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身体の軸を整える

4足歩行の動物は、脊椎を地面と並行に移動します。それに対して地上でヒトは脊椎を地面と垂直にしながら移動します。

発育、発達過程に沿って考えると、胎内では重力を感じておらず、自分の体型の認識もありません。産まれてくると、横になったまま首を動かしたり、寝返りをうちながら、脊柱まわりの回旋筋を使って位置感覚を覚えていきます。

身体は背骨を中心に前後左右に分かれています。立った状態で、真正面や真横から見たときに、身体が傾いていたり、ズレていることがありますが、軸を整える場合は、頭の真上からも見て3次元で姿勢を確認していきます。

ランニングによる弊害

長く1つの競技を続けたり、偏った姿勢で長く過ごしていると、身体がアンバランスになりやすくなります。しっかりと軸が作れていないと、バランスの悪さは顕著となりケガをしやすくなるため注意が必要です。

パフォーマンスを上げるための走り込みシーズンは、シンスプリントや腰痛などのケガが多く発生します。これは軸のズレにより、1箇所に負荷がかかり続けることにより生じる故障です。

ランニングスポーツにより故障した選手に共通することとして、股関節周辺の筋肉の硬結があります。また、下半身に注目しがちですが、実は上から崩していく選手が多く、上部胸郭からアプローチするとケガから早く復帰する場合が多くあります。

そのため、コンディショニング、ウエイトトレーニングを上手く取り入れながら走り込むことが望ましいと言えます。

修正エクササイズ

軸を作るために、まず姿勢作りを行います。加えて、筋力の使えていないところをしっかりと使えるようにトレーニングしていきます。このときに、重要なパーツは脊柱と股関節になります。

まずは寝た状態で、本来あるべき脊柱の位置に戻します。ストレッチポールなどを利用して、脊柱を安定させるための筋肉に刺激を入れていくことで正中位と正中感覚を一致させていくことができます。

●股関節の最大可動域を獲得する
前面の腸腰筋、後面のハムストリングスや臀筋、側面の腸脛靭帯などのストレッチをしっかりと行います。さらにそれらの関節を最大限動かしながら負荷をかけた運動を行います。

●脊柱の最大可動域を獲得する
特に頸部から上部胸椎にかけての回旋運動が、様々な理由により妨げられているため、しっかりとストレッチします。さらに股関節と同様に目一杯動かしながら負荷をかけた運動を行います。

走るフォームを修正するのは難しいものです。それよりも、コンディショニングやウエイトトレーニングにより可動域の拡大、筋力の向上、身体感覚を改善することで軸を整えて、フォームを変えましょう!

NAKABA


●参考  
「正中位と正中感覚を一致させる」 桑井太陽
サンイリオスインターナショナル代表

「軸がコーチとトレーナーをつなぐ 石塚利光
日本コンディショニング協会副会長

「軸がとれると楽に走れる」 今村俊
プレス工業株式会社陸上競技部ヘッドコーチ

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毎週火曜日21:00〜21:30


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