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情操教育ってなんでしょう?

その日のお稽古で音に元気がなかったら、子どもは子どもなりの事情があるわけです…まったく同じ気持ちを共有することはテレパシーでもない限り難しいですが、なるべくその子の気持ちに近づきたいとは思います。事情も裏表真ん中をきちんと整理して向き合わないといけません。

音楽の勉強だけして子どもに教えられるわけじゃない。教員免許があったところで、実習程度でわかるものじゃない。

音楽教室の先生を目指す学生がいれば、とにかく幼稚園や児童館に通い詰めることを奨めます。自分は大学2年から3年まで個人指導塾でアルバイトを週5日、大学4年では週に2コマの必須講義以外は公立幼稚園でボランティアや事務補助をしていました。

専門的な能力だけが目的ならば専門学校や個人指導でいいでしょう。大学というのは社会との関わりを考えるために一般教養があります。
音楽に思想や目的が必要とは思いません。むしろ持たない方がいいと思います。しかしながら、「例えば…」と具体的にその人の言葉で語られないのはいけないと思います。

よく企画書で「情操教育」という言葉が出てきます。間違っていません。でも、情操教育って具体的にはどんなことなのでしょう?

僕個人の考える一つの例は…

“ある子がイライラした。でもたまたま道端の花を見て綺麗だと思った。すこし気分が変わった...”
こういう「美しいもの」に対するアンテナを立てるお手伝いが情操教育と言えるかもしれません。イライラが減ると世の中もう少し良くなると思いませんか?

もっとくだけた言い方をすれば…“ものすごい剣幕で怒っていたお母さんが、ふとテレビに映った好きな俳優さんの一言を聞いて冷静になる”みたいなことです(苦笑)

こういった何かしらのイメージが欲しいです。いろんなイメージがあるでしょう。
関わる人それぞれが何かしら具体的な「例えば」を持っていないとそれこそ机上のお話です。こういったことを語れないのに、子供達の前で情操教育として演奏している人もいるんですね。結果としては同じかもしれませんが、正しくはない気がします。個人的な考えですけれど。

教育というのは、一歩間違えれば社会の害になる仕事だと、常にアンテナと一歩ひいた視点が必要だと、思います。

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■コンサート■
6/22(土)コンサート@新宿区立しなのまち子ども園
11/3(日)リサイタル@現代ギター社GGサロン
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