髪を切った
髪の毛を切った。
伸びていた髪の毛は鬱陶しくて、乾かすのもめんどうで、何かを思い出してしまいそうで嫌だった。
未練がましい自分はいまだにSNSを覗く癖がやめられなかった。
投稿は無く、24時間で消えるストーリー投稿だけがあった。
君の横には髪を伸ばした人が横にいて、楽しそうな写真が投稿されていた。
だから、髪を切った。
いまだにSNSを見る癖をやめたくて、
いまだに君を思い出すのをやめたくて、
髪を切れば未練も気持ちも過去も無かったことにできると思ったから。
自分とは対照的な相手と楽しそうにする君。
「あぁ、そんなのが好みだったんだ。」
負け犬の遠吠えみたく呟いてみたけど、
実際自分はただの負け犬で、髪を切ったのも結局動機は君で、
髪を切っても何も変わらなかった。
でも、君は髪を伸ばした人と笑っていて、自分は髪を切った。
君が髪を切った人が好みじゃないとか、伸ばした人が好みとかそういうのは無いって分かっているけど、
君の横にいるのが髪を切った自分じゃなくて、髪を伸ばした人だからこそもう戻ることはないんだと思った。
僕は今日髪を切った。
未練がましいのも、君への気持ちもいまだに変わらないけど、
髪を切って何かが変わった
そんな気がした。
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