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M子、結婚プレゼン成功。次なる試練。

前回👇の続き。

M子が2020年の春に帰省し、「語学留学中に知り合った韓国の人と結婚したい」と👽に切り出すタイミングは知らされていたから、私は二人から少し離れた食卓に座って、様子をうかがっていた。

我が家で一番大人です

M子の話を黙って聞く👽。小さく頷く後ろ頭を見ながら、結婚30年を超えても未だ夫👽の生態を把握しきれていなかった私は、心臓が痛かった。

一通り、よく練られたM子のプレゼンを聞いていた👽が一言。
「いいんじゃないですか。」

いいんじゃないですか

なんじゃそりゃ~!!!!!!!!!!!!!!!!

私の心臓がムダに痛んだだけか?!

👽はそれ以上何も言わず、M子がお相手を連れて翌週再度帰省することを告げ、プレゼンは終わった。
なぜとんぼ返りで再度帰省したかったかというと、お相手の仕事に関して婚姻届け等の手続きを急ぎたかったから。大人二人分の新幹線代はかなりなものだが、M子自ら2回に分けてプレゼンした方がいいと決めたのは、冷静な判断だったと思う。

M子と私の間では、お相手を「きーやん」と呼んでいる。きーやんは、ゆくゆくは写真を撮る仕事で独立したいと考えていて、その話を聞いた時、娘と篠山紀信展を見た後だったので、「篠山紀信みたいなビッグな写真家になれたらいいね。」ということで「紀信=きーやん」とした。

その時の写真展は、きれいな女優さんや男優さんばかりが被写体で、「変な写真になるはずがない!」という感想を持ったが、とにかく、ビッグになってほしいから「きーやん」である。

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二人が我が家へやってくる日の朝。
最寄りのJRの駅まで来るというので、ややこしいことになるのは嫌だから、私が迎えに行くつもりだった。
朝食後からソワソワする👽。

「そしたら、行ってくるわ。」

どこへ?・・・・・ほ~~~、迎えに行く気満々?!

あの様子では駅で荒れることはないだろう。
「いや、私が行くわ。」などと言おうものなら、それこそ荒れるので、
若干不安を感じつつ、任せた。

後からM子が言うには、
駅前のロータリーで車から降りた👽は、満面の笑みで二人を迎え、きーやんと握手をしたらしい。

その日私たちは4人で地元の観光地を訪ね、夜は外食し、👽は終始ご機嫌だった。結婚式はどうするのか、日韓どちらで暮らすのかなどいろいろ話をした。用意周到な娘はネットで婚姻届けをプリントアウトし、食事の席で「保証人のサインをしてほしい」と渡してきた。ネットからプリントアウトとは、便利な時代になったものだ。

👽は、挨拶に来たのち、数か月婚約期間のようなものを経て入籍すると思っていたのに、二人の勢いに押され、ぼそぼそ言っていたが、家に持ち帰ってサインした。その夜、M子たちをホテルまで送った帰り道、私は車の中で思い切って👽に「お父さんが反対したら、どうしようかと思ったわ。」と言ってみた。

👽は「一人反対して、みんなが嫌な気持ちになってもいかんやろ。」と。
頭の中は上の世代寄りの昭和の男だから、日韓の歴史からかなりの差別意識があるのではないかと思っていたが、意外な反応で驚いた。
しかし、何より、きーやんに好印象を抱いたようなのだ。

観光地を訪ねたとき、私とM子がトイレに行って戻ってくると、きーやんが👽に「写真、撮りましょうか?」と聞き、👽が嬉しそうに「撮ってもらおうか。」と応えている。会話ができてる!!
きーやんは日常会話レベルの日本語は大丈夫。娘曰く、きーやんと👽の日本語能力が同レベルだからちょうどいいのではないかと(笑)

👽に対しても「家族を大切にする気持ち」が感じられ、それが自然で、その上ゆるキャラのような風貌。もしかしたら、👽の頑なな心も溶かす、我が家の救世主かもしれない。

M子の電光石火のプレゼン、入籍からもうすぐ丸4年になろうとしている。
コロナで結婚式を挙げていないし、前回帰省した時は👽「子ども(孫)はまだか」と言ってM子を泣かせた。👽からしたらまだまだ言いたいことはあるようだが、徐々にこちらのペースに慣れてもらうしかない。

しかし!来る2024年のお正月。
次なる試練&カルチャーショックが!
きーやんが「会社を辞めて、写真の仕事一本でやっていきたい」と報告
(プレゼン)にやってくるのだ。      いや、もう辞めてる( ;∀;)







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