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人を頼れない病

こんにちは、心理士のなべたです。

この記事では、何かに依存することのメリットとデメリット、何かに頼りたくなる理由を考えてみます。


依存することのメリット

依存症を抱える人と治療を進めていくときによくメリットを話し合います。
例えば、ギャンブル依存の人と話すと、以下のようなことがよく挙がります。

お金が増える
儲かったときに自己肯定感が上がる
暇をつぶせる
スリルを得られる
ストレス発散、現実逃避になる

メリットは、その行動をしているとき何を得ていたか、どのように感じていたか、依存している行動をする目的は何だったかなどを思い返してみると出てきやすいです。

依存することのデメリット

一方で、もちろんデメリットもあります。デメリットは以下のようなものがあります。

お金が減る
失敗して無力感を抱く
ギャンブルのことしか考えられなくなる
ギャンブル以外のことは楽しくなくなる
ストレスがたまる

依存することは、金銭面、家族を含めた人間関係、職業や学業、気分などさまざまな場面で望まなかった影響も与えます。

目先のものに飛びつきやすい

望んでいないことが将来起こるとわかっているのに、依存している行動をしてしまうのは、今すぐ手に入るものに飛びつきやすいという特性を人間が持っているからです。

例えば、勉強は、その成果が出るまでに時間がかかるものです。英単語を暗記したとしても、喜ばしい結果がでるのは数週間後の試験の後です。
一方で、勉強をするときは多くの誘惑があり、それらはたいていすぐに手に入ります。勉強中にスマホを手に取れば、SNSを見れたり、ゲームができたりといった感じです
「勉強か、スマホか」と選択があったときに、スマホを選んでしまいがちなのは人間の特性なのです。

何かに依存しやすい人は、この傾向がより強いと言われています。依存している生活を変えたいときは、”こういう特性が自分にはあるんだ”と理解しておくことが大切なのです。

依存症=人を頼れない病

依存症を抱える人は、何らかの苦しみや悩み、叶えられそうもない願望を抱えていることがよくあります。そうすると、ギャンブルにしろ、ゲームにしろ、アルコールにしろ、それに頼りたくなる状況になりがちです。

しかし、これらに依存すればするほど、周りの人に本当の気持ちを伝えることが難しくなり、ときに嘘でごまかし、誰にも頼ることができなくなります。つまり、安心して頼れるようになることが依存症からの回復にとって鍵となります。

「依存」の反対は「つながり」

イギリスの作家であるジョハン・ハリさんは「依存(アディクション)の反対は、シラフではなく、つながり(コネクション)だ」と主張しました。

一人でなんとかしようとすることが回復の手段ではないのです。誰にも頼らずに生きていける人なんて存在しません。
依存していた行動とともに過ごす時間ではなく、頼れる人をどんどん増やして助けを借りながら、生きていく時間を増やしていくことが、依存症から回復するための最善の方法なのかもしれません。


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