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体育の授業に馴染めなかった話

こちらの記事&ラジオに共感するところが多かったので、自分でも体育の授業を振り返ってみたいと思います。(いつもの1.5倍くらいの長文になりました…)

僕も正直なところ運動が得意ではありません。そういうわけで体育の授業とは仲良くなれませんでした。

運動が苦手な人間にとっての体育とは

体育といえば、みんなが見ている前で体を動かしたり、実技のテストを受けたりします。50m走とか、ボール投げとか。そこで足が遅かったり下手だったりすると笑われますよね。それで体育は好きになれませんでした(逆に運動が得意な人にとっては良かったのかも?)。

球技ではチームで試合をすることもありますが、クラスメートからは邪魔者扱いされる始末。確かバスケットボールだったか、「お前おらん方がマシや!コートの端で立ってじっとしとけ!」って言われたことありますからね💦
ちなみに、僕は身長が180cmあります(もちろん当時はもう少し低かったですが)。昔から、身長だけで運動が得意だというイメージを勝手に持たれることが多く、ひとたび真実が明らかになると「デカいだけで何の役にも立たんヤツ」と言われることも。

せめて用具の片付けくらいはちゃんとやろうとしたら「お前内申点稼ぎか?」とクラスメートに言われる。今思い返してもひどい。でも体育の先生は理解のある人だったので救われました。

体育って何のためにやるんだっけ?

そもそも体育って何のためにやるんだっけ?と思って調べてみると、文部科学省のページにこのように書いてありました。

 体育は,すべての子どもたちが,生涯にわたって運動やスポーツに親しむのに必要な素養と健康・安全に生きていくのに必要な身体能力,知識などを身に付けることをねらいとするものである。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1395089.htm

上手い下手の話ではなく、社会人になった後も運動を楽しんで続けられるように、そして健康に過ごせるように、ということが体育の目指すところだというのです。

ところが、学校では運動の楽しさを教えてはもらえませんでした。残ったのは、「できなかった」「笑われた」という嫌な思い出。だから社会人になっても運動に対する苦手意識が拭えませんでした。

ただ例外はあって、水泳は全く泳げないところから50m泳げるようになったので、比較的楽しかったと思います。また、高校時代に毎回の体育の授業の最初に持久走があって(これ以上詳しく書くと出身校が割れそうなので書きませんが)、このタイムが3年かけて少しずつ良くなっていったのも良かったです(★)。

どんな授業だったら楽しかったのか?

これは個人的な考えですが、体育の授業が嫌だった原因って大きく3つあると思っています。

  1. 他人と比べられる感覚があること。

  2. できないこと、能力が低いことを他人に笑われること。

  3. 上達する感覚がないこと。

例えば、サッカーがとても苦手だった自分。先生とみんなの前で一人ずつリフティングのテストをすることになりました。嫌でもサッカー部の人と比べられます。そしてあまりに酷いので笑われます。

大人になってから振り返って思うのは、下手でも下手なりに上手くなっていく感覚があれば、体育に対するイメージは違っていたかもしれないということです。しかし実際には、上達できるような具体的な指導を受けた覚えがなく、せいぜい上手い人の見よう見まねで動くしかなくて、結局コツを掴めずに終わるのが常でした。先生1人がクラス何十人を相手にするわけなので、手取り足取りというわけにはいきません。そもそも先生だってそのスポーツの経験者とは限りませんし。だから別に先生を責めるつもりはありません。

先ほどの(★)の経験ってまさに「昔の自分より上達した」という感覚が持てた数少ない機会だったわけで、そのおかげで「運動は何が何でもダメだ、滅ぼしてしまえ」という感覚には辛うじて陥らずに済んでいたとも思います。

社会人になったら運動を続けられた

社会人になってからも運動にはあまり興味が持てず、通勤くらいしか体を動かす機会がなかったのですが、ある時、転機が訪れます。

26歳にして、ギックリ腰をやってしまいます。「これはヤバい!」と運動不足の現状に危機感を持つようになります。

しばらくは危機感だけでしたが、1年ほど経ったある日、突然近所のボウリング場に一人で行き、3ゲームくらい投げました。指は痛いし次の日は筋肉痛。でも、心地よくスッキリした感覚があり、体を動かすことも悪くはないんだな、と感じました。
なぜ運動が苦手なのに運動でスッキリしたのか。早い話、下手でも馬鹿にされることがなかったからです。まぐれでもストライクが取れたら素直にガッツポーズしていい、優しい世界なのです(あまりにガーターばかりだと萎えるけど)。そうだ、運動を続けてみるか、と思いました。

続けられそうな運動を探していて、思いついたのがスポーツジムでした。健康診断で「筋肉量を増やして代謝を上げたほうがいいですよ」と言われていたこともあり、某大手スポーツジムにお試し入会してみることにしました。
トレーナーの方がついて、簡単な体力測定と運動メニューの相談をします。その時に脚力のテストで、台に座った姿勢から片足で立ち上がって5秒キープ(確かこんなの)みたいなのをやりました。この台の高さがどんどん低くなっていくのですが、なんと最終レベル(何センチか忘れました)まですべて一発クリアしてしまいました。トレーナーにも驚かれましたが、何より自分自身が一番驚きました。自分にそんな能力があったんだ。学校では誰も発掘してくれなかった…

この出来事をきっかけに、そのスポーツジムに電車で30分近くかけて(会社の近所だったので電車代は0円でしたが)週1回通うようになりました。1年ほど経って、家から徒歩数分の場所にできた24時間営業のスポーツジムに移りましたが、最初のジムから通算で5年近く続いています。我ながら驚きです。

スポーツジムの良いところは、ウェイトトレーニングの負荷を変えられるので、重い負荷を掛けられるようになることで成長を感じられる点です。重りを増やすペースは別にゆっくりでもいいんです。また、みんな純粋に運動しに来ているので、野次を飛ばしてくる外野もいませんし、もちろん人と比べる必要もありません

最終的にはたまたまスポーツジムを選びましたが、おそらく他のスポーツでも同じで、人と比べられたり、笑われたりすることのない環境でさえあれば、実は楽しめるのかもしれないなと思います。

授業が苦手でも、そのものが嫌いだとは限らない

学校の授業の好き嫌い(or 得意不得意)と、そのもの自体の好き嫌いはイコールではありません。自分の場合は体育・運動が特にそうでした。でも国語の授業とかもそんな感じだったなあ(記事書いてた)。

だから学校の科目に対する苦手意識って、実は大人になったらあまり関係ないのかもしれません。でも当時の自分にとっては深刻な問題でした。当時、人と比べてできないのを気にしなくていい、と誰かに教わっていたら、そこまで悩まずに済んだかもしれません。もう少し早く知りたかったなあと思いました。