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柳宗悦が『手仕事の日本』で語る「用の美」

きのう、『電子書籍で柳宗悦を読んでみた』を書いていて思い出した。
『手仕事の日本』という、柳の著書があり、ありがたいことに、青空文庫で公開されていて、無料で読むことができる。(入力してくれたボランティアさん、ありがとう)

昭和20年代。このまま廃れていくかもしれない日本各地の手仕事を柳宗悦自らが訪ね、見聞し、その素晴らしさを後世に伝えたいという思いで紹介している。手仕事は、陶器の器やガラス細工、金物、染物、織物、手編みの籠、家具など、多岐にわたるが、いずれも展覧会を開くような芸術家が作るものではなく、職人の手によるものだ。

そして、手仕事で作られたものの魅力は、用の美=日々の暮らしのなかで使われてこそ発揮される美しさ だ。

『手仕事の日本』
https://www.aozora.gr.jp/cards/001520/files/51820_50713.html

<目次>
・序

・前書  手仕事の国
・第一章 品物の背景 自然
           歴史
           固有の伝統
・第二章 日本の品物 現在の事情
・第三章 品物の性質 三つの問題
           職人の功績
           実用と美
           健康の美
・後記

第二章で綴られているのが、東北から沖縄にかけての手仕事について実際に見た現状や感想、思い。優しい言葉で書かれているので読みやすい。自分の住んでいる地方や、気になる地方から読んでいくとよりわかりやすい。ちょっとした旅気分にもなれる。

第一章、三章では、日本人の日本人たる所以などに触れていて、読めば、
何気ない「日本の丁寧な暮らし」がもっと愛おしいものになるだろう。


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