民藝運動

〈エッセイ〉「他人(ひと)の名を着る人たちへ 〜現代の民藝を柳宗悦と探す〜」

1、民藝の父、柳宗悦(やなぎ むねよし)

 当時、宗教学者であった柳宗悦は工藝に魅せられ、河井寛次郎、濱田庄司らと共に民藝運動と呼ばれる生活文化運動を始める。なぜ柳は民藝運動を始めたのだろうか。それは彼の著作の中でひしひしと感じられる世間の美の捉え方、資本主義制度による機械工業への移行に対しての問題意識であると考えられる。そういった、柳の危機感による民藝運動によって民藝、工藝は今の我々へと受け継

もっとみる

レンズ越しにみた日韓の出会いと交流 写真家 藤本巧さん

韓国各地を巡りながら、地方の農村や漁港、都市の風景など、そこに暮らす人びとの生き生きとした表情を撮り続けてきた写真家・藤本巧さん。1970年から現在まで50年に渡るこれまでの活動についてお伺いしました。

藤本巧(ふじもとたくみ)さんプロフィール
出身地:島根県
活動地域:日本、韓国
経歴:1949年、島根県に生まれる。
1970年から韓国の風土と人々を撮り続ける。
著書『韓くにの風と人』(200

もっとみる

民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 まとめ

皆さまこんにちは、東堂です。

「民藝ってなんだろう」をテーマに日本を旅する、民藝旅 vol.1山陰・愛媛編、お楽しみいただけたでしょうか?

鳥取県からはじまった、もじゃもじゃ絵描きの民藝旅。

大砂丘に登り、

蔵の町に魅了され、

松の姿に息を呑み、

ついで旅路は四国、愛媛県へ続きました。

瀬戸内の春にときめいて、

友人の暮らしに触れて、

次世代の巨匠の芽吹きを感じて、

職人の静か

もっとみる

民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \2日目/【鳥取 1】

4月9日火曜日、晴れ。

イギリスへ行けちゃう12時間のエコノミーなバス旅で、鳥取県に到着。
トイレの失敗がなかったことに、ほっとした。

駅の近く、公園わきにバスは止まった。荷物を受け取る。
ひとまず、顔を洗って、歯を磨きたかった。時刻は9時35分。
駅に行けばお手洗いがあるはず。

5分ほど歩いて、駅に到着する。
駅前に新しいお手洗いがあったので入ってみる。清潔で、落書きもない。
鳥取県民には

もっとみる

民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \1日目/【東京→鳥取】

2019年4月8日

くもり空、灰色の東京。赤坂のワーキングスペースで、私は深夜バスを待っていた。

年末にnoteで、民藝について調べる宣言をして、数日後にZOZO TOWNの前澤社長からお年玉として100万円が振り込まれた。派遣社員として自転車操業していた銀行口座に、初めて見る桁数の残高。

やるって言っちゃったから、逃げちゃダメだし。始めちゃったから、とりあえず、やってみるしかない。細々とす

もっとみる

生活の愉しみ、その原体験

寂れた県立の芸術会館に巡回してきたバウハウスデザイン展を母と観に行って、私はそのとき初めて「デザイン」なるものを意識したように思う。たぶん、小学五年生のときだった。デザインという言葉の意味を理解していたかどうかも危うい年齢。

展示台に佇むワシリーチェアと、その後ろに貼られた(展示された)アルファベットのポスター。それまでの自分の生活では到底見たこともない、金属をただ曲げて布を張ったような洒落た椅

もっとみる

民藝旅 Episode:0/日本民藝館「柳宗悦の直観」と 21_21「Another Kind of Art」 (4)/最終回

ながらく、お待たせいたしました。民藝旅 Episode 0、いよいよ最終回です。

前回は、2度目の東京来訪で、武田さんとテーブルウェアフェスティバルを訪れ、はじめて漆器に触れました。

6. 「民藝 -Another Kind of Art」展へ

黒柳徹子さんのトークショーを見た後、いよいよ目指すは六本木。21_21 DESIGN SIGHT、「民藝 Another Kind of Art」展

もっとみる

民藝旅 Episode:0/日本民藝館「柳宗悦の直観」と 21_21「Another Kind of Art」 (4)

4. ふたたび日本民藝館へ

せっかく東京にいったのに、展覧会の論考を持って帰るのを忘れたり、行きたかった展覧会は休館日だったり、あちゃーなオトボケを連発した前回。

しなしなレタスのような平日をすごしていたある日、Twitterで繋がっていた武田さんから、「テーブルウェア・フェスティバル」へのお誘いをいただいたのです。開催日は、その週末。湧き水をあびて心がシャキシャキ。すぐさま、土曜日に日帰りで

もっとみる

民藝旅 Episode:0/日本民藝館「柳宗悦の直観」と 21_21「Another Kind of Art」 (3)

(前回までのあらすじ)民藝について調べるため、日本民藝館を訪れた東堂。しかし、己の未熟さに自信を喪失し、行きつけのラーメン店で鶏白湯ラーメンをすすり、命をチャージ。西船橋の妹のアパートに帰りました。

3. いざ六本木!

2日前の日本民藝館ショックがようやく収まった火曜日の朝。もう1つの民藝の展覧会「MINGEI -Another Kind of Art展」を見るために六本木へと向かいました。本

もっとみる

民藝旅 Episode:0/日本民藝館「柳宗悦の直観」と 21_21「Another Kind of Art」 (2)

2. 日本民藝館「柳宗悦の直観」

前回のnoteをお読みくださった優しい読者様。お待たせしました、東堂が海の”もずく”と消えそうになったあの時間の続きです。

学芸員さんの月森さんは、本当にお忙しく、スタッフさんに呼ばれてどこかへと去って行かれました。東堂は、ポケットモンスターでバトルに負けた主人公のように、”めのまえが まっくらになった”状態。しばらく、鉛筆を握りしめて、作りの良さそうな皮のベ

もっとみる