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「愛を終わらせない方法、それはなんでしょう?」映画「四月になれば彼女は」鑑賞記💖

この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます。

今回は、映画「四月になれば彼女は」の公開を記念し、映画鑑賞記を書かせていただきます。

(ネタばれ部分は、後半の一章にまとめたので、ネタバレなしで読みたいと言う方は、その部分まで読んでいただければと思います。


「四月になれば彼女は」

現在、川村元気原作の映画「四月になれば彼女は」が全国公開中です。

原作は45万部突破の同名ベストセラー人気小説「四月になれば彼女は」(川村元気著/文春文庫刊)。

10年にわたる愛と別れを、壮大なスケールで描きます。


「君の名は。」「すずめの戸締り」「怪物」などのヒット作を生み出す川村元気氏原作による映画とのことで、楽しみに待っていました!

天才ヒットメーカー・川村元気氏と過去作品については前回の記事をご覧ください♪↓↓



【主なストーリー】


「あのときのわたしには、自分よりも大切なひとがいた。それが、永遠に続くものだと信じていた」

四月。精神科医の藤代俊(佐藤健)のもとに、元恋人・伊予田春(森七菜)からの手紙が届く。

“天空の鏡”といわれるウユニ塩湖から届いたその手紙には、十年前の初恋の記憶が書かれていた。

時を同じくして藤代は、婚約者の坂本弥生(長澤まさみ)と結婚の準備を進めていた。

ところが弥生が突然、姿を消してしまう。


「愛を終わらせない方法、それはなんでしょう?」

その謎かけだけを残して、弥生はどこへ消えたのか?
春はなぜ、手紙を書いてきたのか?

ふたつの謎は、やがて繋がっていく。

「あれほど永遠だと思っていた愛や恋も、なぜ消えていってしまったのだろう」

現在と過去。
日本と海外。

それぞれが交錯しながら、愛する人を探し求める”四月”が始まる。


監督:山田智和
脚本:木戸雄一郎・山田智和・川村元気
撮影:今村圭佑
音楽:小林武史
出演:佐藤健 長澤まさみ 森七菜 仲野太賀 中島歩 河合優実 ともさかりえ 竹野内豊



主題歌『満ちてゆく』(藤井風)


走り出した午後も

重ね合う日々も

避けがたく全て終わりが来る


あの日のきらめきも 

淡いときめきも

あれもこれもどこか置いてくる


それで良かったと

これで良かったと

健やかに笑い合える日まで


明けてゆく空も暮れてゆく空も

僕らは超えてゆく

変わりゆくものは仕方がないねと

手を放す、軽くなる、満ちてゆく


手にした瞬間に

無くなる喜び

そんなものばかり追いかけては


無駄にしていた”愛”という言葉

今なら本当の意味が分かるのかな


愛される為に

愛すのは悲劇

カラカラな心にお恵みを


晴れてゆく空も荒れてゆく空も

僕らは愛でてゆく

何もないけれど全て差し出すよ

手を放す、軽くなる、満ちてゆく


開け放つ胸の光

闇を照らし道を示す

やがて生死を超えて繋がる

共に手を放す、軽くなる、満ちてゆく


晴れてゆく空も荒れてゆく空も

僕らは愛でてゆく

何もないけれど全て差し出すよ

手を放す、軽くなる、満ちてゆく


主題歌『満ちてゆく』について

藤井風さんらしい、生と死を考えさせられる歌詞。 

一時的な喜びに固執することなく、過去の苦しみを手放すことで、心が軽くなり、逆に満たされてゆく。

「執着を手放すことで、逆に幸せになれる」という意味にも感じられるため、諸行無常の仏教ソングかもしれません。

ご本人曰く、「愛は求めるものではなく、すでにたくさん持っているもの。与えれば与えるほど、『満ちてゆく』もの。」

彼の曲が映画全体にさらなる奥行きをもたらしています。




〈感想(ネタバレなし)〉


🌟映画的感想

川村元気原作の映画「世界から猫が消えたなら」の最強メンバー再び。

〔主演・佐藤健×原作・川村元気×音楽・小林武史〕

この三人が再集結しており、これは強い!
という印象。

山田智和監督も、本作が長編映画初監督作。
これまでに米津玄師の「Lemon」「Flamingo」や、あいみょんの「マリーゴールド」のミュージックビデオを手掛けてきました。

MV経験が多数の監督だからか、ボリビア・ウユニ塩湖、プラハ、アイスランドなど、世界各国を旅した時の絶景映像は、息を呑むほどの美しさ。

個人的には、久々の映画鑑賞ということもあり、この映像美を観れただけでも、映画館のスクリーンで鑑賞したかいがあったなあ、と思いました!


🌟ストーリーの感想

今回のストーリーは、精神科医の藤代俊(佐藤健)のもとに、元恋人・伊予田春(森七菜)からの手紙が届くところから始まります。

フジ(藤代俊)には結婚間近の婚約者・坂本弥生がいましたが、この手紙をきっかけに、過去の彼女との思い出と、現在の彼女との時間が交錯していきます。

10年前の思い出が載った春からの手紙が、現在のフジと弥生の関係を動かしていくのも興味深かったです。

また、人は同じような悩みや問題を抱えている人と出会うと、自分のことを話しやすいのかもしれません。

学生時代の失恋を何年も引きずっているフジと、結婚直前に逃げ出したくなる弥生。

生きづらさを抱えた2人だからこそ、分かる部分があったのだろうな、と思いました。

フジは、学生時代に愛していた春を追いかけて幸せにすることができず、それを何年も引きずっています。

過去の自分をずっと後悔していて、彼自身が救われたくて精神科医になったのかもしれません。

患者としてフジの元を訪れている弥生には、以前にも結婚目前で逃げ出した過去があります。 

人を信じることを恐れていて、それよりも動物と心を通わせていた方が心が安らぐから、獣医になっています。

どちらも病気を治すという仕事に就きながら、不完全な2人。
似た者同士惹かれ合っているのですね。


二人は、最初のうちは久々に人と打ち解けて話ができました。

しかし、付き合い初め、同棲するようになってから、段々とすれ違うようになり、結婚直前には、お互いの愛冷めきっているという状況でした。

愛することをサボった二人。

日常の小さな感動の共有すらサボっていると、いつの間にか一緒に住んでいても、お互いの心のうちは何も知らない「仮面カップル」のようになってしまうのだと思います。

倦怠期を迎えてしまったフジと弥生のカップルに比べて、学生時代に純粋に「愛していた」と言い切ることのできたフジと春のカップルは対照的すぎて眩しいです。

春との間にも失くし、弥生との間にも失くしかけている、「愛」。

愛って何だろう?と考えさせる演出が続いていきます。


「愛を終わらせない方法、それはなんでしょう?」

愛を終わらせない方法について、弥生が出した見解と、私の持っている見解は多少異なりますが、非常に考えさせられるテーマだと思いました。

ネタバレを避け、個人的見解だけお伝えさせていただくと、

「愛を終わらせない方法。それは、相手を理解し、愛を伝え続けること」だと私は思っています。笑

当たり前すぎて申し訳ないのですが。

「いつか愛が終わってしまうかもしれない」という恐怖心が、結婚からの逃げに繋がったり、誰かを愛することを避ける性格に繋がってしまう。

でも、それは結局、「自分が愛されたいから、愛されなくなるのが恐い」ということなんだと思います。

私もこの気持ちはものすごく分かる方なので、共感してしまうところもあります。

ただ、「いつか愛が終わってしまうかもしれない」と相手を疑い続け、一歩を踏み出すことを恐れすぎると、相手にも申し訳ないです。

何より自分の恐怖心で、愛のチャンスを無駄にしてしまっている気がします。

「愛されるよりも愛したい」、そんな気持ちでいっぱいになっている時の方が、恋愛をはじめ、様々な人間関係もうまく行くのではないかな、と思いました。


「あれほど永遠だと思っていた愛や恋も、なぜ消えていってしまったのだろう」

学生時代に真っ直ぐに愛を伝え合い、「いつか世界中の朝日を観に行こう」、と約束したフジと春。

そんな二人であっても、恋愛の障壁が現れたときには、愛を選ぶことができませんでした。

永遠に続くかのように思えた愛や恋。

今、相手がどこで何をしているのか。
どんなことをしているのか。
相手の全てを知りたい。

そんな風に全力で人のことを想い、愛せる瞬間というのは、永遠ではなく、実は人生の一瞬なのかもしれません。

現実に、結婚した後の夫婦でも、数年も経てば、恋をした時のドキドキ感などすっかり消え失せて(笑)、生活共同体になってしまうことだって沢山あると思います。

また、恋愛ではなくお見合い結婚をした場合、元々燃え上がるような恋愛を経験していない場合もあります。笑

人は家庭を持ち、子供を育てるという責任を担っていく存在なので、恋愛感情のようなものがなくなること自体は、決して不思議な事ではないと思います。

ただ、恋だけでなく、「愛情」さえも薄れていってしまった場合は、一人でいる時よりも、二人でいる時の方が、より孤独に感じられるかもしれません。

そうなる前に、愛を取り戻したいものですし、ただ相手のことを純粋に想うだけで幸せだった瑞々しい気持ちは、できれば大切にしていきたいものです。

また、愛が消えてしまう前にできること、それはやはり相手に再び関心を持ち、理解しようとできるか、という部分ではないかと思います。



※ここから先はネタバレになります!
映画の結末を知りたくない!という方は、ここまでにしておかれることをおすすめします💖

↓↓




※感想(ネタバレあり)

主人公のフジが、学生時代に大切な彼女を追いかけられなくて後悔している分、現在の彼女を追いかけに行くという選択をできたのは良かったです!

「愛を終わらせない方法、それはなんでしょう?それは、愛を手に入れないこと」と言っていた弥生が、愛を失うことを恐れて逃げていた自分と向き合えたこと。

最終的に前に進めたことは、とても良い事だと思いました。

「愛を終わらせない方法、それは愛を手に入れないこと」?

おいおい、違うだろう、弥生さ~ん!
と一人突っ込みをしていた私でしたが、結果的には弥生さんも恐れずに愛を手にする方向へと向かってくれて、とても嬉しかったです。

人は一人では生きていけないものですし、不完全だからこそ、誰かに寄り添い、寄り添われて生きていくものなのかもしれません。

形が変われど、人は変われど、誰かを愛する、という気持ちは人間が生きていく上で必要な事だと思います。

また、一度は激しく愛した相手の事を、恋という形でなくても、大切に想う気持ちだってあります。
それも形を変えた、一種の「愛」なのではないかな、と思います。

そういった意味では、「永遠に変わらない愛」というものも、存在するのではないかな、と思いました。

恋と愛について、甘酸っぱいことを書かざるを得ない映画感想文でしたが、こういった機会でもないと書きませんので、たまには良いのかもしれませんね。笑

この感想が、何らかの参考になれば幸いです。

最後までご覧くださり、ありがとうございました!


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