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【料理エッセイ】厚岸でワカサギ釣りをしたんだけど、それより道の駅・コンキリエのダンサーが気になる。誰? ねえ? 誰なの?

 一泊二日で釧路旅行をしてきた。一日目は発祥グルメを食べまくった。

 温泉入って、一眠りして、本当は布団からでたくはなこったけれど、二日目は朝からワカサギ釣りを予約していたので、寝ぼけながらも飛び起きた。

 カロリーを多分に摂っていることは知っていた。それでも、朝食ビュッフェをスルーできるほど、わたしは達観していなくって、迷いながらもレストランの列に並んだ。

 網でホタテとツブ貝を焼いて、海鮮丼を自由に作れるコーナーがあって、午前7時台のメニューじゃないって。制御したつもりが欲張っていた。

 まったく、いくつになったらビュッフェをほどほどの量で済ませられるようになるのだろう。大人になったら自然と身につく技術とばかり思っていたのに、おかしいなぁ。

 結局、チェックアウトのときにはお腹はパンパン。迎えに来てくれた友だちの車で、これからワカサギをバンバン釣って、天ぷらをドンドン食べるというのになにやってんだか……と自己憐憫に襲われた。

 それでも、約一時間の道のりを経てみれば、雪原っぽい風景を前にテンションは爆上がり。氷に張られたテントを指差して、

「テレビで見たことあるやつだ!」

 と、無邪気にはしゃがないではいられなかった。

 今回、わたしたちは厚岸コンキリエのワカサギ釣り体験ツアーに参加した。道具も穴あけも天ぷら用の調理器具も、なにもかも準備してくれた。文字通り、手ぶらでOK。1人6,000円で至れり尽くせりなアクティビティだった。

 インストラクターのお兄さんから教えてもらって、糸を垂らせば、なんと、あっという間に釣れてしまった。

 そして、そのまま片栗粉をまぶして、油にドンッ!

 生きたまま調理するから、暴れてに暴れて、鍋の中はとんでもないことになってしまった。

 しかし、冷静に考えるとかなり残酷な仕打ちである。冷たい水中を気持ちよく平和に泳いでいたら、不意に針を引っ掛けられて、その数秒後にはカリッと揚げられているのだから。これを地獄と言わずになんと言う!

 それでも、完璧な仕上がりに倫理観はどこへやら。わたしはノンストップでワカサギを頬張っていた。

厚岸でコンキリエの牡蠣塩と牡蠣醬油をつけて頂いた

 なお、この日、持参していた漫画『ゴールデンカムイ』のぬいぐるみをカバンから出して、ぬい撮りにも挑戦してみた。

 こちら、門倉というキャラクターをモチーフにしたフォゼ倉さん。本編でワカサギ釣りをしているシーンがあったので連れてきたけど、ピントを合わせるのが難しかった。というか、全然、うまくいかなかった。

 その後、お昼の12時ぐらいに道の駅・コンキリエに戻ったのだが、ここで不思議な人物を発見する。

 というのも、なぜか、施設内のいたるところにダンサーらしき外国人の写真がやたら貼ってあるのだ。

 等身大のパネルはあるし、水のラベルでも踊っていた。お土産に買った牡蠣飯の素にも登場していて、みなさんお馴染みって感じの雰囲気だけど、誰? ねえ? 誰なの? 怖いよおッ!!

 トイレに入ったところ、ウォシュレットのリモコンの上にもこのダンサーの写真があった。QRコードもついていたので、早速、カメラをかざしたところ、道の駅・コンキリエのテレビCMが流れ始めた。そして、なるほど、このダンサーは出演者なのかと合点がいった。

 いや、てか、なにこのCM? 笑

 背景に美味しそうな牡蠣が映っているけど、そんなことがどうでもよくなるぐらい、ダンスがセクシー過ぎるって。上着の脱ぎ方が普通にエロくて、食欲と性欲が画面の中で喧嘩している!

 正直、道の駅だし、行政っぽい雰囲気の建物だし、真面目な人たちが運営していると思っていたので、こんな攻めた宣伝しているなんて意外だった。

 ただ、YouTubeのオススメに出てきた5年前のCMを見る限り、むかしはふつうだったらしい。

 あるとき、急に、このセクシーなダンサーが現れて、コンキリエのイメージは一変してしまったようなのだ。

 予想だにせぬ出会いによって、わたしの好奇心は瞬く間に刺激され、ソフトクリームを味わいながら、コンキリエになにがあったのか? そして、このダンサーは何者なのか? 懸命な調査をスタートさせた。

 と言っても、すぐに厚岸観光協会のブログが見つかって、謎は思った以上にあっさり解決。拍子抜けしてしまった。

 でも、びっくりな内容ではあるので、ぜひとも以下の引用を読んでほしい。

このダンサーのCM
凄いインパクトで
厚岸やコンキリエを
知らない人でも
このダンサーは
知ってる人が多く

まさしく
コンキリエはもとより
厚岸のPRになってました。

よく
漁師ですか?
とか
厚岸に住んでるんですか?
とか

聞かれるんですが
実はコンキリエ側も
正直 わからないそうです❗️

広告代理店に
とにかく
インパクトのある
CMを作ってって頼んだら
あのCMが出来て来たそうで

このダンサー
業界の中でいう
フリー素材だそうです。

厚岸観光協会ログ『コンキリエのCM』

 まさかのフリー素材だった!

 しかも、ベガスベガス釧路店が宣伝にこのダンサーの写真を使った際、コンキリエに問い合わせがきたというから驚き。もはや、厚岸のダンサーだって笑

 ちなみに、その後の調査で元の素材はシャッターストックで有料販売されていると判明。当たり前だけど、同じ人が同じダンスをグリーンバックで音もなく踊っていた。めちゃくちゃシュール。

 未だかつて、フリー素材をここまで上手に活用した例があっただろうか。CMはもちろん、コンキリエ内にはこのダンサーの写真であふれかえっていた。

 有名なタレントを起用するより、100%、宣伝効果があるだろう。費用対効果は半端ない。現に、観光でなんとなく訪れたわたしもすっかりコンキリエのファンである。

 その後、「どこでもコンキリエ」というサービスも見つけて、自宅でも存分にコンキリエを楽しんでいる。

 なお、ダンサーでかすみがちだけど、普通にコンキリエは道の駅としてクオリティが高い。じゃらんの北海道ランキングで13年連続1位と書いてあった。素敵な観光地がひしめく激戦区でこの結果はけっこうヤバい。

 前述のワカサギ釣り体験などのアクティビティも充実しているし、牡蠣の生態が学べる小さな水族館があったり、厚岸を見渡せる展望台があったり、大人から子どもまで楽しめる工夫でいっぱいだった。

 その上、カフェとは別に飲食店が3店舗もあるのだ。好きな食材を炭火で焼けるお店、ウイスキーと一緒に牡蠣を楽しめるお店など、それぞれ、どこも魅力的。迷った挙句、わたしたちはレストラン エスカルで牡蠣の三種食べ比べを堪能してきた。

 いやはや、厚岸コンキリエ、いいところでした! 




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