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リョーリの部活 第3話~君の名は~

「はい、どうぞ」
高橋さんの元気な声が返ってきた。

調理実習室に入ると3人の女の子がいた。
一人は先ほどの声の主の高橋さん。
残りの二人のうち一人は高橋さんとほとんど背格好や髪型が変わらず後ろ姿だけでは区別がつかないのではないかと思うような女の子。
もう一人は何と言うかほっこりとするようなオーラをまとった女の子だった。
取り立てて美人であるとかスタイルが良いとかではないがなぜか一緒にいて安心感を与えてくれそうな雰囲気だった。

「来てくれてありがとう。あれっ、そう言えば君の名前聞いてなかったね」
そう言えば昼休みの時は自分の名前を名乗り忘れていた。
初対面の人に失礼なことをしてしまった。

「あっ、1年3組の大江知宏です」
「大江君、改めまして料理同好会会長の高橋真琴です」
「はじめまして、副会長の福田さつきです。1年1組です」
ほっこりさんが副会長なんだな。
「はじめまして、篠田真紀です。笑わないでね」
うん? 何かおかしいとこがあったかな? 僕の反応を見て高田さんが少し笑った。
「大江君は信太巻きっていう料理知ってる? 魚のすり身やミンチやお豆腐なんかを油揚げで巻いた料理のこと。で、同じ発音っていうだけやなくてシノのうちはお豆腐屋さんなんやで」

そういうことか。
叔母さんからいろんな料理を教えてもらったけど信太巻きは教わったことがなかった。

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