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オリジナル詩集

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記事一覧

定型詩(不定期更新)

修行する 素寒貧ふゆ 春は来る

夢にまで 現れるなよ 現実よ

ふと見遣る へその緒のあと 繋がりだ

がんばった 証に消える えんぴつよ

ノート上 NOと無声の 叫び声

思い出す 幸せが在る あたたかさ

風に乗り とおくいったよ あの日の芽

散る花を 木は忘れずに 語り継ぐ

巣立つ春 さくらよ祝え 朱夏へと

また今年 いのちをつなぐ 咲き誇れ

ひたすらに 生きようとする 花と人

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短詩集(1/21更新)

(言葉の倉庫。不定期に追加する。)

1.真夏に火照った頬をさするような
消え入りそうな種火を煽るような
眼前を睨む挑戦者の背に触れるような
淀んだ部屋の空気を押し出すような

言葉は風
吹き抜けて さらって 去ってゆく
息は風
声帯を震わせて言葉を乗せる
さぁ 吹いて行け

ーー
2.垂れる小枝の葉が
風に吹かれ揺れている
風は目に見えないが通ったのがわかる

目に見えなくて
知覚できなくても

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一行詩集(1/21更新)

(言葉の倉庫。不定期に追加する。)

1.一行上にある詩。押し引きで踏み外す死。

2.掌、何度もグーパー。握っていたものを失くした。

3.決める、決心する、覚悟する。これらの違い。

4.銃弾を受けて伸びるスライムのふざけた遊び。

5.絶望の声を書き留めると心がいた。

6.火にかけた想いは、蒸発し焦げることなく煮詰まるか。

7.電話を見送って珈琲を淹れ言葉を書く。

8.迷いが希望に変わ

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小詩集『月と語らう』

朧月夜 2023/02/06

空の低いところに浮かぶ
まん丸な黄色が朧に隠れている
確かにそこに存在しているのに 見えているのに 見えていない未来に似ている
ぼおう と 灯る不安
その弱い篝火を持って夜道を歩こう
物語は先を知らないから頁をめくりたくなる

嘘臭い未来予知なんていらない
絶対の運命があるとしたら俺の生は揺らぐ
一度だけ一気読みして終わる物語だ

知識と体験は違う

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詩集  韻遊び

詩集 韻遊び

はじめに

はじめに一歩を踏みます
一個の心 一声を出します
一斉に俺も僕も私もと多面体は俄然とがなり立てます

行き先成り行きは韻の気分次第 芯を持つ自分に愛される未知の道を願う かつて頭で宣った真っ直ぐな線 実際は千変万化のグネグネ 納得な現在
飽き性は不解消ばかり残すから先々は怪々

威風堂々と畏怖などないように進む人 迷いなどない そんなわけない
迷いの霧 通い

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詩集『月』

詩集『月』


はじめに

表紙におれはいない
目が合ったら会釈するよ
何かが引っかかるならば手にして

目次におれはいない
何を語るか紹介するよ
ちょっと恥ずかしいけれど
精一杯を聞いてくれよ

本文におれがいる
実体よりも純粋に研ぎ澄まされた
内に向ける言葉であなたに問いかけよう
無音の対話をしよう

記すべき特別な略歴はない
装える飾りもない
失敗ばかりの何処にでもいる凡夫
来し方と遊びの楽しさ
人格を形

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