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【実例付】Chat-GPTの使い倒し方 07[ プロンプト入力26の原則]を読み解く⑥英会話スクール不要!?のプロンプト

 モハメド・ビン・ザイード人工知能大学 (MBZUAI) の研究者グループが発表した、大規模言語モデル(LLM)とのインタラクションを最適化するための「26の原則」。今まで⑭までの補足説明をしてきました。

 今回は⑮からです。



⑮テストを含む指導:テストを出してもらい、自分の理解度を試す→△理解度に対応させる際はイマイチな場合も ◎Chat-GPTを講師とした英語学習法は必見

 このプロンプトは、2つの使い方があります。

 まず、Chat-GPTに何かを説明してもらいたい時に、自分のレベルをChat-GPTに教えたほうが、適切な回答が返ってきます

 例えば、Chat-GPTに何かについて教えてほしい際に、僕がそれについてどの程度まで理解できているかを、あらかじめ伝えておくと、僕にとって最適な「レベル」の答えを返してきます。

 「小学生に教えるように答えて」とか、「ある程度知識があるので、その前提で答えて」となど伝えてもいいのですが、確実なのは、以下のようなプロンプトです。

【実例】理解度に応じて教えてほしいとき


XXについて知りたい。
私の理解度に応じて、具体的に、教えてほしい。
私がどこまでXXについて、理解しているかを確認してから、返答した方がいいので、次のように進めてほしい。

1.私がXXについてどの程度理解しているかをテストする。
2.テストに私が解答する。
3.私の回答から、私のXXについてのどの程度理解しているかを把握する。
4.把握した理解度に応じて、XXについて適切な説明を私にする。

 このプロンプトを入れる方法は、僕の経験上、有効な場合と、いまいちな場合があります。

 なぜなら、テスト問題が出されてそれに回答するのはいいのですが、その回答の際に、範囲を限定した説明をすることがあるからです。

【実例】Chat-GPTに英語講師になってもらえるプロンプト

 もう1つの使い方は、Chat-GPTから学んだことから、テスト問題を作成してもらい、どこま理解できたかをチェックする、というもので、一番有効だな、と感じたのは英会話や英単語の練習です。

 例えば、あるニュース記事について、英語でフリートークしてみます。
 
 ニュース記事をコピペして、以下のようにプロンプトを入力します(プロ講師級のレッスンをするなら、もっと凝ったプロンプトを書いた方がいいと思いますが、これでも、結構レッスンができます)。


・あなたは英会話の講師です。
・私は英会話レベルは高校生レベルです。
・#ニュースの下にあるニュース記事を題材に、私と英語でフリートーク
 して下さい。
・記事の中身を理解して、記事を私が理解しているかを確認するための
 テストを50問出してください。
・テストは1問ずつ出して下さい。
・テストを出して、私がそのテストに解答したら、解答が正しいかどうか
 を判定して下さい。
・正しくなければ、その理由と、正しい解答例を英語で出力して下さい。
・テストが終了したら、私の英会話力を5段階で評価して、改善ポイント
 を5つあげて下さい。
#ニュース
・・・(ニュースをコピペで貼り付けます)

必見!スマホの音声機能プラスで「英会話の先生」に

 英会話がしたい場合、さらに、スマホ版Chat-GPTの音声機能を使って、音声でやり取りする方法があります。

 これでまさに、Chat-GPTが英会話レッスンの先生になります。英会話スクール、いらないのでは?と思いますよ 笑。


⑯モデルへの役割割り当て:モデルに特定の役割を割り当てる→〇役割指定でより「それらしい」回答に


 これは、何度も出てきましたよね。

 ・あなたは英会話の教師です。
 ・あなたは経営コンサルタントです...
 と、役割を冒頭に指定することで、より「それらしい」回答が返ってきます。誰もが一度は使ってるプロンプトではないでしょうか。

⑰デリミターの使用:特定の区切り文字を使用→◎より明確な意思疎通。「改行」だけでも取り入れて

 デリミターって何? と思われるでしょう。

 デリミターは、データの区切りや構造を示すために使われる記号や文字列で、プログラミングやデータ処理で一般的に使用されている、コンピュータ用語です。

 例えば、CSVファイルのカンマ、テキストファイルのタブ、プログラムのセミコロンなどです。これらはデータの分割や解析を容易にするために、プログラミングやデーター処理では重要な役割をもっています。

 Chat-GPTにも有効です。というのも、Chat-GPTに何か指示をするためのプロンプトを入力する場合に、入力された文章のどこに区切りがあるのかを理解するのは、結構大変だからです。

 僕がよく使うデリミターは、
 「#」や「{}」、「改行」「・」「-」、「:」など
ですね。

【実例】デリミターを使ったテンプレート

 以前、僕が書いたプロンプトのテンプレートをみて下さい。

# 依頼
あなたは[#役割]です。
[#依頼事項]を[# フォーマット]の形式で、回答して下さい。
[#手順]に従って実行して下さい。
[# ルール]を守って実行して下さい。
[# 参照]を参考にして実行して下さい。
# 役割
- SNSで新商品のアピールするメーカーの広報担当者
#依頼事項
- 新商品を宣伝に効果的な商品キャッチコピーを15字程度で作る。
- キャッチコピーにそった商品の宣伝文を200文字程度で書く。
- キャッチコピーと宣伝文をセットで5個作る。
# フォーマット
- 表形式にする
- 列は[案番号] [商品キャッチコピー] [商品宣伝文]
- 行は5行。5個の [商品キャッチコピー] と[商品宣伝文]を表示
#手順
1.回答をする。回答したら、「回答を終えていいか?」と私に聞く。
2.私がYESと入力したら、実行を終了する。
3.私がNOと入力したら、「どの案がいいですか?」と私に聞く。
4.私が回答した番号の案について、それに似た案を新たに5個作る。
5.手順の1に戻る。ただし#手順を10回実行したら自動的に終了する。
# ルール
- 商品に親しみをもってもらうため、カジュアルに書く
- 若者に受け入れられるような、キャッチコピーと文章を書く
# 参照
以下に、新商品情報の文章をここにコピペで貼り付ける

 多くのデリミターが使われていますよね。これを使うことで単語や意味の区切りをより明確に、Chat-GPTに伝えることができます。

【重要】デリミターを使う際は「改行」が肝

 ちなみに、デリミター使う人は、まだまだ少ないと思います。面倒なこともあるかとは思いますが、そんな時は、1つだけでいいので使って下さい。

 ここでキーになるのは「改行」です。

 プロンプトを細かく区切って改行を入れるだけで、解答の質は、ダントツに上がります

 具体的には、

Before

「あなたは英会話の先生です。フリートークで、張り付けた記事に基づいて、英会話のレッスンをして下さい。会話を20回したら、私の理解度を図るために質問してください。ニュース記事の内容...」

 よりも、

After

#{役割}:英会話の先生。(改行)
#{進め方}に従って、英会話レッスンをして下さい。
#{進め方}
・#{記事}を読み込んで下さい。
・読み込んだ#{記事}の内容に関してフリートークをして下さい。
・20往復、私と会話してください。
・会話をリードして下さい。
・積極的に質問したり、話題を発言して下さい。
・20回の会話の往復が終わったら、私に、#{記事}について質問して下さい。
・私がどの程度、#{記事}を理解しているかを確認する質問をして下さい。
#{記事}
XXXXXXXXXXXXX...

と、改行をいれて、指示のプロンプトを分割して入力して下さい。

それだけで、Chat-GPTの理解力はかなり上がります。

Chat-GPTにも聞いてみた!

 事実、


デリミターをプロンプトに使うのは、あなたにとって有効ですか?

GPT
デリミターをプロンプトに使用することは、ChatGPTにとって有効な場合があります。プロンプト内の異なる要素や命令を区切ることにより、より明確な理解と適切な応答を促進することができます。たとえば、異なる質問やトピックを改行や特定の記号で区切ることにより、ChatGPTはそれぞれの部分を個別の要素として認識しやすくなります。

 とのことです!

大規模言語モデル(LLM)とのインタラクションを最適化するための「26の原則」

①礼儀を省く:「お願いします」などの礼儀用語は不要
②対象者を明示:「専門家向け」など返答を受ける対象者を明示
③複雑なタスク分割:複雑なタスクを簡単なプロンプトに分ける
④肯定的指示の使用:否定的な言葉ではなく肯定的な言葉を使用
⑤明確化のための指示:「簡単な言葉で」「中学生にも分かるように」等
⑥報酬の提示:「良い解答には報酬を出す」と示す
⑦事例を提示:既存の事例を使用
⑧プロンプトのフォーマット:###Instruction###」で始め、適宜「###Example###」や「###Question###」を含める。
⑨明確なタスク指示:「あなたのタスクは」と指示。
⑩ペナルティの提示:「ペナルティあり」と伝える。
⑪自然言語による回答指示:「自然言語で回答して」と指示。
⑫先導的な言葉の使用:「ステップバイステップで考えて」と指示。
⑬偏見の排除:「偏見を持たず、ステレオタイプに依存しない」と指示。
⑭ユーザーとの対話促進:問題解決までモデルに質問させる。
⑮テストを含む指導:テストを出してもらい、自分の理解度を試す。
⑯モデルへの役割割り当て:モデルに特定の役割を割り当てる。
⑰デリミターの使用:特定の区切り文字を使用。
⑱繰り返しの使用:特定の単語やフレーズを複数回使用。
⑲思考の連鎖:中間ステップを生成し、事例を組み合わせる。
⑳出力プライマーの使用:期待される出力の始まりでプロンプトを終える。
㉑詳細なテキストの作成指示:「詳細に書いて」と指示。
㉒スタイル変更の防止:「スタイルを変更しない」と指示。
㉓複数ファイル対応のコーディングプロンプト:複数のファイルにまたがるコーディング作業の効率化のために、自動的に新しいファイルを作成し、生成されたコードを適切なファイルに挿入するスクリプトの作成を提案。
㉔特定の言葉で続ける:「与えられた言葉で完成させて」と指示。
㉕モデルの要件の明示:コンテンツを制作するためにモデルが守らなければならない要件を、キーワード、規定、ヒント、指示などの形で明示。
㉖サンプルに基づくテキスト作成:サンプルと同じ言語で書くよう指示。


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