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【読書録】人は悪魔に熱狂する

はじめに

 今回紹介するのは「行動経済学」という経済学に心理学を加えた分野を専門とする著者が書いた本です。人間は合理的ではないことを考慮した視点で経済を見ると新たな知見が得られるという内容となっております。

データは事実であるが、真実とは限らない。意味を読み取らなければ、データはなんの役にも立たない

 ついデータを解析するだけで満足してしまいがちですが、得られたデータからどんなことが考えられるのかを示さなければ意味がありません。1つのデータから多くのことを考え、検証する優先順位を決めるというサイクルを速くすることが重要であると思いました。同じデータであっても、解釈する人が違えば結論は変わってきます。本当に重要なのはデータの解釈を正しく伝え、多くの人と議論することであると感じました。

人間を熱狂に駆り立てるには、「善」よりも「悪」や「煩悩」の方が重要な要素

 この事実を理解すればメディアに踊らされることなく、正しい情報を手に入れることができるのではないでしょうか。メディアは人間の本質にアプローチし、あらゆる方法で人々の関心を集めてきます。
 私の勤めている会社はBtoBのため、不特定多数の人たちにアプローチするということがありません。なのであまりこの事実を役立てる場面がありません。あえてやるとしたらこのnoteで「煩悩」を刺激するような記事を書くことでしょうか??

「どこに基準を置くか」で人間の意思決定や感情は大きく変わってしまう

 立場によって意見が変わるのは分かっていても、つい相手を説き伏せようとしてしまう経験は多くの方にあると思います。これからはどんな議論でも相手がどこに基準を置いているかを考慮して行いたいです。またこの考え方は思いやりの本質をついていると感じました。

さいごに

 FACTFULNESとは違う視点のデータ解析の本質を突いた本でした。純粋なサイエンスであれば、この本に書かれていることは考慮しなくてもいい場面があると思いますが、ビジネスでは必ず人がかかわります。なので、人間の心理を考慮したデータ解析が力を発揮するのだと思います。データばかり見ていると、つい理論のみで話を片付けてしまいそうになるので、結果を報告する前に動くのは誰なのかを考える癖をつけたいと思いました。

参考文献

松本健太郎(2020) 「人は悪魔に熱狂する」 毎日新聞出版

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