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【アルバム全曲解説】Drake "SCORPION" #19-25

19曲目から最後まで。In My FeelingsはSNS界隈では完全にダンスチャレンジ含めてバズってますし、話題のマイケルジャクソン未発表音源も!ラスト1曲はちょっと泣けます。とにかく、前半都のギャップも相まって泣かせる展開。

やはりアルバム単位でみると若手のマンブルラッパーより数段上手な印象ですね。ドラッグの話などはなしなところもドレイクが幅広い層から支持されている理由かも。

#19 That's how you feel

これもラブソング。好きな女の子がいて、関係性を築きたいと思っているけどその子はすごい魅力的でたくましくて、ちょっと厳しいかも忘れよう…みたいな曲。曲の中ではNicki Minajのライブ音源がサンプルされています。ドレイクが好きになった女の子がまさにこういう子だったということでしょうか。

Rule number one, to be a boss-ass bitch (uh-huh)
Never let a clown nigga try to play you (okay)
If he play you, then rule number two (okay)
Is fuck his best friends and make 'em yes men (okay)
And– (Wow, that's how you feel?)
ルール1!男に媚びない強いビッチになりなさい
王様気取りの男にやられちゃだめよ
男が弄ぼうとしてきたら、そしたらルール2!
そいつの男友達とやっつけて(多分、ヤッちゃう的な意味と屈服させるみたいな感じ?)そいつらをイエスマンにしてしまうのよ!

#20 Blue tint
Blut tintは青いシェードがかかってるということですが、これは高級車のパワーウィンドウを指しているようです。この曲は別れた(別れそうな?)女の子に対して、今は俺にフラれちゃうか、続けられるか、ぎりぎりのところだよ?と言っています。そして、相変わらずの俺はめちゃくちゃ金持ってるという自慢が始まる、という。ちなみにこの曲にはFutureが微妙に参加してますね~

I had her on ice but then
I watched the ice get thin
Now, does she sink or swim?
俺は昔彼女にダイヤ(ICE)を買ってあげたけど、ICEは薄くなってて今にも割れてしまいそう。(=関係性が終わってしまいそうなところまできてる)
彼女はこのまま沈むのか、それともまだ泳げる?(=フラれるか、関係性を続けられるか)*ICEを2つの比喩で使ってますね。巧い。

Blue faces, I got blue diamonds, blue tint, yeah
Blue faces, I got blue diamonds, blue tint, yeah
俺は金を持ってて、ブルーダイヤも持ってる、そしてブルーティント(青い窓の高級車)さ!
*Blue Faceは新しい100ドル札。偽造などが多くて最近100ドル札が緑から刷新されました。つまり。俺は本物の金を持っているぜ、ということ。

#21 In My Feelings
本アルバムのハイライトといえる一曲。この曲でダンスをするチャレンジ動画がSNSで盛り上がっているのも手伝って現在Spotifyチャートでも軒並み1位です。曲としては過去に付き合った?女性に対して、今でも俺を愛してくれるか?俺は今でも君のためならなんでもするよ的な曲です。もしかすると、今でも俺の近くにいて、味方になってくれるか?ぐらいのニュアンスなのかもしれません。2バース目ではしっかりとセルフボーストも忘れない、寂しがり屋のかまってちゃんなドレイク、なのでしょうか。面白いのは、コーラスで具体的に女性の名前を挙げている点です。

1) KEKE(KIKI?):トロント出身で幼馴染の歌手、初恋の相手で今でも仲良し。
*KIKIはKanyeの奥様のキムカーダシアンの愛称でもあるらしく、DrakeとKimの不倫も疑われてKanyeもモノ申していましたね。
2) KB 誰かわかりません
3) Resha、J.T. City Girlsというデュオ。
この曲の2バース目のコーラスで参加してます。
番外編でJennifer Lopesもちょっと出てきます↓

I buy you Champagne but you love some Henny
From the block like you Jenny
I know you special, girl,
シャンパンを買ってあげても、君はヘネシーを好んで飲んでる
まるでJ Loみたいにブロックから出てきた君は本当に特別な女の子さ
*いわずとしてたJenny from the blockを軸にした巧みな言い回し。J LoとDrakeは噂がありましたね。

#22 Don't matter to me

これも話題の曲。故マイケルジャクソン氏の未発表音源をコーラスに持ってきています。なんとマイケルの未発表音源が世に出るのは2014年にでた音源集以後初めてだとか。ドレイクもかなりの勇気と相当量のお金のいる決断だったと思いますが、それだけ自分に自信があるということでしょうね。曲自体はオーソドックスな失恋乗り越えソングなので特に触れません。

#23 After Dark
夜のデートドライブにお勧めの一曲。好きな女の子との夜のシチュエーション、ドレイクは仕事で酒の席があったときなどに勘違いされないかとか着信が気になったりとか、彼女に嫌われることを少し恐れながら、それでも彼女が一番大事だよと。そんな想いを抱きながら、夜の街を車で飛ばして彼女の元に向かう、そんな曲です。タイダラは男で失敗してから臆病になってる彼女、という設定ですね。二人ともおとなしくて慎ましい女の子がタイプなのでしょうか。

#24 Final Fantasy
ちょっとエロ度高めの曲です。エロティックなファンタジーを歌っています。そんな中でマイケルが歌詞の中に出てきているのでピック。

Bein' honest, I don't really know what patience is
Ayy, freaky like the red leather Michael
Zombie revival, this ain't like you

正直に言うよ、我慢とは何か、俺にはわからないんだ。そう、俺は赤いレザージャケットを着たマイケルみたいにイカれてるまるで復活したゾンビみたいにね。君とは似ても似つかないけどさ。(スリラーのMVを指した比喩表現ですね。)


残念ながらトラックはファイナルファンタジーからのサンプリングではないとのこと。

#25 March 14

最後の一曲。最後に、もう一度息子について語っています。ラストを締めるにふさわしい、とてもパーソナルな曲です。好きではない女性との間に生まれてしまった子供。立派な家庭を持って、親孝行したかったけど、シングルファーザーになってしまった。ドレイクは幼少期片親だったので、自分は普通の家庭を築きたかった、と。それでも前向きになって、子供と二人でポジティブに生きていく決意をします。そして最後は相手の女性(元ポルノ女優のSophie Brussaux)との関係を含めた未来に言及。*DrakeとSophieは認知を巡る部分で当初かなりもめていたようです。

Hopefully by the time you hear this
Me and your mother will have come around
Instead of always cuttin' each other down
God willin', I got a good feelin'
You got a good spirit
We'll talk more when you hear this, my G

この曲を君が聴くころには
俺と君のお母さんが仲良くなっていることを願うよ
常にお互いを傷つけあうことではなくね。
神のおぼしめしがあるならば
俺は今気分がいいんだ、
そして君は善い魂を持って生まれてきた
この曲を君が聞くとき、もっとたくさん話そう、My G!

*My Gはとても親しい友人を呼ぶときに使います。息子に向けて使ってます。

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