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一体、誰と誰が戦っているの? 「虹色の戦争」世界の終わり

こんにちは!

今回は、パッと聴いただけでは意味が分かりにくいけれど、、

じっくり聴くと深い意味が伝わってくる、セカオワの「虹色の戦争」に込められたメッセージを読み解いていきます。

この曲はセカオワがインディーズの頃からの楽曲です。
グループ名は「世界の終わり」と日本語表記でした。

インディーズの頃のセカオワの楽曲も味わい深いので、ぜひ聴いてみてほしいと思います。

今年の1月には、、

くわっちと一緒にやっている you tubeラジオで、セカオワの「幻の命」を紹介しました。

この曲もインディーズの頃からの楽曲。繊細な曲です。

それで、、

「虹色の戦争」ですが、

私はどちらかというと、歌詞というよりサウンドを楽しむ傾向があって、

この曲を最初に聴いた時も、ポップなサウンドが印象的でした。

そんなとき、ふと思いました。

「戦争」というくらいだから、誰かと誰かが戦っていると思うのだけど、、

一体、誰と誰が戦っているのだろう?

パッと聴いただけでは、よく分からなかったのです。

それでは、

曲へのリンクを貼りますので、そのあたりを意識しながら聴いてみてください!

いかがでしたか?

それでは、その意味を読み解いていきます。

次の歌詞を見てください。

虫が叫ぶ平和な世界で
僕らは愛を歌っている

虫籠の中で終わりを迎えた 「命」は
僕に何て言うだろう

なんてすごい歌詞でしょうか。

この世に J-POP は数えきれないほど膨大にあるけど、、

虫籠の中の虫の命を、ここまで真剣に心配した歌は、一体どれだけあるだろうか。

しかも国民的ポップスターのセカオワの曲なんです。

さらに

次の歌詞も見てください。

平和に耳があるなら
何が聴こえるだろう

偽物の自由の歌が
爆音で聴こえるだろう

強烈な歌詞ですよね。

「自由」や「平和」を歌う曲は、世界中にあふれていますが、、

それを「偽物の自由の歌」と表現しているのです!

確かに、、、

この曲「虹色の戦争」で、

深瀬さんは、虫や草、花、動物の自由を歌っています。

見落としがちな、かけがえのない生き物たちの存在と自由。

この世の中で、虫や草、花、動物の自由まで
高々と宣言している歌はどれだけあるでしょうか。

パンクの精神

私はこの曲を聴いて、そんなふうに感じました。

世の中の間違ったことは
間違っているとハッキリ主張する。

そんなパンクの精神を
私はセカオワに感じたのです。

そして、、、

いよいよ核心にせまります。

実は、、

この曲の最後に、誰と誰が戦っているのか、答えの鍵が歌われているのです。

次の歌詞です。

青色の空に神様がきて
願いを1つ叶えるなら
花や虫は何を願うのだろう

青色の空に神様がきて
願いを1つ叶えるなら
僕らの命の炎は
消えてしまうのだろう

深瀬さんの歌詞をみてみると、

青色の空
神様
願い
命の炎

このような、

文学的な表現の歌詞が心地よく、
その意味を見逃してしまいそうになりますが、よく見てください。

特に最後のここの部分

「僕らの命の炎は消えてしまうのだろう」

とてもキレイに表現しています。

ただ、、

ここでいう 「僕ら」 とは、人類全体のことです。

僕ら = 人類全体

の命が消えてしまう。

すなわち、

人類が滅ぶということ。

それを誰が願っているのか?

それは、

花や虫、動物といった人間以外の生物全体です。

すなわち、この曲のテーマは、

人類 VS (人間以外の)生物

という戦争だったのです。

そして、 人間以外の生物全体が、
神様にたった1つだけお願いをするとしたら、

その願いは、

この世から人間がいなくなること

なのです。

とても深い。

軽快でポップなサウンドに乗っていますが、
このことを、深瀬さんは真摯な姿勢で歌っているのです。

実は、、

この曲は、アドラー心理学の「共同体感覚」の考え方につながっています。

共同体感覚とは、、

イメージとしては、

みんなが 「協力的な」 気持ちを持って、
共同体に対して、

「所属している」
「信頼している」
「共感する」
「貢献する」

などの感覚を抱いていることをいうアドラー心理学の中心的な考え方です。

ここでいう、共同体というのは、

家族、会社、社会 ・・・

というように、

自分が所属している集団で、
より広い集団を考えていきます。

そのような共同体のみんなの幸せを願うのが 「共同体感覚」 という考え方。

それでは、、

共同体はどこまで広がるのでしょうか?

それは、

地球上の人類全体にまで広がり、

さらには、

地球上の生物全体、

そして、

宇宙全体にまで広がる

のです。

すなわち、人間社会だけでなく、
地球上の生物全体の平和、さらに宇宙全体のことまで考えるというのが、アドラー心理学の「共同体感覚」。

アドラーが生きていた100年前には、
今ほど、環境問題が深刻ではありませんでした

にもかかわらず、
アドラーは地球全体の幸せを考えていたのです。

このように、 、、

セカオワの 「虹色の戦争」 のテーマは、
アドラー心理学の共同体感覚の考え方に共通します。

セカオワが言うように、

人間社会の愛や平和、自由を歌った歌は、
世の中にいくらでもあります。

しかし、
このような生物全体の視点から、
ここまで真摯に歌った曲はあまりないのではないでしょうか。

セカオワの 「虹色の戦争」

ポップなサウンドの内側には、、、

とても深いテーマが秘められています、

あなたもこの曲を聴きながら、
花や木、草、虫、動物たちに思いをはせてみてはいかがでしょうか。

きっと自然の大切さが、胸に満たされると思います。

それでは最後にもう一度リンクを貼りますので、そのような想いをはせて、聴いていただければと思います。

それでは、また!


■ 執筆者 : 松岡 学


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