見出し画像

ケンちゃんとひざ小僧 ④


そして夜ご飯の時間になりました。
今日は、ケンちゃんの大好きなハンバーグ。
いつも嬉しそうに食べるのに…今日は様子が違います。

画像1


ママが「ケンちゃん?どうしたの?」と聞いても、うつむいたままなのでパパも心配そう。

すると、ケンちゃんは「うわぁ~ん」と大声で泣き始めました。
「あらあら、どうしたの?お友達とケンカしちゃったの?」ケンちゃんの頭をなでながらママが聞いてきました。

「ぼ、ぼくのおひざ…変なんだ。」
「ちょっとすりむいてるだけよ。すぐに治るから大丈夫!ママが、おまじないしてあげるわね。」
「違うよ!変なんだよ!!ぼくのおひざにお顔があって、しゃべるんだ!!」

突然不思議な事を言うケンちゃんに
パパが「ケン。ちゃんと聞くから、ゆっくりお話してごらん。」と言いました。
「パパもママも、大人には見えないから信じられないかもしれないけど。ぼくのおひざのお顔、ひざ小僧って言うんだって。転んだら出てきたんだ。」とケンちゃんがお話すると。
パパが「そうか。不思議な事が起きたから、悩んでたんだね。」と言い。
ママは「ママ達には見えないけど、ケンちゃんが嘘を付かないの知っているから信じるわよ。
」と言ってケンちゃんの左ひざを見ながら
「ケンちゃんのママよ。よろしくね!こっちはケンちゃんのパパ。」

ケンちゃんとひざ小僧は、驚いた顔をしたあとで「ママ、ひざ小僧は反対のおひざだよ…」と教えると
ママは「あら、ごねんね。両方すりむいてるから。」と言ってペロッと舌を出していました。
「ほら、パパもひざ小僧ちゃんに、あいさつして。」
「ケンのパパです。よろしくお願いします。」と言ったパパに
ママは「もぉー。パパあいさつが硬すぎよ。」と笑いながら言います。
「ごめん。ごめん。よし、ひざ小僧も家族だ!みんな仲良くしような♪」

ひざ小僧は
『ケンの父ちゃんと母ちゃんも、変わってんのな!まぁ、よろしく。』と言いながらなんだか嬉しそう。

するとママが「ねぇ、ひざ小僧ちゃんは?ケンちゃん!何て言ってるのか教えてちょうだい?」と言ったので。
「うん。よろしくって言ってるよ」と言うと。
「えぇ~、それだけ~!?」とママ。
するとパパが
「家族なんだから、何でも言っていいんだよ。」と言った。

ひざ小僧は
『ケンの家族は、いい家族だな!』って言い笑っています。

「いい家族だな!って言ってるよ!」ケンちゃんは嬉しそうに言いました。
そして、ひざ小僧に「ひざ小僧くん、最初に嫌な態度してごめんね。」とあやまりました。

『あやまる事なんてねぇよ。ケンの態度が普通だって言ったろ?』

「ううん。悪かったなって思ったら、ちゃんとあやまらなきゃ!ももちゃんも言ってたでしょ?」「それに、ももちゃんに嫌われたくないしね!」

『そっか。よし、これから仲良くやってこーぜ!!』

「うん。」

つづく。

りんご姫🍎




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?