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【毎週ショートショートnote】忍者ラブレター2

「…それでは賛成多数で『忍者ラブレター』を正式名称といたします」

”忍者”も昨今の人手不足の煽りを受け、江戸時代以来、数百年ぶりに一般人からの採用を再開することとなった。
といっても、一般社会に対して大々的に公募で募集するのではなく、担当者が隠密に忍者候補者に接触、忍者への就職を打診するのだ。その候補者に渡す打診書の名称が今、正式に『忍者ラブレター』に決まった。

「いや、さすがに『忍者ラブレター』は可愛すぎませんか…?」
「仕方ないじゃろ。『忍者職打診依頼書』などという固っ苦しい名称じゃ、集まるもんも集まらん! 優秀な候補者といえど一人の人間、そして人間は何歳になってもラブレターを貰えば嬉しく、心が動かされるものだ。忍者に馴染みがない一般人に少しでも検討してもらいやすくするためだ」
「そういうものですか…わかりました」

「では次の議題に移ります。『忍者ラブレター』のフォーマットですが、ハート型の便箋を定型として使用………

(410字)

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