【虹】
「寂しい時は空を見ればいい」
ってどこかの誰かが言ってたけど、
空なんて見ても、寂しさは埋まらないよ。
聞こえてくるのは、胸の鼓動だけ。
自分はまだ、生きているという証。
でも、本当に衝撃を受けた時って、
自分が生きてるのか死んでるのか、分からなくなる。
食べ物が喉を通らない。
食べても味がしない。
眠れない。
やっと眠れたと思っても、すぐに目が覚める。
眠ったはずなのに、目を開けると同じ状況が続いている。
笑顔の作り方を忘れる。
同じ場所を、何度も行ったり来たりする。
1時間でも2時間でも歩けるし、歩いていたことを忘れている。
誰かに声をかけられても上の空。
気づかない時もある。
全身の震えが、止まらない。
大きな喪失のあとに来るのは、自我の崩壊。
自分には何の判断力もなかった。
自分には人を見る目もなかった。
自分には人を幸せにする力がなかった。
そのことで、何度も何度も自分を責める。
魂が遊離しそうになる。
今日のこの日で、人生が終わってくれればいいのに。
と、指折り数えるようになる。
が、指折り数えても、この世は終わらない。
ただただ、空虚な日々が続いていく。
そんな状態が1週間くらい続いただろうか。
ふとスピーカーから聞こえてきた、音楽に癒されていることに気づく。
……耳が辛うじて機能している。
ああ、世の中にはまだ、こんなに美しい調べがあったのか。
そして、それを美しいと感じる私がまだ、存在している。
と、無意識のうちに、頬に涙が伝う。
自分にはまだ、超えてゆく力があるのだろうか。
この音を止めないで。
ずっと流していたい。
私が再び歩み出せるようになるまで、
音よ、永遠に流れていて。
意外にもハマるのは、どこまでも明るく突き抜けていく曲。
自分にも、雨上がりの未来があるかもしれない。
流した涙は、いつしか、一筋の光に変わるのだろうか。
虹の橋を、渡りたい。
…っていう話があるんだよ。
【完】
〔虹〕ゆず
〈あとがき〉
ポエム第5弾。
突然、愛する者を失った時の喪失感。
それは、失ったことのある人にしか分からない感覚かもしれませんが、あまりの衝撃に、まさに「我を忘れる」状態までいくことがあります。
こんなはずじゃなかった。
幸せな未来が来るはずだった。
そんな思いが強ければ強いほど、幸せだった気持ちが強いほど、その別れと喪失は苦しいものです。
苦しみのどん底に突き落とされた時。
孤独の中で、誰の声も届かない時。
本当は、神様に祈ることが1番の正解だと思います。
ただ、「祈る」という能動的なことさえ、自分ではできない状態の時もある。
そこまで来てしまった時に使えるのが、「耳で聴くこと」。
「聴く」という行為は、受動的にできるので、頑張らなくても勝手にパワーを注入する事ができます。
お祈りの言葉を聴くのも、讃美歌を聴くのも良いと思います。
そして、「説法」や「祈り」など、高尚なヒーリング方法には馴染みがない、という方にも使えるのが、音楽の力です。
よき言霊には、よきパワーが込められる、と信じています。
明るく積極的な言霊を含んだ歌詞の歌は、時に人の心を救うこともある。
音楽の力が、人を絶望の淵から甦らせることもある。
そんな可能性を表現したかった、今回のポエムでした🎶
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この世に偶然なるものは何ひとつない。
じたばたするのをやめて、静かに受け入れよう。
というお話😭🌷
⭐️今回の作品のインスピレーション源はこちら!
音楽ではなく、美味しい食べ物で我に返る人もいます💖笑
最後までご覧くださり、誠にありがとうございました!
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