9/26 アゲ・サゲ/いじめへの怒り

アゲアゲ、アゲていこうぜ。こういう言い回しもとうに減った……ように思える。あるいは定着したか。要するに現代若者言葉における、気分の高低を示す表現だった。

盛り上がっていこう、気分がいい。こんな言葉が通常表現においては適当と思われる。逆の言葉をそこまで見かけなかった記憶がある辺り、若者特有の享楽感表現だったのだろうか。

なぜこんな前置きを書いたか。今自分が、明らかにサガってるからである。サカッてはいない。しょうもない言葉遊びだが、こんな言葉を並べる程度にはやるせない気分だ。

貴乃花親方の退職。1990年代後半・2000年代前半に君臨した大横綱の、あんまりにもあんまりな結末に、空いた口がふさがっていないのだ。本人のやり方も決して上手いものではなかったと思う。思うが。

彼の言い分が全てが事実なら、相撲協会のやり口が残忍に過ぎる。膝突き合わせて話すのは論外にしても、今少し歩み寄れなかったのか? それとも、協会に言わせれば全てが無根拠だったのか? 今となっては闇の中だ。

新潮45問題、ラノベ表紙論争……。日本から「健全な議論」が消えていく恐怖が、芽生えつつある。不可としたものにスクラムを組んで有象無象の圧力を掛け、言い分も言わせずに黙らせる。いじめの光景ではないか。

そもそも日本自体が多様性に向かない歴史性を持つのは事実と言える。ある程度の纏まりがなければ、この災害列島では生きていけなかったからだ。故に掟が生まれ、破った者はコミュニティから排除された。

この歴史性は維新と敗戦を経てなお存続している。軍隊での暴力、出身差別。部落問題。間違っても、「いじめは昨今の問題」とは言えない。言ってはならない。出る杭や被差別的立場の者を。打ちのめしてきた歴史がある。

話を戻そう。もはや覆水は盆に返らない。どれだけ叫んだって貴乃花親方は退職するし、新潮45だって休刊のままフェードアウトするだろう。日本において健全な議論が定着するのにも、まだまだ時間はかかるだろう。

だが、俺は日本を嫌う程にまで諦められない。貴乃花親方のあんな結末は、あってはならない。徒党の圧力に膝を屈するのも、(出版という立場上)おかしいとは言わないが、それでもやりようはなかったのかと思う。

書いていると、更にサガりそうなのでこれで締めにしたい。なんだろう。日本、もうちょっと上手いやり方ないのかなあ。悲しい。

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