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社会とつながる学校教育

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記事一覧

【実践論文】人工知能社会における教育に関する実践的研究(1)

【実践論文】人工知能社会における教育に関する実践的研究(1)

  YouTubeを活用した鑑賞授業の実践に関する考察 ―「音楽の引用」を可視化する音楽家の系譜をたよりに― 本論は、日本の音楽シーンを名実ともに牽引している星野源と山口一郎(サカナクション)に焦点を当て、彼らが影響を受けてきた音楽家の系譜をたよりに「音楽の引用」について学ぶ鑑賞授業の実践に関する考察である。17世紀に五線記譜法(エクリチュール)が確立され、旋律、和声、リズム、技法、編成といった音

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【実践論文】ソーシャルメディア時代の音楽教育(2)

【実践論文】ソーシャルメディア時代の音楽教育(2)

ソーシャルメディア社会に対応した高等学校芸術科「音楽Ⅰ」における創作授業の実践と考察 ー知的財産教育の体得的な学びを目的としてー 2005年頃から動画共有サイトやSNS(Social Networking Service)を介して創作・表現活動の領域がネット内にも拡張し、パ ソ コ ン や ス マ ー ト フ ォ ン の 普 及 に よ っ て 誰 で もインターネット上にコンテンツを公開できるよ

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【実践論文】ソーシャルメディア時代の音楽教育(1)

【実践論文】ソーシャルメディア時代の音楽教育(1)

「現代(の)音楽」に親しむ鑑賞授業の開発と実践 ―SNSを活用した作曲家とのコミュニケーションを扱って―
国際的な現代音楽作曲家である藤倉大さんにご協力いただいた授業実践開発論文です。藤倉さんが出演された『情熱大陸』の番組内で放映された作品や演奏法、作曲技法などに関して、ソーシャルメディアを活用しながら授業を展開しました。

PDF版: http://www.daifujikura.com/un/

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【研究論文】ソーシャルメディアにおける国内著作権管理の変遷    ―21世紀の音楽文化をめぐる動向をたよりに―

【研究論文】ソーシャルメディアにおける国内著作権管理の変遷 ―21世紀の音楽文化をめぐる動向をたよりに―

ソーシャルメディアにおける国内著作権管理の変遷 ―21世紀の音楽文化をめぐる動向をたよりに― 2005年頃から普及した動画共有サイトやSNS(Social Networking Service)といったソーシャルメディアの普及によって、従来は著作物(コンテンツ)の受け手(ユーザー)でしかなかった一般大衆が送り手(著作者)にもなれる環境がインターネット内に醸成された。とりわけYouTubeやニ

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【論考】音楽科と英語科のコモンズ— 表現・リズム・抑揚を扱う教材開発の視点から —

 本稿では、音楽科と英語科の共有点(コモンズ)として、表現、リズム、抑揚という言語に関する3つの要素に着目し、それらを扱う教材開発について考察する。筆者は音楽科の教職経験者であるが、英語科については中学校第2学年4クラスを約半年間、および小学校外国語活動の授業実践をしたに留まる。 音楽科と英語科では授業構成が大きく異なるが、両教科での実践を通して、音楽科教育の視点から英語科教育を概観してきた。その

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【実践論文】2015年1月公開

小学校外国語活動における歌作成プロジェクトの実践 E-UTA Project for English Education: Report of Song-making Project for Foreign Language Activities 「木更津工業高等専門学校紀要 48」pp.103-109(2015年1月) http://ci.nii.ac.jp/naid/110009882391

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【論考メモ】ゲーム音楽特集を見て|音楽科教育との橋渡し

【論考メモ】ゲーム音楽特集を見て|音楽科教育との橋渡し

今日の「題名のない音楽会」は好評のゲーム音楽特集でした!今回は吹奏楽編成だったから「ドラクエ」作品の演奏はなかったけれど、日本が世界に誇れるゲーム(特にマリオ、ドラクエ、FF、ゼルダ、最近だとモンハン)の音楽は、オーケストラの鑑賞教材としてだけでなく、現代音楽の入門としても最適だと個人的に感じています。

実際に、僕も教員時代には学校の授業でも器楽や創作の教材として積極的に扱ってみましたが、生徒た

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【論考メモ】視覚(景観)と聴覚(騒音)の環境政策

【論考メモ】視覚(景観)と聴覚(騒音)の環境政策

2002年に一人旅でスペインのトレドを訪れました。

大学3年生当時、環境問題を専攻するゼミに所属した際「騒音」と「景観」に問題意識をもちました。きっかけはマリー・シェーファーの著書を読んだことでしたが、同時にどうして視覚(景観)と聴覚(騒音)を分けてしまうのだろう、という疑問がありました。その疑問に答えるヒントを実感したくて、街そのものが世界遺産に指定されたというトレドを訪れました。

ケージに

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【論考メモ】音楽にとって光、色彩とは何か

【論考メモ】音楽にとって光、色彩とは何か

音楽が太陽や月の光の下で奏でられ、その多彩な響きを聴取するという原始のスタイル。お互いの姿形や存在を視覚では認識できないわずかな光の下でも、奏でられる響きに耳を澄ましていると、自然と目が閉じ、どこかおちつく感覚になります。光がないと姿形はおろか、何も認識できないのでしょうか。

色彩とはすなわち光。作曲家のメシアンは、総譜を読む(書く)ときには、音楽に合わせて揺れているさまざな色が見えていたようで

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【エッセイ】音楽と空間

【エッセイ】音楽と空間

先日、マンションやアパートでない一軒家でも、21時には気を使って音(楽器や歌声)を出せなくなるという話をききました。

涼しくなってきたからか、また駅周辺(ストリート)で演奏する人達を見かけるようになりました。演奏の良し悪しはさておき、気になったのは、その「場」の騒音でした。

居酒屋の呼び込みや行き交う人々の会話といった「声」だけならまだしも、駅周辺という場所柄、そこにはあらゆるノイズが絶えず強

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【実践論文】社会とつながる学校教育(3)

小学校教育課程の表現活動における教科間連携に関する研究 -「音が見える作品」の創作授業をたよりに- 本稿は、小学校教育課程における音楽科と図画工作科の教科間連携授業の実践報告である。表現領域の活動として音楽科と図画工作科では目的や指導内容に共通するところが少なくない。今回、筆者らが小学校第4学年を対象として構想・実践した授業は、「音さがし」と「音づくり」を内包した「造型遊び」そして制作された作品を

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【実践論文】社会とつながる学校教育(2)

小・中学校教育課程における表現活動に関する研究 ―ものづくり・音づくり・音楽づくりを連携した創造的表現活動の試み―
 本論は、小・中学校教育課程の表現領域において、「造形活動」と「音楽づくり」(「創作」)を連携させた表現活動に関する研究である。これらの学習活動は、小学校では図画工作科(中学校では技術・家庭科および美術科)と音楽科の表現領域においてそれぞれ扱われるが、活動の目的や指導内容には共通する

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