働く上で大事にしたい_8つのこと__1_

働く上で大事にしたい8つのこと~3年間を振り返る~

2017年4月に新卒で入社して、ほぼ3年が経った。この3年間、社会人とはなんたるか、感謝や反省や悔しさや達成感を抱きながら、身をもって体感してきた。そんな3年間で学んだ、これからも働く上で、というより人生を過ごす上で大切にしたいことをまとめてみることにする。


1. 脳内ストックを貯めていく

これは、1年目の配属後、部長との月一1on1で教えてもらったこと。世の中のいろんなことにアンテナを貼って、それを抽象化してラベリングしながら自分の脳に貯めていく。そうすることで、何かの課題にぶつかった時、「あのとき見た○○を活かせるのでは?」と考えることができる、と。
それ以来、意識的にいろんな情報を見たり自分で体験したりしては意味合いを抽出。(元彼には、いちいち「こういうことだよね」っていうのうるさい、って言われたことあるので、使いどころには気をつけるべしw)
情報収集手段としては、Twitterをフル活用している。気になる領域の人をフォローし、通勤時間に自然と情報に触れられるようにしている。


2. 資料として明文化する

これは2年目から3年目にかけて、自分が主体となってプロジェクトを進めながら感じたこと。

・目的
・現状わかっている課題
・その課題解決のためにすること
・実験なのか、全展開か
・何を持って成功とするか

などは、一度合意をとったつもりでもいろんな情報が渦巻いたり、並行するプロジェクトがあったりで、中でみんなの頭の中から消え去っていく。だからこそ、このプロジェクトはこういう目的の下で、こういうことをしますよ、ということを明文化してドキュメントに残し、いつでも立ち返り可能な文書が必要。これができてなくて、議論が堂々巡りした経験がある。
明文化に使っていたのは、時と場合によるが「LEAN CANVAS」やGoodpatchさんの研修を受けた時のフレームワーク、会社で使われていた実験用フォーマットなど。
不思議なもので、人って自分の記憶に頼りがち。でも、それは信じちゃいけない。


3. 何事も向かう場所の合意形成から

ディレクターという立場上、チーム内だけではなく、チーム外の、異なる目的や業務KPIを持つ人たちと一緒に働く必要があることも多かった。
その時のコミュニケーションとして「○○をやってください」という外注方法ではうまく行かなかった。
一方で、

・今ユーザーは○○に困っている
・それに対して、△△という体験を作っていきたい
・だから、××という方法で協力してほしいと思っているが、やり方には執着してないのでもっと良い方法や商品があれば教えてほしい/良いやり方分からないので教えてほしい

というコミュニケーションを取るとうまく進むことが多かった。これは、お願いする相手からしても「何を達成したいプロジェクト・施策なのか」が分かりやすかったからだと思う。上位部分の共通認識が作れているからこそ、こういう説明をすると「それならこっちのやり方のほうが運用負荷少なくて良いよ」「今まだ扱ってないけど、メーカーにそういう商品あるか問い合わせてみるね」と協力的になってくれた。


4. 数字とユーザーの声の両方を結びつけて考える

幸い、私が3年間働いた会社では「定量的な数字」だけではなく、「定性的なユーザーの声」の両方を大事にする文化があった。定期的に実際のサービスを使ってくれているお客様にお会いして話を聞いたり、アンケートの自由回答を読み込んだり。

●定量的な数字
今起きていることを数字で見える化してくれる(とっても重要)。一方で、それが起きている原因は分からない。

●定性的な声
それがたった1人の意見なのか、大多数の声なのかは分からない。でも、数字では分からない”なぜそれが起きているのか”に対しての答えを持っていることが多い。

定量と定性の両方を大事にしよう、と思った印象的な事例がある。自社サービスの配送料を改定した(このご時世だけど、本州への送料が無料になる金額を下げた)時のこと。
実験時点では良い結果が出ていたのに、全リリースしたら結果がついてこない。数字をいくら掘っていても理由が分からない…となった時、私はレビュー用に集めていたアンケートの自由回答を漁った。そうすると、本州以外のユーザーから「私たちにとっては使いやすくなってない!」という声が散見され、それを仮説にデータを掘ってみると明確に本州とそれ以外の地域で明らかに結果に差が出ていた。(これは、実験時は複雑さを排除するために本州のみを対象としていた、実験設計の問題でもあったが。)
その後、本州以外の地域に対しても利益をキープしつつ購入頻度が上がるような送料体系に変更する施策をフェーズ2として行うに至った。


5. 結局、仕事は人で成り立っている

これは、私が社会人になった初めの頃は一番理解できていなかったこと。
私が初めに配属されたチームには、2つ上のみんなから愛されキャラの先輩がいた。上司からはよく「○○(先輩)を見習って、可愛げを大事にしなよ。そのほうが仕事やりやすいよ」って言われていたが、当時の腑に落ちていなかった。

"社会人なんだし、大人なんだし、仕事なんだし、メールでお願いしておけばみんなちゃんとやってくれるっしょ"

当時の私は生意気にもそう思っていた。でも、それじゃ仕事はうまくいかなかった。いろんな人に「連絡の仕方が雑」とか「あなたはそれを言って終わりでいいんだろうけど、こっちは事後対応に大変な思いしてるんだよ」とか色んな厳しい言葉をもらうこととなった。今となっては、あの時叱ってくれたみなさんに感謝しかない。
みんな社会人である前に人間であり、その人のことをよく思っているか・信頼しているかによって、気持ちよく仕事をやってもらえるかが変わる。それを肌身で学んだ。それ以来、何かトラブルが起きた時や対応が必要になった時は真っ先に、同じオフィスにいる相手であれば直接、別オフィスの場合は電話で、お願いとお詫びをするようにした。それを続けているうちに、以前叱ってくれた人とも、スムーズに仕事ができるようになった。

プロジェクトを率いる立場になってから、「信頼貯金」という言葉をどこかで知った。信頼には"この人なら何かやってくれるだろう"という気持ちと、"この人のことは助けてあげたい"という気持ちの両方があると思う。新人のあの頃私に足りてなかったのは、上司が言ってた「可愛げ」というのは、「信頼貯金」のことだったんだろう。


6. 必要に応じて上司に仕事を振る

大学時代までの私は、どちらかというと個人プレーが得意だった。だからこそ、初めの頃は「全部自分でやらなきゃ」という変な責任感を抱いていた。
でも、現場の一番下っ端レベルから働きかけても上手くいかないことが何度かあった。
「それって上の人同士でも握れてることなの?」「そんな話聞いてないよ」そう言われては、自分のチームに持ち帰ることがあった。
そこで、ふとした時に、上司に「これを○○さん(上司と同じレイヤーの人)と握ってもらって、実際の担当者にも伝えてもらえませんかね?」と振ってみた。この時、正直深くは考えてなくて、いつも仕事をぶん投げてくる(笑)上司への軽い仕返し程度の気持ちだった。そしたら、上司は快く受け入れてくれたし、これまで悩んでたのはなんだったんだろう!と思うくらい、スムーズに物事が進んだ。

仕事のゴールは、自分で遠回りして空回りして頑張ることではなく、目指すところに高いクオリティで早く辿り着くこと。そうだとすると、これを使わない手はなかった。それ以来、現場間で話すと面倒なことになりそうなことは、上司に仕事を振りながら進めるようにしている。


7. 事業部や全社の課題・戦略と絡めて考える

どんな会社や事業も、

・今ある課題
・その中で、今期や今年度、または中長期的に注力するものや、戦略

があると思う。自分が何か施策を考える時も、そこに関連しているか?を考えることが、「よし、それにリソースをかけてみよう!」という合意を得る上で重要となる。
だからこそ、全社に公開されている経営会議の資料や議事録は逐一チェックし、今何に困っているのか、どういう戦略を取ろうとしているか、を把握するようにしていた。
その上で提案した施策は、上司だけではなく他のチームや部長にもやる気になってもらえて、協力を得ながら進めることができた。


8. 最後は「納得した上でのやりきり力」にかかっている

どれだけ密に練った戦略や打ち手のアイデアも、結局生み出してリリースしないと何の価値も持たない。
私は昔から、自分がやる気になって「よし、やるぞ!」と決めたことに対しては、無謀と思われることであってもひたすら走り続けるタイプだった。これが社会人になっても役に立っている性格の一つだと思っている。やると決めたことは、進めないとむしろ気持ち悪い。ただそれだけ。そうすると、いつからか「ブルドーザーのように仕事進めるよね」と形容してもらえるようになった。
自分が学生時代に想像していたよりもはるかに、”批判したりアイデア出したりはするけど、自分ごととして進める人は少ない”ということは、社会人になって気づいたこと。だからこそ、猪突猛進できると他の人と差別化できて重宝されるのだ。

ただし、私のやる気は、自分が腑に落ちたことにしか効力を発揮しない。納得できてないと「それ本当にやるんですか?」「ユーザーにとってそれがいいことなんですかね?」と相手や場所を構わず楯突いてしまう。私にとっては、「納得」は「やりきり力」を発揮するために欠かせないガソリンのようなもの。だから、「やりきり力」を発揮するためにも、自分自身が納得しているか?を大事にしたい。


以上8つが、私がこの3年間仕事を通して学び、これからもずっと大切にしていきたいこと。3月から始まる新たな場所での仕事も、これらを最大限に活かしつつ、常に挑戦してアップデートしていこうと思う。

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