部を中心に消毒をされていよいよ治療開始。
このとき、近くにいた別の先生が「好きな曲かけられるけど、誰が好き?」と尋ねてくれ、「サザンが好きです」と言うと主治医の先生のスマホに入っていたらしいサザンのアルバムを流してくれました!

緊張していて半分くらいしか記憶にないけれど、緊張をほぐそうと色々と声をかけてお気遣いいただけたのは嬉しかった。

カテーテルを挿入する箇所に局所麻酔を打ったら、あとは何の感覚もありませんでした。
局所麻酔も、今針が刺されたな・・・くらいの痛み。
私の場合は両鼠径部の3ヵ所からカテーテルを挿入しましたが、カテーテル挿入の際に僅かに何か入っている感じ(右側はお腹のあたりで、左側は挿入箇所のあたりで)はありましたが、その一瞬を除くといつ心臓に到達したのかも分からないくらいです。
心臓に到達してからは、焼灼箇所の特定のために色々と検査をしているようでしたが、この間もほとんど感覚はなく、先生方が「あ、ちょっと行き過ぎ」とか「もうちょっと手前」とか、声を掛け合っていること以外はどのような状況になっているのか分からず、時々「順調に進んでいるから大丈夫ですよ」と声をかけてくれたので、大丈夫だということを信じるのみでした。
しばらくして、「場所が特定できたからこれから眠ってもらいますね」と点滴を入れられたところで記憶がなくなりました。
途中、目が覚めてしまったのは覚えていますが、すぐに薬を足してくれたのか、次に意識が戻ったのは止血も終わってからでした。

時間的には9時過ぎから開始して、病室に戻ったのが12時過ぎだったので、実質的には3時間弱だったのでしょうか。
病室に戻って、お水やスマホを手元に用意してもらって、とりあえず連絡したい人に「終わったー」とLINEをしてホッとしたことは覚えています。

<術後当日>
病室に戻ってから8時間は絶対安静で起き上がることも、足を動かすこともできません。
この時間が一番辛いと聞いていたのですが、私の場合は薬のせいもあってか、眠くてひたすらうとうとしていました。
定期的に看護師さんが様子を見に来てくれるので、その際に目覚めて検温、血圧測定を行うのですが、それ以外はたまにスマホでLINEしたりしつつ、うとうと。
あっという間に20時になり、食事が運ばれてきましたが、寝たまま食べるのはなかなか難しそうだったので(一応おにぎりや串刺しのサラダです)、止血確認をしてもらってから起き上がって食べることにしました。
20時半ごろ医師と看護師さんが確認しに来てくれて、尿管カテーテルも外してもらって、12時間ぶりに起床!
少しフラフラしましたが、食事を食べて、お手洗いにいって、1日が終わりました。

<3日目>
手術翌日は、日中まで点滴はしていたものの、何もなくフリー。
朝一番で採血し、朝食後に心電図検査に出かけたら、あとは何もありません。
フロア内歩行のみ許可されていたので、時々自販機に出かける以外は、暇!
疲れているのか1,2時間眠りつつ、初日と同様にオリンピックを見たり、電子書籍で漫画を読んで過ごしました。
血液検査の結果にも問題がなかったのでお昼過ぎに点滴も外してもらってからは、本当に自由時間でしたね。
動かないので食欲はそれほどありませんでしたが、病院食は美味しかったです。
夕方、主治医の先生が「ターゲットにしていた箇所は焼灼できたので恐らく完治。術後は一度も不整脈が出ていない。」という説明に来てくれました。
完全に止血できていたのでシャワーも浴びることができ、のんびり過ごしたまま3日目も終わりました。

<4日目・退院日>
4日目は起床後、検温と血圧測定をして、朝食を食べたら退院手続きです。
10時までに病室を出るようにと言われていたので、9時半過ぎには帰宅準備を整えて、病室を後にしました。
今後は服薬もなく、次回1ヵ月後に術後検診を受ければ良いということで、とてもあっけない感じです笑。
お会計をして、生命保険の請求用の診断書を依頼して、10時半ごろ病院を出て帰宅しました。
30度を超える猛暑日だったので、帰宅時に歩くのがやや疲れましたね。
やはり丸3日間じっとしていると体力は落ちるようです。

<ご参考・お会計>
今回、医療費が高額になることが分かっていたので、事前に健保に「限度額額適用認定証」を交付してもらって入院しました。
このおかげで、清算の際にも高額療養費制度の自己負担額を支払えばよいことになります。
私の場合、3割負担での保険適用医療費が455,930円でしたが、実際の負担額は92,628円で済みました。プラス食費と室料差額での清算です。
これを高いと捉えるか、安いと捉えるかですが、健保適用にならなければ150万の治療が9万で受けられたのですから、日本の医療制度は素晴らしいなと素直に感じた次第です。

*入院費(4日間)
入院(DPC)・手術等 455,930円
食事負担       2,760円
室料差額       24,000円
窓口での支払合計額  121,788円  

<術後の生活>
体力が落ちたと感じた以外、傷口の痛みや心臓の違和感は皆無でした。
カテーテル挿入箇所が内出血するケースが多いようですが、止血処置を上手にしていただいたのか、内出血もほとんどありませんでした。
傷口は一番大きな傷口(恐らく一番太いカテーテルを挿入した箇所)だけ数日間血がにじむ程度の出血があったくらいです。
ただ、退院3日目から職場に戻り、変わらず残業の日々だったので疲れは酷く、しばらく食欲がない日が続きました。
体重が落ちたままだったことで、余計に体力回復が遅れたかもしれません。
身体への負担はそれなりに大きいようなので、やはり1,2週間は無理せずゆっくり過ごすべきだとは思います。

<術後1ヵ月検診>
ちょうど1ヵ月後、術後の検診に行きました。
心電図を取り、ここでも不整脈はゼロということで、術後の経過は順調と診断していただきました。
特に問題がないので、大学病院での診察はこの日で一旦終了となり、元の診療所(かかりつけ医)に情報連携の上、2ヵ月後、3ヵ月後はかかりつけ医での診察を受けることになりました。

<終わりに>
ということで、術後1ヵ月検診でひと段落です。
3ヵ月後にホルター心電図検査を受けて最終的な結果を判断することになりそうですが、それはまた結果が出次第記事を書きます。

はじめに診断を受けた時はこの世の終わりくらいの不安感、恐怖感でしたが、かかりつけ医からすぐに大学病院を紹介してもらえたこと、希望のスケジュールで手術を受けられたこともあり、あっという間に長年悩んでいた不整脈が消えてしまいました。
医師、看護師さん、周囲で見守ってくれた両親や友人たちには感謝の気持ちしかありません。
経験豊富な医療機関であれば、カテーテルアブレーションは驚くほど安心で楽な治療法だということも分かりました。
現代の低侵襲な治療方法の恩恵を受けられたことにも感謝です。

なお、前回、今回の記事共に個人の感想、個人の体験なので、ご参考にしていただきつつ、医学的な判断は主治医など専門家の判断を仰いでくださいね。ご不明点やご質問があれば、個別にメッセージ頂ければ可能な範囲でお伝えはさせていただきます。

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