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ハタチから90歳までの北斎を巡る|「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」の感想①

「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」に行ってきました。

葛飾北斎の20歳頃から90歳までの作品が一挙に見られる展覧会。贅沢!

有名な絵でもじっくり見ると今まで気づかなかったことに気づくわけで。

「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」には舟の中で並んで身構える小さな船乗りさんたちがいる。壮大な富士山と荒波に比べ、人間たちは本当に小さく、円と線のみで構成されている。大自然の中で人間は儚く小さい。

「冨嶽三十六景 凱風快晴」。富士山の鮮やかかつ品格にあふれたグラデーション。絵師の北斎もすごいけれど、実際に形にした彫師や摺師の方々のお仕事本当に素晴らしい。浮世絵はチームワークなんだなぁ。

「雲中の虎図」「雲龍図」。北斎90歳の作品。虎の毛のふわふわした感触、龍の尻尾のうろこに覆われた感触が伝わってくる。かなりのおじいちゃんなのに、手ざわりまで感じさせる筆力、すごい。

「百物語 こはだ小平次」。奥さんの浮気相手に殺された歌舞伎役者が不義密通する二人を蚊帳の外から覗いているそうです。言われてみればそんな表情に見える!そしてすごく気持ち悪いモチーフなはずなのに、なぜか人間らしくて可愛げがある雰囲気。

「隅田川両岸景色図巻」。美しい遊女たちと賑やかに遊ぶ吉原の客たちの姿が印象的ですが、実はこの右側には襖の向こうでぽつねんと待ちぼうけをくらっている男性の客二人が描かれています。個人的には待たされている後者の方に感情移入してしまったり。

「蛸と海女」で登場する可愛くもいやらしいタコさんなんかも登場して、大満足の展覧会でした。

最後にこの作品「夜鷹図」。個人的には一番心に残った作品なのですが、語ると長くなるので、続きは明日

※詳細はこちら!

「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」 
会期 : 2019年1月17日(木)〜3月24日(日)会場 : 森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)

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