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事故紅葉/ひばりが丘高校うどん部に敬意を評して

・11/12〜11/13の日記。

・山梨の白州町まで足を運んだ。今回は旅行ではなく仕事(のようなもの)の用事だ。
白州といえばサントリーのウイスキー「白州」の原酒が作られる蒸留所がある地として有名だが、今回はレジャーではないしなにより車で来たので蒸溜所は泣く泣くスルー。 

・昼までに到着する必要があったが、僕が住んでいる宇都宮から山梨の左端(白州町はもうちょっと行けば長野県に到達するような場所に位置している)まではなかなかの距離があったので、渋々高速道路で向かうことに。高速道路はお金がかかる上に風景も代わり映えがしないのであまり好きではない。僕らが所有している軽自動車のバンではスピードを出すと駆動音で大変なことになるのも問題だ。互いの声が全然聞こえなくなる。

・今回は先方が待っているので、遅れないように寄り道せずに向かう。高速を降りたあと、八ヶ岳という牛乳で有名な地点を通過した。なんかいい感じの乳製品直売場があったがこれも泣く泣くスルーした。寄りたかったな…ソフトクリーム…。

・無事用事を終えた後、そのまま宇都宮へ帰るのは大変だということで旅館で一泊することに。
それにしてもすっかり暗くなってしまった。知らない道を暗い中走るのはある程度慣れてはきたが、やはり日中より視界が悪く、慎重に運転しなくてはならない。

しかしながらこちらがいくら気をつけても危険はあちらからもやって来るワケで、この日はかなり怖い思いをした。
車を走らせていると、遠くから見える対向車のライトが、やたらこっち側の車線によってきている事にふと気がついたのだ。

あれ?なんか近いな…あれ!?眼の前にライト!?え!?

・なんと、対向車がこちらの車線に侵入してきたのだ。それもガッツリ。
左側に避けるスペースがあったのと、対向車がすんでのところで気づいたのか元の車線に戻っていったので事なきを得たが、あわや正面衝突の危機であった。

・本当に事故る瞬間の感情って困惑以外の何物でもない。
「え?あれれ?」が最期の言葉になっていたかもしれない。こわぁ………

・こういう時、クラクションを鳴らすべきか迷う。
というのも、僕が鳴らされる立場にあったら、突然のホーン音に思考停止してしまう気がするからだ。相手も僕のような存在であったとしたら、クラクションを鳴らすのはむしろ咄嗟の反応を遅らせる危険性を孕んでるのではないか……みたいな。
結局は相手次第なんだけど、それにしても自分の行動が仇になって死ぬのは嫌すぎるので、やっぱりクラクションはできる限り鳴らしたくない。

・その後、ドライブレコーダーの映像を確認したが、日付が初期設定のままだったのか、2017年の映像ということになっていた。おい!事故っていたら、証拠能力ががが……となっていたかもしれないじゃないか!(前後関係で証明できるだろうけど。)
でも今回の一件のおかげで気づけて良かった。まさに怪我の功名といったところか。ちなみに音声録音もオフになっていた。自分の狼狽え具合を確認したかったのに……残念。

・あまりの事態に気もそぞろになりつつもなんとか到着。
今回泊まるのは「ホテル神の湯」。いかにもな感じの雰囲気ある旅館だ。
エントランスに入ると、ちょっとばかり古めかしい木造の広いフロントに、お正月じみた和で雅なBGMが流れている。子供のころ良く連れて行ってもらった健康ランドを思い出した。おかげで先程の危機一髪でのこわばりが和らいだ。
きらびやかで機能的なホテルも良いが、こういった趣のある宿もいいものだ。
旅館の食事ってなんだか少し物足りないイメージがあったのだけれど、どうやらそうではないようで、これでもかといった量を頂くことができた。
美味しかったし、お腹もいっぱいだ。
温泉も広々としておりそこまで混雑しておらず、ゆったりとした時間を過ごせた。
いい宿だ……。

・翌日朝、出発。ぐっすり眠れたので気分が良い!僕は旅先ではあまり入眠がうまくいかない事が多いので、ことさらにうれしい。
帰りはゆっくりと下道で帰る。
先方から近隣の観光スポットとして、昇仙峡という景勝地を教えてもらったので向かうことに。

・昇仙峡は甲府にほど近い山道にある峡谷で、紅葉や滝を楽しむことができる。
絶好の紅葉日和だからか、平日にも関わらず観光客が山ほどいた。

・お土産屋に入ろうとすると、消防車が山を登っていくのが見えた。そういえば少し焦げ臭い匂いがする。山火事だろうか?
なんて思っていたが、匂いは短期間で収まり、店を一通り見て出る頃にはちょうど消防車も帰っていった。何だったんだろう……。
僕は性根がネジ曲がってあるので、こういう時ついつい野次馬根性で見に行きたくなってしまう。良くないことはわかっているので我慢はするのだけれど……。

・せっかくだし紅葉を見たかったので、天鼓林という、昇仙峡の中でも楓が集中している区画へ。

・地面が真っ赤!きれい〜〜〜〜!
ちょっと散りかけなのかな?一面の紅葉という感じではなかったが、わずかな風に対しても敏感に葉を散らせ続ける様は、まるでそういう不思議な天気かのような気がして、暫くの間ぼーっと見とれてしまった。

 

はれときどきもみじ

・見る場所を変えると、陽の光に当たっているものと、そうでないものの差を楽しむこともできる。光に照らされて揺らめいているのも、良い。
僕、けっこう紅葉好きかも。
こうして紅葉をわざわざ見に行くことがなかったので今になって初めて知ることができた。来年は紅葉の名所を巡ってみてもいいかもな。

・そんなこんなで昇仙峡を見終わる頃にはお昼ご飯時になっていた。
旅館の観光案内に「吉田のうどん」というものがあったのが気になっていた。どうやら店名ではなく「讃岐うどん」や「稲庭うどん」といったような、うどんの類型を指す言葉のようだ。富士吉田という都市で発展したため、そのように呼ばれているとのこと。

・讃岐うどんはコシが強いことで有名で、僕もそのコシが好きで讃岐を最推ししているのだが、なんと吉田のうどんはそれを上回る歯ごたえを誇る"力の麺"らしい。 
これは食べて見なくては!ということで近くにある評判の良い吉田のうどん屋さん「和光」へ。

固すぎて麺は持ち上げてもまっすぐにならない。形状記憶合金のようだ。
  

・冷たいつけうどんを注文。吉田のうどんは黒いつゆではなく、味噌汁のようなスープにつけるのが特徴だ。もう見るからに硬そうな麺に期待を膨らませつつ、まずは何もつけずに素でいただくと……。

固っっってぇ。想像し得るうどんの固さではない。なんかもっとこう…ゴツい。
コシとかそういう次元じゃない。2,3本ぶんの讃岐うどんをギュッと1本に凝縮したかのような、見た目以上の質量を感じる。

加水率がよっぽど低いのだろうか?コシがあるというよりかは、固い、詰まっているといった評価が適切だろう。
まさに力、剛力のうどんといった感じだが、それ故に多く咀嚼する必要があるため、小麦の豊かな香りが長時間口中に広がる。つけ汁はつゆより薄味で、麺の風味を邪魔しない。
力強いイメージとは裏腹に素材の繊細な味わいを楽しめるタイプのうどんだ。

僕は喉越しを楽しむよりもじっくり味わう方が好きなので、これはかなり好きな部類……。
つけ汁を食後に味噌汁感覚で飲めるのも◯。良く噛んで食べるので食後の満足感も高い。

ちなみに今回はトッピングが含まれているものを頼んだが、もちろん個別に注文することもできる。かき揚げ、馬肉、山菜など。いずれも100円。安いね。
特に馬肉は美味しいしたくさん乗っていて嬉しい。次回行くことがあれば馬肉トッピングはマストかも。

・ちなみに、同行人は温かいかけうどんを注文していたため一口もらうと、こっちの方は程よい歯ごたえ(それでもうどんの中では固い部類だが)で、これもまた美味しかった。

・今までは香川の讃岐うどんが最強と思っていたが、どうやら思わぬダークホースが関東にもひそんでいたようだ。
うどん界はまだまだ広いな……。


・店に置いてあった吉田のうどん専門フリーペーパー「udon navi vol11」によると、この吉田のうどんを愛するがあまり、高校でうどんの普及活動をしている「ひばりが丘高校うどん部」という部活があるらしい。紙面で確認できる限りでも4人もの部員がいるようだ。すごいな。
というか「うどん部」て。
そんなフィクションじみた部活が実在していたとは。しかも香川じゃなくて山梨で。
さらにうどん部は名ばかりのゆる部活ではないようで、ちょっと見ただけでもかなり精力的に活動しているのがわかる。
なぜなら、このフリーペーパーがそもそも他でもないうどん部による監修であり、毎週日曜日にはなんと富士吉田の商業施設「セルバ」のフードコートで実際に吉田のうどんを調理、販売しているらしいからだ。
高校の部活でありながら店舗持ってるだなんて!!活動しすぎ!!!すごい。感服です……。他にも子ども食堂やイベントの出店も行っている。ハワワ……。
次回山梨に行くことがあればぜひうどん部の吉田のうどんを食べに伺ってみたいなぁ。

・あと「udon navi」のバックナンバー読みて〜〜。今回読むことができたvol11は吉田のうどんを提供する(たぶん)全店舗と、その特徴が事細かく載っていた。他の号には一体何が書かれているんだ……

・ひばりが丘高校うどん部Twitterも見つけた。要チェックですよ!
https://twitter.com/yosida_udon?t=GJrVeaAetLnGcKzTMHF2Sg&s=09





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