見出し画像

サラリーマンは今日も仕事がわからない

 日本のサラリーマンは、とにかく「我慢」している人が多い印象ですね。

 何だかんだ言って、日系企業では、一応、未だに終身雇用がお題目にあって、コンプライアンスに触れない限りは、そうそうクビが飛ぶことはありません。

 欧米では、景気後退や企業再編、はたまた、業務上の期待レベルに到達しないと評価された「ミス・リクルーティング(採用誤り)」などの場合、それこそ「解雇」となることが往々にしてあります。

 日本では、それが基本的にないのです。

 欧米では、職務に応じて、その職責を負えそうな学歴・経歴の持ち主を採用し、基本的にその職務は限定的ですし、転勤も限定的となります。

 この場合、職務に応じて給料を支払うため、昇給も限定的で、年齢が上がったからと言って、給料が自動上昇することはありません。

 そのため、「アップ・オワ・ダイ(昇進か、そうでなければ、退職か)」の上司による査定が、毎年、行われることとなります。

 このような厳しい環境ですが、日本のサラリーマンと比較し、自分の得意分野に自分の人的資源を集中投下している分、満足度が高い職業人生を歩んでいると言われています。

 日本は、法令等により、「解雇規制」がありますので、基本的に解雇は難しいのです。
 ※中小企業では、経営者のさじ加減にもとづき、実態として行われているようですが。

 そのため、景気後退や企業再編、はたまた採用誤りといった事態でも、なかなか解雇はできません。

 このような欧米との違いが、日本にサラリーマンという、世界的に見ると、絶滅危惧種のような存在を生んでいると言えます。

 サラリーマンの特徴は、①新卒一括採用、②終身雇用、③転勤・異動の無限定(どこでも転勤・異動可能ということ)になります。

 つまり、新卒一括採用し、解雇できないから、終身雇用前提となり、終身雇用前提となると、職務に応じた採用はしていないですから、当然、転勤・異動は、本人の意向によらず、会社の人事部の胸先三寸になります。

 そうなると、日本国内はもちろん、海外も含めて、各地へ転勤し、かつ、職種も、企画から営業へ(その反対も)などという専門性が全く生み出されない異動が頻繁になります。

 こうして、日本のサラリーマンは、専門性が育たない、聞こえ良く言えば、ジェネラリストとなりますが、実態は、「いつも自分の仕事の内容が本当のところはわからない人種」となってしまうのです(>_<)。

 簡単に言うと、自分ならではのスペシャルなもの(専門分野)がないまま、年齢を重ねることとなり、この高度化・複雑化する社会において、自分の仕事内容がよくわからないまま、大体で仕事をこなし、そのため、いつもストレスや不満を抱えて、ただただ我慢している、という構図になってしまうのです。

 欧米ならば、職務に応じて、それにふさわしい学歴や経歴で採用しますから、自分の仕事がわからないという構図には、まずなりにくいのです。

 日本のサラリーマンは、世界一、自分の会社や仕事を嫌っていると言います。これは、どんな統計を見てもそうなっていると言いますから、これは確実に社会構造の問題です。

 これは、推論するに、「解雇規制」に守られている反面、専門性が育たない新卒一括採用・終身雇用に原因がありそうなんですね。

 日本のサラリーマンはひたすら我慢していますが、それは要するに、自分の専門性が育たず、また、多少の専門性があったとしても、その専門性に応じた職務にとどまれないことが原因だと、強く推定されるのです。

 そして、今日も、日本のサラリーマンは、「自分の仕事がわからない」のです(T_T)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?