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【マシュマロ】今わたしが目についた小説に関するエッセイ

 マシュマロに質問を頂きました。

 この質問を読んだとき、目についた本はギッシングの『ヘンリ・ライクロフトの私記』でした。

 最近、北方謙三さんがインタビューに応じている動画を見て、その中で紹介されていた小説です。
(以下のURL 19:12〜)

 なんでも、主人公である作家に遺産が転がり込んできて、お手伝いさんのいる小さな家で裕福な暮らしが実現。朝は小鳥の鳴く声で目覚め、食事をし、散歩を楽しむ。お昼ご飯を済ませたら一眠り。その後、暖炉に火をつけ、執筆活動に勤しむ。そんな夢のような日々が描かれているそうです。

 とてもリアリティのある描写に、北方謙三さんは作者のギッシングに羨ましさを覚えたとおっしゃっていました。

 しかし、調べてみると、この小説が書かれた年、ギッシングは貧乏で野垂れ死んでいたんだとか。

 つまり、この小説はすべてギッシングの願望であり、究極の非現実らしいのです。

 この話を聞いて、これは必読本だと確信しました。というのも、あらすじを知り、そんな生活を送れたらいいなぁとわたしも憧れてしまったからです。

 最近、思うところがあり、生活の糧にしていた昼間の仕事を辞めました。細かい理由はいろいろあるのですが、突き詰めると、このままでは読むべき本を読まずに死んでしまう恐怖に襲われたからです。

 いま、我が家には200冊近くの積読があります。少なくとも、これは全部読みたいです。

 坂本龍一さんが晩年、やり残したことを聞かれ、「これも読まないで死ぬのか俺」と語っていたのが印象的で、その取材映像を見て以来、いつか覚悟を決めなきゃと悩み続けていました。

 そして、今月から仕事より読書を優先する日々を送り始めたのです。果たして、ヘンリ・ライクロフトのようになれるのか? それともギッシングのように夢想の中で野垂れ死んでしまうのか? この小説を読み、人生のシミュレーションをしようと思っています!

 とはいえ、わたしの場合は新しい仕事を探すこともできるので、ギッシングほどの緊張感はないのですが、多少の追体験はできるはずとドキドキわくわくしています。

 なお、余談ですが、絲山秋子さんの『離陸』が気になったので購入しました! こうやって、積読が増えていくのです笑




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