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GROW 本当のブランド理念について語ろう

はじめに

このnoteでは、ブランディングについて避けては通れない重要書籍、「本当のブランド理念について語ろう」という本について紹介したいと思います。

この本を手に取って最初に思ったのは、え?タイトル「GROW」じゃないの?でした。情けないです。

それは置いておいて、この本には何が書かれているかというと、”ブランド理念”という概念をもとに、これを実践するだけで優れたリーダー企業になることができる「5つの行動原則」についてです。

これからトップを目指し成長したい企業や、トップの座に君臨し続けたい企業がどんな考えを持っていれば良いのか分かる、とても役立つ内容になっています。

それでは早速中身に入っていきましょう。

優れたリーダーの5つの行動原則

優れたリーダーの行動原則は、以下の5つだそうです。

5つの行動原則3

1、 人間にとって大切な5つの基本的価値のいずれかの側面で、“人々の生活をより良いものにする”ことに関わるブランド理念を発見する。
2、 ブランド理念を軸に、企業文化を構築する
3、 ブランド理念を社内外に発信し、社員と顧客の両方とそれを共有する。
4、 ブランド理念に沿って、理想に近い顧客体験を提供する。
5、 ブランド理念に照らして、ビジネスの進歩の度合い社員の仕事ぶり評価する。

これを見てなんとなく想像していただいた通り、まずはすべての活動の軸となるブランド理念を発見することが重要なようです。
というわけで、今回はブランド理念の発見について5つの中から抜粋して紹介したいと思います。

ブランド理念を発見する

ブランド理念を発見するために、まずブランド理念の定義を確認したいと思います。著者は文中でこのように定義しています。

ブランド理念は、その企業やブランドの根本的な存在目的であり、その企業やブランドが世界にもたらす高次の恩恵を表現したもの

つまり、そのブランドはなんのためにあるのかそのブランドがあると世界にどんな良いことがあるのかを言葉にしたものがブランド理念ということのようです。
また、優れたブランド理念には、条件があると書いてあります。その条件とは、人間にとって大切な5つの基本的価値のいずれかの側面で“人々の生活をより良いものにする”ものであるということです。

5つの基本的価値とは以下の5つです。

5つの基本的価値

①喜びを感じさせる
②結びつくことを助ける
③探究心を刺激する
④誇りをかき立てる
⑤社会に影響を及ぼす

①  喜びを感じさせる
これは、体験を通じて顧客に精神的な面や肉体的な面で幸せを感じさせるものであるということです。本の中では、良い香りがする、すすぎの回数が少なくなる柔軟剤が一例として挙げられていました。家事の辛さが和らぐことで幸せになってほしい思いが込められています。

②  結びつくことを助ける
顧客同士、顧客とコミュニティ、コミュニティ同士などにつながりを生み出します。SNSがまさにこれに当てはまります。

③  探究心を刺激する
顧客が何か新しいことを学びたいときに、学びの手段やツールを提供して後押ししてくれるようなものです。検索エンジンは情報を入手しやすくし、通販サイトで必要な書籍などを簡単に手に入れられます。

④  誇りをかき立てる
自己表現を後押しし、顧客に達成感や安心感、自信を与えるものです。確かな品質の高級車などが挙げられそうです。持っていることがステータスであり、品質の良いものを選ぶことで自身のこだわりや考えの表現になっていると言えます。

⑤  社会に影響を及ぼす
これは、ブランドが社会における課題を解決したり、新しいやり方を提案したり、新しい価値基準を作ったりすることで顧客に魅力を伝えるというものです。既成概念を壊すような斬新なアイデアにはついつい惹かれてしまうと思います。

以上、これらの最低一つに基づいていることが、優れたブランド理念である最低条件です。
さらにこれらの条件を横断的に満たしている場合は、より強力なブランドになるそうです。
つまり「喜びを感じさせる×社会に影響を及ぼす」ものや、「結びつくことを助ける×探究心を刺激する」のように掛け算になっていると強力だということです。

今回の内容から学んだこと

ここまでの内容を読んで学んだことの中で特に大切だなと思った2つを挙げたいと思います。

1つ目は、これを読めば優れたブランド理念を見つけられるわけではないということです。見つけるというよりも、自身の抱いた理念が正しい方向を向いているのかを判断するというやり方が良いのではないかと感じました。まずは率直な自分の気持ちや、顧客を観察して得た発見を理念にし、それが条件を満たしているかを確認しながらブランド理念を固めていくのが良いのではないでしょうか。

2つ目は、理念を見失わないことが重要だということです。例えば企業はいつの間にか手段が目的化してしまうことがあります。顧客を幸せにしたくて付けた機能なのに、そのうち機能を高めることが目的になって顧客を置き去りにしてしまうのです。そうやって本来提供したかった価値を見失ってしまうことのないようにしなくてはいけないというのが、重要なことなのではないかと思いました。

おわりに

今回紹介した内容は、この本のほんの一部に過ぎません。この本には、ブランド理念を見失った企業がどうなったのか、それがブランド理念をもとにどのように再生していったかの事例がたっぷりと書いてあります。
本当におすすめの本ですので、気になった方は是非読んでみていただけると嬉しいです。

ちなみにこの本を読んだきっかけは、こちらの本の中で紹介されていたのをみたことです。

こちらの本は、ブランディングについて全然知らない人が読んでも、ブランディングとはなんなのかという基本的なことが、非常に分かりやすく書いてあるので、とてもおすすめです。


これからも時々おすすめの本を紹介したいと思います。

読んでいただきありがとうございます。

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