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映画レビュー:22年6月の8本

トラベラー

(1974年/イラン/アッバス・キアロスタミ監督)

ぐっすり(沈)「ベルファスト」思い出した。

ホームワーク
(1989年/イラン/アッバス・キアロスタミ監督)

撮影の手法自体が家父長制というか権威的というか、、、
子供たちを取調室に呼び出すスタイル、強度あるわ。
いろんな価値観が流入することで社会のひずみってやっぱ
どの国でもどの時代にもあるよねと、なんか暗い気持ちになる。

チロンヌプカムイ・イオマンテ
(2022年/日本/北村皆雄監督)

映像記録として意義深すぎる。生命観の違いなどもハッとする。
つどつど見直したい。道具をズームで映す等、第三者目線が
めっちゃ参考になる。当事者は無意識で扱っていたりするから。
外部が見た関心興味と、内部のそれは違う、との認識を持たねば。

風が吹くまま
(1999年/イラン・フランス/アッバス・キアロスタミ監督)

死を待つ時間に起こる、生の日常。不思議な映画だ。淡々とした毎日の出来事のはずなのに、こうやって映画的に映され切り取られ編集されると、なんだか報われるような感ある。毎日が奇跡に思える。それをつい忘れちゃうから、僕は映画で再確認したいのかも。映画にすがっているのかも。

流浪の月
(2022年/日本/李相日監督)

つらすぎる。簡単なことがやがて絡まって、空回って
やがてほどけなくなって何処と何処に根があったのか
それを見つめるような柔らかな再生へ向かう時間は与えられなくて
気づいた時には崖っぷちにいるのに皆手を差し伸べる暇がない

名付けようのない踊り
(2022年/日本/犬童一心監督)

本来的には誰もがみんな「場踊り」してるハズなんだ。
それを、これだけ丁寧に、解像度を上げて表現して下さると自分が
日々いかに粗雑に取り扱ったり越境したり侵害してるのか判る。
丁寧さがずべて善とも思わないが、そのモードも持っていたいな。

ドンバス 
(2018年/ドイツ・ウクライナ・フランス・オランダ・ルーマニア・ポーランド合作/セルゲイ・ロズニツァ監督)

何が嘘か本当か判らない、判った時には既に殺される直前後悔しても後の祭り。平時とは全く心理状況が違う戦時狡猾な奴だけが生き抜く。そんな疑心暗鬼とストレスフルな日常は耐え難いから戦争はいやだ。

FLEE 
(2021年/デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フランス合作/ヨナス・ポヘール・ラスムセン監督監督)

戦時を乗り越えて今がある、生き証人の苦しみの記憶の記録「人を信じることができる」って、その人の人生で育まれたかけがえのないギフトだ。

<了>

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