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気分屋さん管理職をどう教育するか

企業の寿命は30年と言われますが、企業の成功と持続可能性は、従業員満足度が肝になるように感じられます。
特に管理職の行動は、部下の職場におけるウェルビーイングやワークエンゲージメントに大きな影響を与えるため、人事労務管理担当者は管理職のメンタルヘルスと感情のコントロールに注目する必要があります。
管理職も人ですし、コンディションの良い悪いはあるものですが、感情の浮き沈みが激しく周りを困らせている管理職についての相談はよくあるテーマの一つです。

この記事では、管理職の感情のコントロールができない場合のリスクやデメリット、部下の離職にどのようにつながるかに焦点を当て、企業や人事労務担当者が取り入れるべき対策をご紹介します。

管理職の感情のコントロールと離職率の関係

管理職の感情のコントロールができていないと、従業員のストレスレベルの上昇、職場での不満、そして最終的には高い離職率につながります。
感情の不安定は、管理職にとって従業員との関係構築において障壁となり、信頼の欠如、コミュニケーションの不足、そして職場内の緊張を引き起こす可能性があります。
部下は支持や理解を得られずに孤立感を感じることにもなり、これが離職の大きな要因となります。

人事労務担当者が講じるべき対策

1. 定期的な部下からのフィードバック

フィードバックと聞くと上司から部下へ行われるものだとイメージしがちですが、部下から上司へのフィードバックというものもあります。
360度評価という形で取り入れている企業もあるでしょう。
理想は直接的なフィードバックができることですが、評価を受ける側がこれをするのはよほどの信頼関係やフラットな企業文化が根付いている場合でないと難しいでしょう。
手頃なのはアンケートだと思います。
ファシリテートのできる人材がいればアンケートを元に対話型の組織開発が導入できます。
このような機会を通じて、管理職は自分の行動が部下に与える影響を理解し、部下は懸念事項を安心して共有できるようになります。

2. メンタルヘルスリソースへのアクセス提供

人事労務担当者は、管理職と従業員がメンタルヘルスサポートを受けられるように、必要なリソースやプログラムへのアクセスを提供することが必要です。
社内に産業保健スタッフやEAP機能を備えることも良いですし、外部EAPによる相談窓口を設けることも役立ちます。
個別のカウンセリングサービスだけでなく、ストレスマネジメント研修、そしてメンタルヘルスの啓発活動も併せて行われると効果的です。

3. 社内のサポートシステムの強化

ピアサポートグループやメンター制度の導入は、管理職と従業員の両方にとって有効なサポートシステムを構築するのに役立ちます。
ストレスチェックにもあるように上司や同僚間の支援は職場のストレスを軽減し、ポジティブな職場文化の促進に貢献します。
メンターや管理職にも更にメンターが必要なことも忘れないでください。

結論

管理職の感情のコントロールは、従業員の満足度と職場の離職率に直接影響を与えるため、人事労務担当者はこの問題に積極的に取り組む必要があります。
適切な研修、開かれたコミュニケーション、そして充実したサポートシステムを提供することで、企業は管理職と従業員の双方のメンタルヘルスを守り、より健全な職場環境を実現することができます。

もし具体的な企画立案やサポートシステムのリソースが不足している場合は弊社にご相談ください。


●筆者について
株式会社EAPサポート喜び
代表取締役 中井裕規(なかいゆうき)

国際EAPコンサルタント(CEAP-International)
精神保健福祉士、公認心理師、産業カウンセラー
東京大学大学院医学系研究科 職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム修了

大学、大学院にて心理学を専攻。EAP会社勤務を経て、独立起業。職場のメンタルヘルス対策、コミュニケーションを専門として企業研修、法人コンサルティング、職場カウンセリングを行ない、0次~1次予防を中心にはたらく人と企業のwell-being向上に取組む。EAP会社10社の法人向け新規事業立ち上げにも参画。
双子の男の子を育児し、育児を通して人生を豊かにするために多胎家庭支援やパパママに対する講演活動にも積極的に取り組む。

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